2021年6月で25周年を迎えたパナソニックのモバイルPC「Let's note」に、Intelの第11世代Core搭載の新モデル「Let's note FV」シリーズが加わった。昨今のテレワーク/在宅ワークでの不満を解消すべく投入されただけに、見どころが多い1台だ。
今回は試作機を短期間試用できたので、その実力の一端に迫ってみよう。なお、パフォーマンスや細かい部分などで製品版と異なる可能性があるのには注意してほしい。
テレワークでPCを使う際に、よく不満として上がってくるのが画面の狭さ、PC自身の性能不足、Web会議での音や映像に関するものだ。同社が行った調査では、在宅ワークではリビングや共用スペースで使うので少しでも省スペースで、同時にExcelやWord、PowerPointなどのビジネスアプリを大画面で扱いたい、Web会議をしながらでもサクサク動作するPCが必要との声が大きかったという。
このFVシリーズは、14型とモバイルPCとしては大きな画面で、2160×1440ピクセルというアスペクト比3:2の液晶ディスプレイを採用している。昨今、3:2の比率を採用したモデルが徐々に増えているが、従来の16:9や16:10に比べて縦が長いため、Webの画面が見やすく、オフィスアプリケーションも扱いやすい。さらに、画面を分割して編集/閲覧作業をする際も快適に利用できる。
IPS方式などの表記はないが画面の視野角は広めで、タッチ操作に対応したモデルも別途用意されている。タッチ非対応モデルの場合、左右の額縁部分は約5.3mmと狭く、ディスプレイのカバーをはめ込む新しい嵌合(かんごう)方式の採用と、マグネシウム合金を肉厚化することで従来モデル同等の強度を確保しているという。
天面部分は、中央部が約1mmへこんでいるボンネットデザインを継承する。こちらも強度アップに貢献しており、見た目がすっきりとしているのはこれまでと同様だ。
従来のLVシリーズに比べ、小型かつスリム化を果たしているのも見どころだ。LVのボディーサイズは約333(幅)×225.3(奥行き)×24.5(厚さ)mmだったのに対して、FVは約308.6(幅)×235.3(奥行き)×18.2(厚さ)mmとなり、重量も約0.999kg(最軽量モデル)〜約1.204kg(大容量のバッテリーパックLモデルの場合)と軽くなった。
底面にあるバッテリーは着脱式で、評価機にはバッテリーパックSが装着されていた。容量は11.55V 30Wh(2543mAh)で、バッテリー単体の重量は実測で約190.5g、PC本体は約827gなので合計で約1.0175gと、ほぼ1kgになった。バッテリー駆動時間は公称値で約10.5時間〜21時間(バッテリーパックによる)と、十分にビジネスアワーをカバーしてくれる。
また、FVには5Gモデルも用意(直販モデルのみ)され、アンテナもこれまでの2本(液晶ディスプレイ上部)から4本(液晶ディスプレイ上部+下部)に強化して感度を高めている。無線LANはWi-Fi 6(Intel AX201)で、Bluetooth 5.1をサポートする。
付属のACアダプターは従来のSV/LVシリーズと同じモデル(CF-AA65D2AJS)だ。出力は16V 5.3Aで、ケーブル込みの重量は実測で約277.5gだった。FVシリーズは7月に発売予定となる別売のUSB Power Delivery対応のACアダプター(出力は20V 5A、CF-AAP102HJS)もサポートしている。
次に、インタフェース回りを見ていこう。
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