ひとり旅はもちろん、ひとりカラオケ・ひとり焼肉など最近では「おひとりさま」も楽しめることが増えてきていますね。でも「ひとり〇〇を経験してみたいけど、どう楽しんだらいいかわからない」そんな方もいると思います。
そこで温泉オタクの永井千晴さん(@onsen_nagachi)に“ひとり温泉旅行”の楽しみ方を教えていただきました!永井さんは、ひとり温泉旅行に関する書籍も進行中とのこと(詳細は発売が見えてきたら告知します!)。
毎月、連載で少しずつ“ひとり温泉”を楽しむヒントをお伝えしていけたらと思います。
※この記事は2020年9月9日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
温泉好きとしてブログやTwitterで情報発信をしていると、ときどき取材を受けることがあります。その際、高頻度で聞かれるのが「温泉旅行には、何を持っていくのがおすすめですか?」という質問。YouTubeではたくさんのパッキング動画が投稿されていますが、“温泉好きならではの持ち物”の情報はそこまで多くは出回っていません。
本記事では、女性ひとり温泉旅行の視点で、おすすめの持ち物について書いていきます。
「二軍」より「一軍」を着ていこう
ひとりで旅行へ出かけるとき、「一軍を着る」派ですか、「二軍を着る」派ですか。
私自身は、長らく「二軍」派でした。なんなら、旅先で捨ててきてしまおうか、ぐらいの。何年も前に買ったスカートや、ポケポケと毛玉のついたニットなどをこさえて、誰にも見つからないように(誰にも見られていないのですが)ひっそりと過ごしていました。しかしここ最近、一軍を着てひとりで温泉旅行したら、なんだやっぱりめちゃくちゃテンション上がるじゃん、と思い直したのです。
なぜなら一軍の服は、旅行につきものなトラブルを励ましてくれるから。例えば、「行きたかったお店が臨時休業していた」「急に雨が降ってきて行きたいところに行けなかった」「乗ろうと思っていた電車やバスが全然来なくて予定が狂った」「ランチが全然おいしくなかった」……云々。あらゆるトラブルや悲劇は、ひとり旅行だといつも以上に気持ちが落ち込みます。
ひとりじゃなかったら、「しょうがないからあっちに行こうか」「雨が止むまでカフェでお喋りしようか」と相談したり、「ハズレだったね」と笑いあえたりするのですが、ひとりは本当にそういかない。ただただ、次の動きを考えるために、スマホとにらめっこします。そういう「あーもう来なきゃよかった」なんて喉まで出かかった言葉を、お気に入りの服は励ましてくれます。
私のひとり温泉旅行おすすめ一軍コーディネートは、お気に入りのワンピースとフラットパンプスで合わせること。温泉は「脱ぐ・着る」がいつもより多く発生します。ほんのり汗ばんだ風呂上がりの状態で通気性の悪いパンツを履くのは宇宙一めんどくさいことなので、特にジーンズはおすすめしません。全体的に、なるべくさっと脱いでさっと着られるスタイルがよさそうです。
パンプスは歩きやすく足に馴染んでいて、ヒールがなく、できるだけ濡れてもいい素材・価格のものを。スニーカーでももちろん良いですが、パンプスでフォーマルさを残しておくのも悪くありません。美しい旅館の敷居をまたぐとき、ちょっといいランチのお店に入るとき、厳かな寺社仏閣をのぞくとき、足元の私が「違和感ない」「変じゃない」のは、その後のテンションを大きく左右します。
旅行は日常の延長だから、普段と同じものを
さらに私は、「だいたい旅館にすべて揃ってるっしょ」と思い、長らく手ぶらで旅行に出かけていました。現地のコンビニで割高のトラベル用シャンプーを買い、備え付けのボディーソープと化粧水を使い、歯ブラシも旅館のやつで磨いては歯ぐきから血を流し……(硬いですよね)。
身軽で気持ちいい~と思っていたのですが、あるとき気づいたのです。「あれ、温泉にきたのにそんなにお肌つるつるになってないし、なんか体の調子が狂った感じがする」と。普段と違うものを使うと、なんとなくストレスがかかっているのかもしれません。
それからは、極力普段使っているものを持っていくようにしています。ちょっと面倒だけど、小さな詰替え用ボトルを買って、シャンプーとコンディショナー、クレンジング、化粧水、乳液などを全て入れ込んで。歯ブラシは普段使っているものか、トラベル用の歯ブラシを。そういうセットを一度用意しておくと、旅行に行くときそれだけ入れればいいのでスーパー楽です。
旅行は日常の延長。充電器も、洋服も普段遣いをこさえるようになりました。いつものリズム、いつものグッズが、ストレスを極力なくすのだと考えています。
手ぬぐい、部屋着…個人的マストアイテム
その他、私が必ず持っていくアイテムたちを紹介します。
1.手ぬぐい
体を洗う用として、家から1枚手ぬぐいを持っていきます。体馴染みがよいだけでなく、乾きやすくかさばらないので、めちゃくちゃに重宝します。手ぬぐいでの体洗い、気持ちいいので自宅でもぜひ。旅館でいただける小さなタオルは、体を拭くか、おみやげ用にとっておきます。
2.部屋着
自宅では浴衣一枚だけで寝る機会がほとんどないので、旅館では実はあまりよく眠れていなかった、と最近気づきました。特に下半身が心許なくて寒さを感じ、途中で起きてしまうことも……。だから、荷物に余裕があるときは上下スウェットを、ないときは下だけ持っていきます。中間着として、ユニクロなどで買えるブラワンピースも活用します。
3.お風呂用めがね
視力が悪く、ふだんめがねを使う方であれば、強い気持ちで「お風呂用めがね」をおすすめします。湯船から見る景色や、壁にかざっている言葉など、浴場でも見るものがたくさん。私は裸眼だと0.1以下なので、せっかくの絶景露天も三割ぐらいしか楽しめなかった……なんてことが何度もありました。視力、めちゃくちゃ大事です。
旅行へ行くとなると、パッキングに煩わしさを感じるかもしれませんが、極力日頃使っているものだけを持っていくことをおすすめします。いつもと違う場所に行き、違う布団で横になり、違う場所で眠るのですから、ストレスがかかってしまうのは当たり前。なるべく普段の延長で持ち物を考えてみてはいかがでしょうか。
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■プロフィール
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は400超。普段はCHOCOLATE Inc.でプロデュース業をしています。元じゃらん編集部員。
Twitterアカウント @onsen_nagachi
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi