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なぜ「隣地は倍出しても買え」と言うのか? 都内の所有物件の隣地を購入した3つの事例

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第65話 著者のプロフィールを見る

2024/9/5 掲載

不動産投資をする場合、隣地を半値で買える事は案外あるよ、という事例をお話しいたします。

不動産の格言で、「隣地は倍出しても買え」というのがあります。

隣地を買う事で、都内なら大きく建物を建てられるので収益性が向上します。地方でも駐車場を増やせますし、陽当たりや通風にも好影響を与える訳で、まず格言としては妥当なのかもしれません。

むろん、倍まではいかなくても、市場価格なら隣地を買おうという不動産投資家は少なからずいらっしゃる事でしょう。

■一棟マンションの隣地の戸建てを購入しました

最近私は都内北西部のターミナル駅にほど近い戸建てを、購入しました。この戸建ての横には、私が購入してリノベーションを施した一棟マンションがあります。いずれは隣地の戸建てを購入したいと考えておりましたので、良い取引になったと思います。

・東京都23区内、平成初期の木造戸建て3階建て
・土地20坪、建物100㎡
・内外装リノベーション施工
・JR駅、地下鉄駅徒歩10分程度 地盤良好
・価格2,000万円台後半

購入価格から考えると、土地値以下で仕込めていますし、市場価格の半値と言っても良い水準での取引といえそうです。

「ふーん、たまたまそんな事もありますよね」という感想を抱いた方も、いらっしゃるかもしれませんね。しかし、これは偶然ではありません。私が8年前に一棟マンションを仕込んだ時に、これは横の戸建てもいずれは買えるな、と確信していたのです。

今回購入した隣地戸建てをいずれ買えると確信していた理由は、次のようなものです。

・戸建ては、私の一棟マンション敷地内を越境して排水管や水道管を敷設していた
・戸建ての所有者は、お子様がいらっしゃらない老夫婦。いずれは、住んでいる戸建てを売りたいと話していた
・私の一棟マンション側に若干、建物自体が越境していた

そして、私は一棟マンションを購入した時に、「戸建てを将来的に売る際には上記を是正する事」という合意書を作成して、隣地の戸建て所有者である老夫婦に記名押印をいただいていたのです。

私が隣地の戸建てを買わないで他の方が所有者になった場合、新しく作成する合意書にハンコを押すかどうか、本当に瑕疵の是正を求めるかどうかは、当然ですが私の判断になります。

結局、隣地の戸建ては私に売るしかない、そうでないなら相当ややこしい物件として、売りに出すしかない、という状況だったのです。

「たまたま運が良かっただけなのでは?売り物件を色々見ていますが、そんな隣地を抱えた物件はあまり見ませんが」と言われた事があります。
「いやいや、丹念に探せば案外見つかりますよ」というのが私の回答です。

■都内にある所有物件の隣地を購入した2つの事例

私はJR山手線ターミナル駅徒歩圏でも、同じような取引をしています。
その時の事例もお話ししましょう。

・JR山手線某ターミナル駅徒歩8分
・土地25坪 南公道に面す 第一種住居地域
・更地渡しの売地(古家つき)
・交渉の結果として、坪単価約100万円で購入

上記がこの物件のスペックですが、これも先ほどと似たような話で、この売地上にある解体予定の古家は私が所有している一棟マンションに、建物が越境していました。解体する際にも、結局私の合意や許可が必要になる状況だったのです。

そんな経緯から、最終的には破格の値段で交渉がまとまり、隣地を更地として購入させてもらいました。今は私が新築した一戸建てが稼働中です。良い取引だったなと考えています。

このような隣地取引は普通に再現性があると考えられます。
郊外になりますが、似たような内容で今年購入した戸建があります。現在はリフォーム中です。この件についてもお話ししましょう。

・東京都郊外 某市 新宿まで電車で30分~40分程度
・土地35坪 建物90㎡ 昭和60年代築木造2階建て
・私鉄駅徒歩4分 周囲は住宅街
・室内は経年劣化で、汚損がそれなりにある

上記のような物件を500万円で購入しました。これも、今までと同様、私の道路通行や掘削の承諾がないとマーケットでは普通に売れないという物件でした。そのため、安価に譲っていただけた次第です。

安くは買えましたが、写真のようにそれなりに傷みがあります。内外装をきちんとしないと、貸し出す事は難しいでしょう。

その為、先日、いつもお願いしている大工さんに内装をお願いしました。外装は馴染みの業者が廃業してしまったので、改めて業者さんを探しているところです。

■隣地を買うことで得られるメリット

「所有しているアパートは満室だし土地も問題ない。隣地は要らないよ」
「隣地が安く買えたらそれは結構な話だが、そもそも買ってもどうするの?」という意見を持った方もいるでしょう。

これについて私は、「隣地を買えれば、色々運用の幅が広がりますから、出来れば買った方が良いのでは」と考えています。具体的には、次のような活用法が考えられます。

1)隣地を買って、必要な分だけ分筆し残地を売り出す
→駐車場や駐輪場拡大で、物件の管理能力や魅力が増します

2)隣地を買って、自分の土地も合筆して売り出す
→所有している物件の容積率、建蔽率に余裕がある場合は検討出来ます。売却する事で、物件の取得原価を大幅に下げられ、余資も生まれます

3)隣地を買って、将来的にはより大きな建物を建てる
→都内の好立地の場合、魅力的な選択肢です

4)隣地を買って、当面は戸建てを建てて貸し出す
→木造のローコストを建てて、当面は運用も良い選択肢ですし、安く買えていれば年利10%近くで回る

私の場合は、上記のうち3や4を選択して、運用の幅を広げています。

皆様も不動産を求める際、隣地の配管が通っている物件や、越境されている物件を検討してみるのも悪くはないかもしれません。弱点が転じて強みになり、有利な取引が実現される事もあるからです。

参考になれば幸いです。

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

トーマス高島さん

トーマス高島さん

東京都在住
不動産投資家

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経歴
  • □197×年
    東京都に生まれる

    □幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

    東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

    □大学卒業後非鉄金属会社に入社
    祖父母介護の為に退社

    社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

    中国に数度の短期留学を経験する

    □2001年
    兼業で不動産投資を開始

    株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

    □2024年
    山手線沿線を中心に約50戸を所有

    趣味は読書・競馬。好物は酒

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