2008年から競売不動産のデータを収集・解析している一般社団法人不動産競売流通協会は、同会が運営する競売情報検索サイト「981.jp」の保有データを元に、2024年の競売不動産の出品データを公表した。
■近年の競売市場の背景
リーマンショック後の2009年、競売不動産の出品数は60,000件を超えた。
その後、中小企業の資金調達や住宅ローン返済の救済を目的とする中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が施行される。貸付条件の変更申込が増加し、2010年と2011年、競売物件数は大幅に減少した。
中小企業金融円滑化法が2013年に終了したことで、企業の倒産や競売物件の増加を予想する声も多くあった。実際は2014年以降も金融機関の姿勢は大きく変わらず、競売不動産の出品数も毎年僅かずつ減少を続けた。
■2024年の競売不動産
・競売物件数は11,415件で、2023年の11,086件から329件増加した。
・再出品を含むトータル出品数は16,351件で、前年比1,437件の増加となった。
・増加率は僅かだが、増加という事実が2009年以来15年ぶりの現象となる。
・物件種別の内訳は戸建てが69%、マンションが20%、土地が11%となっている。
同会では、その他、都道府県の比較や入札数等のデータをホームページで公開している。
◎参考
<リリース元情報>
一般社団法人不動産競売流通協会
健美家編集部