加古川市で2007年、小学2年の女児=当時(7)=が刺殺された事件に関与したとして、兵庫県警加古川署捜査本部は28日、殺人の疑いで、勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)を神戸地検に送検した。逮捕時の調べに、勝田容疑者は「黙秘します」と話し、認否を明らかにしなかったという。捜査本部は、関与を認めたとされる任意聴取での供述などを基に慎重に裏付けを進める。
送検容疑は07年10月16日午後6時ごろ、加古川市別府町の女児の自宅付近で、ナイフで胸などを刺して殺害した疑い。女児は搬送時、刺したのは「大人」「男」と話したが、その後意識を失い、神戸市内の病院で死亡が確認された。
捜査本部は、現場周辺の聞き込みなどで不審者の洗い出しを進めたが、目撃情報や物証に乏しく捜査は長期化。今年5月末ごろ以降、類似事件の分析などを端緒に、別の女児刺殺事件で服役していた勝田容疑者から任意で聴取し、関与を認める供述を得たとされる。
勝田容疑者は、06年9月にたつの市の路上で小学4年の女児=当時(9)=が刃物で刺された事件への関与も認め、県警が今月7日に殺人未遂容疑で逮捕。調べに「女の子を刺した」と認める一方、殺意を否認していた。県警は、その後の認否の変遷や、容疑に対する具体的な説明内容について明らかにしていない。
県警は27日、たつの市の事件を勾留期限に合わせて処分保留で釈放し、加古川市の事件で改めて逮捕した。