ファイルシステムに異常があるため、ファイルやフォルダを削除できない場合もある。「ディスクのチェック」を利用すると、ファイルシステムの異常を調査して修復できるので、ファイルやフォルダが含まれているドライブに対して実行してみるとよいだろう。ディスクのチェックは、ローカルディスクのプロパティで「ツール」タブを開き、「エラーチェック」の項目で「チェックする」ボタンを押下すれば実行できる。
なお、ディスクのチェックを実行する場合、重要なデータはバックアップを取得しておくことをおすすめしたい。多くの場合は破損したファイルが修復されるだけだが、場合によってはシステムファイルを格納している領域が破損しており、修復に失敗して起動できなくなるような重大なトラブルが発生することもないとはいえないからだ。
ファイルパスの長さが、260文字以上になっている場合もファイルを削除できないことがある。ファイルパスの長さが問題の場合は、昔ながらの8.3形式の名前を利用してファイルにアクセスするか、階層の深いフォルダから階層の浅いフォルダにファイルを移動して削除すればよい。
また、システムで予約されている文字列を使用していたり、Windowsのサブシステムでは無効な文字列が含まれている場合も、エクスプローラでファイルを削除することができない。システムで予約されている文字列は、MS-DOS時代からの後方互換性を確保するために必要で、「lpt1」などWindowsでは問題ないように思えるファイル名もある。このように予約されている文字列のファイルは、通常の方法では作成できないが、Win32サブシステムが提供している方法を利用しない特殊なアプリケーションが何らかの理由により作成することがあるので注意が必要だ。
予約された文字列や無効な文字列が含まれているファイルを削除するには、コマンドプロンプトで下記のように入力すればよい。
del \\?\<ドライブ名>\<パス名>\ファイル名
例えば、Cドライブの「tools」というフォルダにある「lpt1」という名前のファイルを削除したい場合は以下のように入力する。
del \\?\c:\tools\lpt1
コマンドプロンプトからの削除方法は、ほかのトラブルによりファイルを削除できない場合にも有効な手段になるので、覚えておくといいだろう。
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