今現在、あなたの毎日の中にも、やめた方がよさそうなことが一つや二つ、あるのではないでしょうか。世の中は、「あきらめるのはよくない」とか「粘り強く頑張る人が成功するのだ」という風潮なので、潔くやめることはなかなか難しいかもしれません。「Freakonomics」の著者の一人、Stephen Dubner氏によると、時にはやめることが最善の選択肢になるのだそうです。
Photo by Rusty Haskellやめるのが難しくてずるずると続けていると、「sunk cost(埋没費用)」という、回収不可能な支出が増えていきます。やめたいことに対してすでに時間とお金をかけてしまっていると、今さらやめるのはもったいない...と思いがちですが、そこでやめなければ、sunk costはさらに増えていくのです。
「やめられる人」が「やめられない人」よりも優れている理由としては、「やめられる人」は「すぐに失敗を認められる人」であることが挙げられます。アイディアがたくさん浮かんだら、いろいろと試し、失敗しそうなもの、してしまったものを、どんどん削除していきます。そうすることで、いいアイディアを絞り込んでいくことができるわけです。「やめられる人」は、「これはダメそうだ」と早く察知する力も持っています。
最後に、やめるという行為の意義を心理学的に見てみましょう。うまくいかないときに、その悔しさや、そのタスクに執着する気持ちを解き放す(let go)ことのできる人は、鬱状態になりにくく、時間が経つに連れてネガティヴな気持ちを減らしていけるのだそうです。また、そういう人は、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が低く、免疫機能が高いので、体調がよく、健康なのだとか。
「Freaconomics」のPodcastの内容(英文)は、こちらから読めます。
The Upside of Quitting: Full Transcript | Freakonomics Blog
Adam Pash(原文/訳:山内純子)