経歴だけは長いベテラン記者・編集者の松尾(マツ)と、幾つものテック系編集部を渡り歩いてきた山川(ヤマー)が、ネット用語、テクノロジー用語で知らないことをお互い聞きあったり調べたりしながら成長していくコーナー。交代で執筆します。
ヤマー Appleが10月に出した新しいMacBook Pro欲しいんですよね、M1 Pro/M1 Maxを積んだモデル。4K映像をサクサク編集したい。
マツ なかなか良いお値段するよね。
ヤマー ほんとそれなんですよ。欲しいレンズもあるので手が出ず……。
そういえばMacが最大35%引きで買えるという「Apple Financial Service」(AFS)の記事がありましたよね。法人向けのリース販売だとは認識してるんですが、そんなに安くMacが買えるのかと気になって。
マツ あれ、僕も良く分かってないんですよ。最初ファイルシステム(Apple File System)かと思いました。では、もっと詳しい人に話を聞いてみましょうか。
ということで、Apple関係に精通されているMacお宝鑑定団の中の人、DANBOさんにお越しいただきました。
DANBO どうぞよろしくお願いします。
ヤマー よろしくお願いします。早速ですが、AFSとはどういう仕組みなんでしょうか。
DANBO ざっくり言えば、1〜4年契約で実質65〜95%の価格(購入額比平均)でApple製品を導入できるサービスです。
日本では最初に、DTP黎明期からMacを販売してきた「Too」というApple正規販売店が始めたんですが、先月AFSに関するオンラインセミナーに参加して内容を知って「これは!」と。
もともとAppleはコンシューマー優先で箱売り商売してきたことから、「個人とひも付かないレンタルやリース販売」はしない方針なので、リースってことにまずびっくりしました。
マツ これってM1 Macもですか? それはすごい。
DANBO 契約終了後の下取り価格って流動的で、通常は契約終了後に査定だと思うのですが、契約段階での下取り想定価格をAppleとリース会社とで決めていて。例えば、M1が出てIntel Macの下取り価格が大幅に下がっても、最初の想定価格はAppleが保証してくれます。
ヤマー クルマとかの残価設定型ローンに近いですかね?
DANBO そうですね。車と同じですね。ローンの場合は車両本体価格を基に支払い額が決まりますけど、AFSの場合は、企業の与信審査を元に使える金額があらかじめ枠で設定されてるというのがポイントかと。
与信審査が通ったあとは、MacやiPadを何台追加しようが審査はないので、会計部署は楽になると思います。
マツ 買う側としては安いし、買いやすいし、何より価格が見通せてメリット大きいですね。
DANBO Tooに算出してもらったM1 Macシリーズは1年契約で46%前後、2年で33%前後、3年で20%前後の実質値引きといった形でした。
マツ かつてのデベロッパー割引より安い……。逆にデメリットはあるんですか?
DANBO デメリットは個人契約が出来ない、与信審査が必要の2点ですね。
マツ 小規模のデザイン会社とか、使えるところは使った方がいいですよね。
DANBO リースなので最後は返却することになるわけですが、環境だけ欲しい方はこれを選ばない理由はないと思います。
マツ 返却するにしても、次に新しい世代のをリースすればいいから。毎年MacやiPadをサブスクしているようなものですよね。
DANBO 米国とカナダのAFSはさらに進んでいて、90日契約(四半期契約)も可能になっているそうで、そちらは実質サブスクです。
AFSは安く導入できるだけじゃなく、限られた予算で、通常購入できない高スペックのMacも導入できるメリットもあります。
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