【データインテリジェンス】ユカリアデータレイクを用いたSGLT2阻害薬の適応拡大と特許保護に関する研究論文を発表
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【データインテリジェンス】ユカリアデータレイクを用いたSGLT2阻害薬の適応拡大と特許保護に関する研究論文を発表
2025年1月31日
株式会社ユカリア
株式会社ユカリアは、自社の医療データレイクを活用した医薬品の適応拡大と特許保護に関する研究成果が、University of Buckingham Pressの発行する『Journal of IP in Practice』の創刊号に掲載されたことをお知らせします。 タイトル :Expanding Drug Indications: Strategic Lifecycle Management vs. Evergreening in SGLT2 Inhibitors データレイクとは、大量の構造化データ、半構造化データ、非構造化データを一元的に保存、処理、保護するリポジトリ(データ格納場所)のことです。 SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管においてナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)の働きを阻害し、尿中へのブドウ糖排泄を促進することで血糖値を下げる経口糖尿病治療薬です。
本研究では、日米欧における医薬品の適応追加に関する特許権の保護範囲の違いに着目し、SGLT2阻害薬の慢性腎臓病(CKD)への適応拡大の影響を検証しました。ユカリアのデータレイクを活用した解析の結果、日本で最も早くCKDの適応追加承認を取得したダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)は、糖尿病治療薬としての使用は増加しているものの、慢性腎臓病治療薬としての使用拡大は限定的であることが示されました。この結果は、特許保護の国際的な差異が医薬品の市場浸透や医療アクセスに影響を及ぼす可能性を示唆しています。論文情報
著 者 :新村和久(株式会社ユカリア)
掲載誌 :Journal of IP in Practice(創刊号)
出版社 :University of Buckingham Press
DOI :https://doi.org/10.5750/jipp.v1i1.2216
掲載リンク:https://www.ubplj.org/index.php/jipp/article/view/2216/1891「ユカリアデータレイク」について
ユカリアの独自データレイク(ユニークID数:約110万件)の特徴は、定量データだけでなく定性テキストデータも解析に活用できる点にあります。これにより、医師の診察所見記録や看護師のケア記録などの臨床現場の質的データを用いた多角的な患者分析が可能です。
また、最長10年間の継続データを蓄積しており、1人の患者の症状変遷を長期的に追跡できるのも強みです。データ提供元の病院群には、急性期から回復期、慢性期、療養型病院まで幅広い機能を有する医療機関が含まれており、継続的に通院する患者のデータも反映されています。SGLT2阻害薬(Sodium-Glucose Cotransporter-2 inhibitors)について
元々2型糖尿病治療薬として承認されましたが、近年では慢性腎臓病(CKD)や心不全への有効性も報告されており、適応拡大が進んでいます。