8月27日にシャープが発表した超小型マシン「NetWalker」は、MID(Mobile Internet Device)にカテゴライズされる製品だ。OSにはWindowsではなく、カスタマイズ版のubuntu 9.04が採用されている。その結果、「CPUのx86互換性」「1Gバイト超のメインメモリ」「数ギガバイトオーバーの内蔵ストレージ」という、Windowsによって引き上げられてしまう要求スペックの制限から逃れ、大幅な小型軽量化と長時間バッテリー駆動を実現している。それでは早速レビューしていこう。なお、今回の評価は試作機で行ったため、発売までに一部仕様が変更・改善される可能性があることを付け加えておく。
NetWalkerのCPUは、Netbookに見られるAtomベースのプロセッサではなく、ARM Cortex A8をベースにマルチメディア機能を統合したFreescale i.MX515を採用している。CPUクロックは800MHz、メインメモリ512Mバイト固定、内蔵ストレージは4ギガバイトフラッシュメモリ(うちユーザーエリア約2ギガバイト)だ。低スペックのNetbookと比較しても非力な環境ではあるが、動画再生にも十分なパフォーマンスを発揮する一方で、約10時間のバッテリー駆動時間を実現し、さらにわずか409グラムという超軽量化も果たしている。ネットワーク機能は内蔵モジュールにより802.11b/gに対応する。
拡張用インタフェースとしては、本体左側にUSB 2.0ポートが1つ、右側にUSB 2.0 miniABポートが1つ、計2ポートを搭載する。USB 2.0 miniABコネクタはホスト・クライアント両方に使用されるコネクタだが、NetWalkerでサポートされているのはホスト機能のみ、つまり周辺機器を接続するためのインタフェースとして使用することになる。
内蔵ストレージは4ギガバイトのフラッシュメモリだが、microSD/microSDHCスロットが本体底面に用意されている。あまり頻繁に差し替えることは考慮してはいないようだ。なお、現在microSDHCは16ギガバイトで実売5000円前後と、非常に安価になっており、単純に増設内蔵ストレージとして使えばよいだろう。
ここではソニーの「VAIO type P」、キングジムの「ポメラ」、そしてシャープ製の電子辞書とボディサイズを比べてみた。
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