NTTは2月8日、2023年度第3四半期決算を発表した。連結業績では、営業収益が9兆7169億円(前年比1.5%増)、営業利益は1兆4862億円(同2.3%減)、当期利益は1兆111億円(同2.1%)、EBITDAは2兆5717億円(同0.6%減)となり、営業収益は過去最高となった。
会見の質疑応答では、子会社のNTTドコモに関し「ネットワーク品質に嫌気が差してやめた人など、契約者数の影響はあったか」という質問が出たが、NTT代表取締役社長の島田明氏は「アンケートを取ったわけじゃないので分からないが、あまりいないんじゃないかと思っている。自分でも言うのも変だが、このところ(ドコモは)一所懸命頑張っている」と説明した一方で、「コロナが明けてからのトラフィック量を調査すると、倍ぐらい上がっているところもあった。それに対しての対応が少し後出に回っていたことについては反省している」という。
島田氏は第2四半期決算で「(対策状況について)12月までにドコモは90%と言っているが、できるだけ早い段階で100%、いや120%まで持ち上げたい」とドコモに“発破”をかけており、ドコモ井伊社長は「2000の点と50を超える路線を追加投資をしてでも完了させる。それを100%として考えるとそれ以外の点と線もしっかり増強しなさいという風に受け止めている」としていた。
この改善計画について、「計画で申し上げた12月末までの改善は全てやりつくした。どうしても基地局を増設しないといけない部分もあるので、折衝に時間がかかり年を越えている、もしかすると年度を越える部分もあるかもしれないが、着実に改善している」「通勤路線の沿線の部分も、相当程度改善してきている。これからアプリのところまでしっかり管理し、品質を向上してまいりたい」と、改善が順調であるとアピールした。
なお、ドコモでは回線品質の改善のため、SNSの声や自社で提供しているスピード計測アプリから通信状況の把握を続けているが、2月2日からは新たに「d払い」も活用。コードが表示されるまでの時間を計測し、その場所と通信品質の情報をもとに改善を図るとしている。
2月6日には、通信大手のKDDIがローソンへのTOB実施を発表したばかり。この動きについて島田氏は「同じような戦略を取ることはない」と説明。サプライチェーンのDXについては、小売だけでなく上流も含め各分野でサポートしていることから、「コンビニの主要3社とは今までもビジネスでお付き合いさせていただいているので、しっかりと強化していきたい」としている。
金融事業などへの影響については「直接的な関係はないと思う」とした一方で、「d払いやdポイントがローソンで使えなくなると困るが、そうはしないと高橋社長も会見で仰っていた。d払いも継続して頂けると思っている」と見解を示した。
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