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大企業はどうして給料高いのかを小学生にも分かるように解説する

2024年10月10日

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大企業は中小零細より確実に給料が高い

左巻きの人たちがよくいうことに
大企業はあくどく儲けているから給料が高いんだ
というのがありまして、彼らによると「大企業は政府と結びついてあくどく儲けていて自分たちを搾取している。だから大企業にはもっと税金を払わせてそれを貧乏人に撒けば良い」ということらしいのですが、これにはかなりの認知のゆがみがあります。まず自分は入りたくても大企業に入れなかったという前提があるわけで、イソップ物語の酸っぱい葡萄的な思考です。

まず上場企業なら
●株式公開しているので脱税や不正などが非常にしにくい
●お金の流れが厳しく監査される
●資産や現金などが一般に公開される

わけでして、中小零細と比較してコンプライアンスも非常に厳しい。
ブラック勤務環境や不当解雇なども圧倒的に中小零細のほうが多いでしょう。

社員給料を見ますと大企業と中小零細では明確な差があります。

男性の55〜59歳では
大企業483.8万円 中企業409.9万円 小企業350.8万円
※大企業を100とすると小企業は72

女性の50〜54歳では
大企業395.2万円 中企業277.5万円 小企業255.7万円
※大企業を100とすると小企業は65

と、
大企業は中小より30〜35%も給料が高い

ということになります。なぜ大企業の方が給料が高いのか

法人税を払っている、つまり黒字の企業の比率は

実は日本では中小企業を中心に6割強が法人税を払っていません。上場企業のみに絞るとだいたい半数くらいが赤字です。
ちょっと古いデータですが

国税庁の会社標本調査(2012年度分)によると、資本金1億円超の法人(大企業)2万3000社は全法人数252万6000社の0.9%でしかないが、全法人税収8.9兆円の65%(5.8兆円)を納めている。逆に言うと、資本金1億円以下の法人(中小企業)は全法人数の99.1%を占めているが、彼ら全社で法人税収の35%しか納めていないということだ。

6割強の会社が「法人税」を納めていない本質中小企業の節税・決算操作は行き過ぎている

上場企業は赤字であれば株価が暴落して株主総会で経営陣は厳しく詰め寄られます。場合によっては辞任を迫られるわけです。
ではどうして中小零細では赤字決算が多いのか・・・

稼いだ利益に最高税率45%の所得税が課せられるのを嫌う個人事業主が、節税を目的として設立した法人が多いからです。いわゆる『法人成り』です。法人化すれば所得税を逃れられるし、利益をそっくり社長の給与(役員報酬)として支払って、会社の利益をゼロにすれば法人税を納めなくてよい。社長の給与に所得税はかかるものの、給与所得控除が適用されるから、その分、個人事業主より節税メリットが大きくなります。利益が増えてきたら、奥さんや子どもを役員にして給与を支払うようにすれば各々に給与所得控除が適用され、節税メリットが膨らむ。だから赤字法人が多いのです

とまあ、乱暴に言うと中小零細は利益が出ても社長や社長の家族に給料の形で支出したり、経費で使ったりして黒字を圧縮したり赤字にして法人税を払わないようにする。そもそも赤字だから人件費を高くできない。

で、ココが根本的なことなのであるが、大企業と中小零細では利益率が全く違うのです。中小企業庁

下の売り上げ高と経常利益は企業規模が大きいほど大きくて当たり前だが、問題は上の「売り上げ高経常利益率」です。
要は企業規模が大きいほど儲かりやすくなる。中小も2000年くらいからIT化などで利益率は向上したが大企業には全く及ばない。大企業は製造業なら自社で価格を設定できるし大量生産でコストを下げられる。優秀な人材が集まるので儲かる仕組みやマーケティング、開発能力も高いということです。

もうひとつは損益分岐点です。
損益分岐点比率とは、売上高が現在の何%以下の水準になると赤字になるかを表す。大企業の損益分岐点比率は2019年度時点で60.0%にまで改善している一方、中規模企業では85.1%、小規模企業では92.7%と、改善はしているものの大企業との格差が大きくなっている。つまり大企業は売上が60%にまで減少しても耐えられるが、小企業ではたった7%売上が落ちるだけで赤字に転落する。つまりコストが非常に高いので賃金上げにくいということです。

この損益分岐点を中企業の業種別に見ると、宿泊業や飲食サービス業は売上高の減少するとすぐにやばくなり、卸売業や建設業は頑張れるということになる。

このとこから、中小零細は

●利益率が低い
●赤字のところが大半で、黒字でも赤字ギリギリで回している
●そもそも宿泊や飲食は基盤が脆弱

賃金を上げにくいのが分かるでしょ。

どの業界がギリギリで回しているのか

中企業の場合で見ると、自己資金率の低い業種は明白です。

こちらも業種的に倒産しやすいのは、宿泊も飲食サービスが飛び抜けている。情報通信は損益分岐点は高いが自己資金比率が高くて借金か少ない。

つまり、中小企業でも、前回のプログに書いたとおり、インバウンドの恩恵が無い宿泊や飲食の給料は安いままで上がりにくく、倒産しやすいと言うことになります。

8月の倒産件数746件 28か月連続で前年同月比を上回り、インバウンドの来ない地域は死んでいく

こちらが身も蓋もない結論なのですが、給料に不満があるのなら、利益率が高い企業規模や業種を選択すればいいのです。それができないのであればそもそも自らのキャリア不足や「責任がなくて簡単で楽そうな仕事がいい」みたいなチョイスが間違っているわけです。

小学生にもわかるように説明するのは難しい。中学生くらいにならなんとかなったか・・・・

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