「すごいアホみたいなんですけど、“伝説の会社員”になれたら面白くないですか?」──「チルノのパーフェクトさんすう教室」「今だけダブチ食べ美」など、ネットを席巻してきたコンテンツの声優・歌手として知られるmikoさんは、自身が目指すキャリアについてこう話す。
読者の多くが、ニコニコ動画やX、その他動画サイトなどで、一度はmikoさんの声を聞いたことがあるはずだ。ある年齢層のオタクたちに多大な影響を及ぼしてきたmikoさんだが、実は専業の歌手・俳優ではない。本業は金融系のSEで、副業として歌手・声優として活動しているという。
兼業について「『その設定すごい好きです!』といわれることもあるんですが、いや、設定じゃないんだよなと(笑)」とmikoさん。不思議な二足のわらじについて本人に聞くと、それぞれの仕事に対する熱意と思いがうかがえた。
mikoさんが歌手・声優としての活動を始めたのは15歳、高校生のころ。「友達にだまされて、この世界に入ることになっちゃった」という。
「もともと人前に出ることは得意じゃなくて。歌とかもすごく苦手で、今でも苦手意識があります。でも友達にだまされて、とある収録に声で参加し、作品が完成したのを見たとき、たくさんの人がスキルを持ちよって作品を作ることに面白さを感じました。それで、どうしても作り手側に回りたかったんです」
しかし15歳当時のmikoさんは、デザインや音楽、作詞など、クリエイティブのスキルを持っているわけではなかった。そこでmikoさんは、消去法で声での活動を選んだという。
「活動者側になる最短ルートって何? って考えたら、声を使うことしかありませんでした。こんなこと言ったら怒られちゃいそうなんですけど、完全に消去法ですね。今思えば、当時の私はLinuxでいうpwdしてls! をしてました」
※編集注:Linuxにおいて、pwdは現在のディレクトリ(Windowsで言うフォルダ)のパスを調べる、lsはディレクトリにあるファイルとサブディレクトリを確認するコマンド。
しかし、声や音楽の活動1本でキャリアを積む気はなかったとmikoさん。学生時代も学業を優先しながら活動しており、就職と共にやめるつもりだったという。しかし、自身の活動に想定外の反響があったことで「手放すのはもったいない」と感じ、現在までの約21年、二足のわらじを履くに至った。
「私のことなんか誰も知ることないでしょ、と思っていたんですが、なんかバズってしまって。音楽や声の活動を主軸にしないまでも、自分の使えるものとして持っておけば、10年後20年後に面白いことができるんじゃないと思い、両立する道を選びました。欲しいものはどっちも手に入れればいいじゃないか! と(笑)」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR