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銀行訪問キットの作り方ー私の融資付けの工夫(1)ー

ぺんたさん_画像 ぺんたさん 第22話 著者のプロフィールを見る

2018/11/19 掲載

こんにちは、ぺんたです。不動産投資は銀行融資と切っても切り離せない関係ですよね。私は零細なころから試行錯誤して、金融機関から融資してもらうためにはどうしたらいいのか?といろいろ工夫して来ました。

まだ試行錯誤は続いていますが、現在やっていることを今回から2回にわけてご紹介したいと思います。

・今回:審査に必要な資料を網羅的に集めた「 銀行訪問キット 」の作成について
・次回:物件取得後の「 アクションプラン 」について


■ 銀行の担当者に選んでもらう

かぼちゃの馬車事件以来、主にサラリーマン大家さんに対する融資姿勢が厳しくなったという話をあちこちで聞きます。しかし、私がお取引させていただいている金融機関にヒアリングすると、1行を除き「 特に融資ルールが厳格化したわけではありません 」と異口同音におっしゃいます。

たぶん、金融機関は投資家を選別するようになったのでしょうね。そんな状況下では、銀行マンから融資先として選んで貰えることが、融資を成功させるための重要なポイントになるのかな?と思っています。

■「 銀行訪問キット 」

以前、銀行マンと雑談したとき、担当者さんが苦笑いしてこうおっしゃいました。

「 融資のご相談に来られる方で物件概要書1枚だけ持参する方が一番多く、なかには手ぶらで来られる方もいらっしゃいます 」

「 明らかに業者が作成したと思われる細かな収支計算を持参される方もいらっしゃいますが、ご本人が内容を全く理解しておられないこともあります( 笑 )」

そうなると、融資には逆効果ですね。銀行マンは相談者の経歴・人となりはもちろん、金融資産の状況や所有物件の収支・資産性、過去の経営状況、購入する物件をどのように経営していくか・・・などの全体像を網羅的に把握しないと、融資稟議が書けないそうです。

ところが、大家さんの中にはそうした資料を提出しない人や、提出までにものスゴく時間がかかる方も少なくないそうです。ですから私は、最初から全部の資料をドサッと提出し、他の大家さんと差別化を図ることにしました。

私はその資料集のことを「 銀行訪問キット 」と呼んでいます。


①私自身の職務経歴書

②私( 及び法人 )の金融資産を証明する資料
 ・全口座の通帳コピー
 ・その一覧

③経営方針を簡潔に説明する資料

④所有物件に関する資料
 ・物件一覧
 ・物件毎の謄本・返済予定表・固都税評価証・管理報告書
 ・入居状況の一覧

⑤購入物件に関する資料
 ・物件資料一式
 ・購入後のアクションプラン
 ・自作の返済予定表

⑥過去3期分の決算資料


中味は上記のようなものです。現在は2法人を経営していますが、両方とも情報はフル開示しますし、通帳の数字は一切いじったりしていません( 笑 )。

■ 銀行訪問キットの使い方

物件が増えた今では、このキットを作るのも一苦労です。妻にも協力してもらって1日がかりです。厚めのファイルに綴じ込んだものを銀行に持ち込みます。以前は写真のサイズでしたが、いまでは厚みが3倍ぐらいになっています。



訪問時に時候のあいさつを済ませてからこのファイルを取り出すと、ほとんどの銀行マンはびっくりされます。それだけでも私の経営姿勢をアピールする効果は満点です(^_^)

あとはキットの内容に沿ってポイントだけ説明するのですが、相手は私のことを全く知りませんから、まずは職務経歴書を使って簡単に自己紹介から・・・。

職務経歴書は紀伝体で記述して、サラリーマンとしての経歴と賃貸業としての物件取得履歴を混ぜて書いています。( わかりやすいように賃貸業としての部分は青字でハイライトしています )。

サラリーマンとしての実績は、どこの会社のどんなポジションで、どんな実績を上げたかというところまで書いています。同じように、物件に関しては例えば入居率50%で購入して、半年で満室にした・・・などと満室化した実績を記述しています。

正直なところ、こういうはっきりしたアピールは性に合わないのですが、外資系企業への就職活動だ・・・ぐらいに思って割り切っています( 笑 )。

経営方針に関してはパワーポイントで図や写真を使って分かり易く解説しています。例えば下のようなチャートを見せながら、



「 人口20万人以下の地方都市は不人気なので買付競争があまり激しくありません。そういう街で供給過剰になっていない地域を選んで物件を増やしています 」

「 なかでも割安に買えるのは空室の多い物件なのでそういうのを購入してどんどん満室にしていきます! 」

などと説明します。すると当然相手は、「 どうやって満室にしていくのだろう? 」と疑問に感じるでしょうから、次に下のようなチャート↓を提示して、相手の不安を解消していきます。



「 商品力のないまま放置されている物件でも、手を入れれば満室にすることができます。このような内装工事は自社で行うことで安価に施工できます 」

そのように説明すると、皆さん一様にびっくりされます。大家さんが自分で工事をやるなんて信じられないという感じです。また今後の展開方針についても別のチャート↓を用意しています。



物件再生を重ねてある程度の規模までなりましたので、今後は築浅のRC物件の取得も考えています。その際、多額の自己資金を投下する必要が生じ、既存物件を売却する場面も出てくるでしょう。その時のために、こういうチャートで予め説明をしておくのです。

ここでは細かな数字は排除して、担当さんが直感的に私の事業を理解してくれるような紙芝居調にしています。後で提出した資料をもとに、彼らが自行の規定に沿ってうちをスコアリングしてくれるため、チャートでは数字にはそれほど重きを置いていないのです。

■「 銀行訪問キット 」の効果

こういう資料を初回訪問時に提出することで担当さんの警戒心が一気に消え、非常に前向きになってくれます。そのおかげでいまでは8行の金融機関と融資取引させていただくようになりました。

私のブログで「 銀行訪問キット 」のことを書いたところ、初心者の方が苦労していた融資付けに成功したとか、銀行からほめられたというお話をたくさんいただきました。

自力で融資付けできることが成功の必須条件だと私は思っていますので、皆さんも取り組んでみてはいかがでしょうか? 融資が厳しくなったと言われる昨今でも、銀行はこの人だ! と思った人にはちゃんと貸してくれると思いますよ(^_^)
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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

ぺんたさん

ぺんたさんぺんた

不動産賃貸業
平日は物件のある山口県、週末は家族のいる福岡県在住
家族は妻と二人の息子

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1966年
    福岡県北九州市で誕生
  • □1989年
    大阪大学人間科学部卒業
    東京の大手電機メーカーに就職
  • □2000年
    3才の長男に発達障害があることがわかり、妻と「この子が20才になるまでにファミリービジネスを作っておこう」と決める
  • □2005年
    義両親の介護のために長年勤めた会社を退社し、福岡へUターン
    退職金で生活しながら、義両親の介護と長男の療育の体制を整える
    そののち、福岡市内の球団に就職する
  • □2009年
    福岡の球団を辞め、東京に単身赴任
    数社の事業再生にかかわり全て業績改善を達成
  • □2014年
    不動産賃貸業で起業(サラリーマンを卒業)
  • □2015年
    物件のある山口県と家族の住む福岡県の二重生活を始める
不動産投資歴
  • □2000年
    『金持ち父さん・貧乏父さん』を読み、不動産投資に興味を持つ
  • □2004年
    千葉県九十九里に中古アパートを購入するも空室が続き、持ち出し状態に
  • □2007年
    千葉県九十九里のアパートを売却し、いったん撤退
  • □2008年~
    福岡の区分マンションを現金で購入
    福岡の中古戸建を現金で購入
    千葉県山武市の中古戸建を現金で購入
  • □2012年
    福岡県内に2LDK×8戸で1,150万円の中古木造アパートを購入(利回り29%)
  • □2013年
    岐阜県恵那市に3DK×16戸で4,000万円の中古RCマンションを購入(利回り24%)
  • □2014年
    不動産賃貸業で起業。サラリーマン時代の経験を活かし、空室の多い物件の再生に的を絞る。

    岐阜県恵那市に3DK×12戸の中古S造マンションを購入(利回り21%)

    三重県松阪市に1R×40戸で1億円の中古RCマンションを購入(利回り17%)
  • □2015年
    山口県宇部市に中古S造アパ―トを初購入(利回り27%)
    平日は宇部市、週末は福岡県という二重生活がスタート
  • □2016年~
    山口県宇部市で物件を買い進める
    恵那市の2棟のマンションと松阪市のマンションを売却し、山口県を主戦場と決める
  • □2022年
    山口県宇部市でドミナント化を進め、所有物件22棟・217室はすべて宇部市で購入。
    満室時の家賃年収は1億2,000万円程度。借入れは約8億円(返済比率38%)

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