ヤフー子会社のGameBankは4月8日、年内に投入するスマートフォン向けゲーム4タイトルを発表した。ハイスペックな本格RPG開発に力を入れるなど個性を打ち出し、後発ながら「Yahoo!JAPAN」の強力な集客力を生かしてユーザー拡大を目指す。
発表したのは、3DアクションRPG「オービットサーガ」や釣りゲームなどで今夏以降、順次リリースする。並行してさらに数本の開発を進めており、早期に10タイトルまで増やしたい考えだ。
広くカテゴリを問わず新規タイトルの開発を進めるが、スマートフォンのスペックを生かした、やり込み要素のある本格的なオンラインゲームに特に注力。流行の先駆けとなる「イノベーター」かつ、常時接続を前提とした複雑なゲームシステムを持つ「ハードコア」ジャンルを狙っていく。「後発企業だからこそ、リスクがあっても新たなジャンルを開拓しないと意味がない」と、椎野真光CEOは意気込む。
台湾や韓国など、アジア各国の企業とも技術開発面などでパートナーシップを組み、アジア全域で成功を狙う。2010年代に国内最大のオンラインゲームパブリッシング会社となることを目標に掲げる。
ヤフーは今年1月、ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドと共同出資で同社を設立。これまでPC向けにはディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で「Yahoo!モバゲー」を展開してきたが、スマートフォン向けには自らゲームパブリッシングを展開していく。
ヤフーの川邊健太郎COOによると、国内スマホユーザーの約9割に当たる3900万人がYahoo!JAPANにブラウザやアプリを通じて接しており、強力なリーチ力を生かせる新事業として参入する。
Yahoo!JAPANとのプロモーションやサービスとの連携は積極的に進めていく。Yahoo!JAPANトップページからの送客や誘導に加え、ゲームスコアに応じて「Yahoo!ショッピング」で実際に使える割引クーポンを獲得できる仕組みを搭載するタイトルも。「Yahoo!JAPAN ID」との連携なども視野に入れる。
「成長著しいゲーム業界には当然厳しい面もあるが、ユーザーに届けるという観点ではすばらしい環境になってきていると思う」と椎野CEOは述べ、「スマートフォンの良さは必ずインターネットに接続していること。『1億総ゲーマー』『コミュニケーションが最大のエンターテインメント』という姿勢で、ネットの同時性を生かし、レベルを問わず楽しんでもらえるゲームを作っていきたい」としている。
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