かのエジソンも「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」と語ったとおり、アイデアを実現するためには多くの苦難がありますね。

「Behance」や「99 Percent」といったベンチャー企業を立ち上げた経験を持つ、Scott Belskyさんは、Googleやディズニーといった企業が、どのようにしてアイデアをプロジェクト化し、これをやり遂げてきたのか、長年リサーチしてきたそう。こちらでは、これらの内容をまとめた彼の著書『Making Ideas Happen: Overcoming the Obstacles Between Vision & Reality』から、いくつかのポイントを抜粋してご紹介しましょう。

 

クリエイティブなプロジェクトのリーダーには、すべての課題やタスクを、早く解決しようとする本能があるように見受けられる。しかし、目の前にあることに追われているだけでは、長期的な目標の達成は成し遂げにくい。

では、緊急の出来事に対処しながら、長期的なプロジェクトの進行を妨げないためには、どうすればいいのだろう?そのコツが以下の5点だ。

  1. 「緊急」と「重要」の2種類の仕事リストを作る
    仕事を「緊急なもの」と「重要なもの」に分け、それぞれに時間をうまく振り分けるようにする。
  2. 主な仕事・プロジェクトを5つだけ選ぶ
    仕事には、ときに妥協も必要。日々注意を払うべき重要なものを、5つだけリストしよう。このリストを見れば、いかに「重要でない」ものに負荷やエネルギーを使っているかがわかるはず。
  3. 他のメンバーの仕事まで抱え込まない
    他のメンバーに委ねている業務でも、「自分でやったほうが早いや」と、つい自分で解決してしまうことがあるかも...。しかし、緊急な仕事を自分で抱え込んでしまうと、長期的な目標達成に向けたパワーや意識が、損なわれるおそれがある。潔く他人に任せることを心がけよう。
  4. 仕事分担表を作る
    列にメンバーの名前、行にタスクとして、仕事分担表をつくり、共有すると効率的。誰がどの仕事を担当しているのかが、一目瞭然になる。担当者に自分の担当タスクについて責任感を持たせ、チーム全体の業務がスムーズに遂行できるだろう。
  5. 邪魔されずに集中できる時間を確保する
    電話やメール、チャットのおかげで、せっかく取り掛かっている仕事が中断してしまうのはよくあることだが、何にも邪魔されず、仕事にガッツリ集中できる時間を確保することは大切。緊急事態が発生しづらい夜や朝イチに、この「集中タイム」をとっている人が多い。

ポイントは、仕事の優先づけを行うこと、チーム内での役割分担を行うこと、集中できる仕事時間を確保すること。いずれも仕事の生産性を向上させる上で「当たり前」のものばかりですが、この当たり前をきちんと身につけ、実践し続けることこそ、アイデアをアイデアで終わらせず、成果というカタチとして実現するコツといえるかもしれませんね。ご興味のある方は、こちらの原書(英語)も参考にしてみてください。

[How to Turn Your Creative Brainstorm into a Completed Project]

Scott Belsky(原文/訳:松岡由希子)