どもども
みなさま、こんにちは。
DIY大家のソーリムウーハーです!
キャンプや旅行に行く時は、管理会社の人におみやげを買っていきます。
事務所に行く機会も少ないので、担当者の方に顔を合わせるキッカケにもなります。
ところでボクは、管理会社と契約する前に、ひとつ『条件』を入れています。
それは『修繕を依頼しない』ということ。
管理会社にとっては重要な収益であることは承知していますが、
「申し訳ないけど、修繕はお願いしません」
と事前に伝えています。
ボク自身が物件を直すのをライフワークとしている『DIY大家』だからというのもあるのですが、実はそれ以外にも賃貸経営の成否に関わるほどの重大な理由があるのです。
本日は、あまり知られていない、本当は恐ろしい『管理会社に修繕を任せない理由』についてのお話です。
■修繕費が高くなる
ボクがDIYを始めたキッカケは、1棟目のアパートで退去が出たときでした。満室で購入して、その1年後に初めての退去が出ました。
当時はなにも判らなかったので、管理会社に言われるがまま、修繕の見積もりをとってもらいました。
そこで出てきた金額は、80万円を超えていました。
1部屋の和室を洋室にして、2DKのクロスとCFの張り替えと、一部の塗装だけです。この見積もり金額を見た時に、『不労所得』なんてものが幻想であることに気づきました。
「自分でやらなきゃいけない」
そう決心して、この日からDIY修行の日々が始まります(そしていつの間にか、ガチDIY大家に…)。
この管理会社発注の80万円の工事ですが、今のボクなら全外注しても40万円以内でできます。そう、管理会社のリフォームって高いんです!(もちろん会社にもよりますが)
管理会社は、基本は工務店に丸投げですが、そこにさらに2割ほど「管理費」を上乗せすることが多いためです。これほどムダなコストはありません。(もしボクが管理会社を経営したら、メッチャ儲けられる気がします。グヘヘ…)
修繕費の削減は、そのままわれわれ大家の利益になります。
自分で業者を探して、発注しましょう。
修繕箇所を理解して、職人さんに依頼ができれば理想ですが、工務店に丸投げをしても、管理会社に依頼するよりは安くなります。
管理会社に丸投げしても良いのは、『工務店を探す手間すらもったいない』というくらい出来上がった大家さんだけです。
管理会社に80万円で修繕を依頼すると、こんな感じ。
まず工務店に管理料を取られ、さらに管理会社でも管理費が上乗せされる。
■退去
ある日のこと、アパートの1階の入居者様から管理会社にクレームをいただきました。
2階に住んでいる外国人の女の子が、ふとんを丸洗いして脱水せずにベランダに干したため、下の階で干していた布団に垂れて水浸しになってしまったとのこと。
そんなことは一言注意すれば済む話だと思うのですが、その担当者はこんなことを言いました。
「あの外国人の入居者さん、トラブルが多いので退去してもらいましょうか?」
(いまはこのセリフを言った管理会社との契約は打ち切り、他の会社に依頼をしています)
『退去』が発生すれば、修繕費・広告費・空室分の賃料損失は大家負担となり、数十万円が吹き飛びます。それなのに、なぜ退去を薦めるようなことを言うのでしょう?
なぜなら、管理会社にとっては、毎月の『管理費』よりも入退去で『修繕費』や『清掃費』の手数料を得た方がメリットが多いからです。特にトラブルをおこす面倒な入居者には退去してもらった方が、都合が良いのです。
カンタンな例ですが『退去なしで住み続けた場合』と『退去して入れ替えがあった場合』で管理会社の売上を比較してみましょう。
(例)
賃料:月5万円
管理費:5%
【退去なしの場合の売上】
・管理手数料:年間3万円
【退去⇒入居ありの場合の売上】
・修繕管理費:6万円(修繕費30万円)
・仲介手数料:5万円(新入居者から)
・広告費:5万円
(合計:16万円)
入居者を退去させて、新しく入居者を入れるまでに16万円。
管理会社にとっては入退去があると、通常の5倍以上の売上げを立てられることになります。
『退去が儲かる』以上、管理会社が何かと理由をつけて退去させようとするのは理屈に合う話です。そのため、知識がない大家は、アパートの空室率が加速します。
僕が管理会社にリフォームをお願いしない、最大の理由がコレです。
■設備が古いままになる
管理会社の退去修繕は、その名の通り『修繕』です。
壊れた箇所や、生活に支障のある箇所を修理・交換するだけです。
設備が使えなくなっていれば、それをそのまま同じものに交換します。
どれだけ古い設備でも、それと同じか近い型を見つけて入れ替えるだけです。
しかしご存じの通り、設備は日々進化しています。
ダブルハンドルだった水栓は、シングルレバーになり、ドアチャイムもテレビ付きドアホンに変わっています。
これからは、家電のAI化が進むので、エアコンや照明もAIスピーカー対応の物が一般化していくでしょう。
そんな状況でも、管理会社のリフォームは、あくまで『現状維持』です。
賃料に対して、管理会社の利益となる管理費は、たったの5%です。
月に5,000円賃料が上がっても、管理会社の儲けは250円しか増えません。
現地を見て古い箇所を見つけ、和室を洋室にしたり、アクセントクロスを入れたり…。頑張って賃料アップを考えて工夫した結果の報酬が、コンビニアイス1個分ってことです。
これでは「賃料を上げるためにバリューアップしよう」という思考にはならないでしょう。それどころか多くの管理会社は『できるだけ家賃を下げて楽に早く入居を決めたい』と考えています。
■管理会社に勤める妻と話して思ったこと
実は、ボクの妻は近所の管理会社で働いているのですが、不動産の話をしていると、大家とは完全に逆の思考で仕事をしていることに気づきます。
大家さんなら誰もが、こう考えるはずです。
『修繕費を安くしたい』
『入居者に長く住んでもらいたい』
『家賃を少しでも上げたい』
でもそれを望んでいるのは、大家さんだけなのかもしれません。
一方の管理会社や客付業者は、まったく違うことを考えています。
『修繕費はできるだけ高くしたい』
『手間のかかる入居者は、すぐに退去させたい』
『家賃を下げて、楽に入居を決めたい』
だからといって大家のために、彼らの利益を減らせというわけではありません。管理会社や仲介会社は、ビジネスパートナーであり大切な仲間です。
自分も儲かる場面では、ちゃんと相手にも儲けさせてあげることが大事です。
たとえばボクの場合は、とある管理会社に対しては、毎月賃料10%の管理費を支払っています(一般相場は5%前後)。その代わりに、良い売り物件があればまず一番にボクに紹介してくれます。
両者が得をする方法を見つけてこそ、良い協力関係を作ることができます。
どちらかが損をする関係では、長続きはしません。
だれもが自分の利益を最優先して活動するのが、資本主義の世界です。
経営者である以上、自分の事業を本当に守れるのは、自分だけです。
このルールを理解してこそ、管理会社と良い関係が築けるのかもしれません。
また次回お会いしましょう。
ではでは
「安全DIY宣言」のマークは、危険を回避しながらでも本格的なDIYリフォームをすることができることを多くの人に知っていただきたくて作成しました。
権利のない自作の完全フリー素材です。
ご賛同いただける方は、ぜひご利用・拡散をお願いいたします。
安全DIY宣言
・危険な工具は使いません
・高所での作業はしません
・安全具なしで作業しません