分散型グリーン水素供給事業を展開する英国Protium Green Solutions社への資本参画について
2025年1月10日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、産業分野及び輸送分野においてグリーン水素の製造・供給を行うProtium Green Solutions社(本社:英国ロンドン、CEO : Christopher Jackson、以下「プロティウム社」)への資本参画を決定いたしました。
水素は燃焼時にCO2を排出しないため、カーボンニュートラルの実現に不可欠なエネルギーとして注目されています。産業分野においては、製品の製造工程で熱源として使われている化石燃料の代わりに水素を活用することで、脱炭素化を図ることが期待されています。
また、輸送分野においても、エネルギーの充填時間や走行距離等の観点からバッテリー式電気自動車(BEV)では対応が難しい大型商用車について、水素で発電して走る燃料電池車(FCV)※1を活用することで、脱炭素化が可能となります。
プロティウム社が本社を置く英国は、環境施策において世界に先行しており、グリーン水素についても、英国内プロジェクトを対象とする大規模な支援制度の公募を2022年から実施、2029年まで継続することを公表しています。プロティウム社は、顧客の立地やエネルギー需要の特性を踏まえた水素利活用のコンサルテーションと、それに基づく地産地消型のグリーン水素事業の開発を強みとしており、2023年3月より、産業分野、輸送分野の英国企業にグリーン水素を供給してきました。
プロティウム社の水素ソリューションの特徴は小・中規模の需要を中心に、再生可能エネルギーの開発・調達から、分散型のグリーン水素製造・供給・利活用機器の調達・保有・運用まで一括してプロティウム社が担うことです。顧客は燃料転換に伴う初期投資を最小限に抑えながら、必要な場所で必要な量のグリーン水素を活用するサービスを受けることが可能です。将来的には伊藤忠商事のネットワークも活用し、英国外でもグリーン水素事業を展開することを目指しています。
伊藤忠商事は今般の資本参画を通じて、プロティウム社による水素ソリューションの知見やノウハウを活用した水素製造・供給事業を日本及びアジア地域にも展開することによって低炭素社会の実現を図るとともに、経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」に基づき、川下を起点とした成長投資を加速し、事業領域を拡大していきます。
プロティウム社
会社名 | Protium Green Solutions |
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本社所在地 | 英国 ロンドン |
設立年 | 2019年 |
代表者 | 創業者兼CEO Christopher Jackson |
事業概要 | グリーン水素の製造・供給 |
プロティウム社の分散型グリーン水素供給事業の開発スキーム図(一例)
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グリーン水素の製造装置
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- ※1Fuel Cell Vehicle(燃料電池自動車)の略称。 燃料電池内で水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り、その電気でモーターを回して走行する自動車のこと。