中央線の下りに乗って、山梨まで行ってしまいたい...。
などという思いが朝の通勤電車で渦巻くのも無理もない、そんな紅葉真っ盛りの季節。近所の樹木が色づくのを見るときに、ふと、「あの色の名前は何だろう?」との疑問が浮かんだことはありませんか?
そんな疑問を解消してくれる、「日本の伝統色の名前」を一覧できるサイトを本日はご紹介しましょう。
「和色大辞典」と題された無料の色辞典サイトには、日本の伝統色がRGBカラーコード付きでまとめられています。その数456色。ディスプレイ上で表現できる色に限られるとはいえ、微妙な違いにも別の色の名前が付けられている、と知るだけでも感慨深いものがあります。
それぞれの色の名をクリックすると、個別ページへ。16進トリプレット、RGBカラーモデル、HSB(HSV)色空間、Lab色空間、そして印刷で用いるCMYKカラーモデルでの各色の数値が分かります。
紅葉の色に誘われてクリックした、この「照柿(てりがき)」の色の名はWikipediaによると、江戸時代中期ごろ、梅の木を原料にした染物の黄赤色を照柿と呼んだのが発祥とのこと。
柿の実でも木でもなく、梅の木からこのような色がでるとは驚きですね。ちなみに、薄めの照柿色には、「洗柿(あらいがき)」という別の名前がついてます。こちらの色も、和色大辞典に載っていますので、ご覧あれ。
他にも、色の和名をまとめたサイトにはこのようなところも。
スタイリッシュなデザインで、250の伝統色がまとめられています。画面左側の色名をクリックすると、ページ全体の色が鮮やかに入れ替わります。
さてもう一度、和色大辞典に目を遣りますと、紅葉めいた色と一言に言っても、さまざまな色があることがよくわります。
この記事のTOPに配した紅葉写真のなかにも、
- 木のてっぺんなどに見える、薄く緑がかった赤
- 赤みの強い橙
- 黄色がかった果物のオレンジめいた色
などなど、さまざまな色が見られます。これらを表現するときに、それぞれの色の名前を知っておくとより的確に伝わりますね。「木のてっぺんあたりは、取り残されたように薄萌黄になっている」とか「緋色と山吹色が稜線の起伏に合わせて、交互に波打つように色づいている」とか、ちょっと色の和名を交えれば、思わず純文学めいた香りも漂ってくるような、ライフハッカーらしからぬ文章に早変わりです。伝統色の名前を知ることは、先人の色彩感覚を追体験するばかりでなく、表現できる言葉と色、すなわち感情の表現の幅を増やすことに他ならないような気がします。
和色大辞典をじっくり見たり、思い切って休みを使い中央線の下りに揺られて生の紅葉を眺めたりして、色の違いと名前をちょっとマスターしたら、色を媒介にした表現の腕試しとして、東洋インキさんが開催する「2011ベストカラー~みんなで決める今年の色~」にも足を運んでみるのはいかがでしょう。今年、一番印象深い出来事を「色」に置き換えて、東京デザイナーズウィークの出展ブース内で投票するイベントです。審査の結果で決まった「今年の色」は、ライフハッカーでも紹介します!
開催期間は11月1日(火)~11月6日(日)の6日間。場所はアクセス至便の神宮外苑ですので、休みが取れなかったときには、ちょっと寄り道して、今年の色選びに行ってみるといいかと思います。
特典として、来場者全員に「東洋インキ カラーファインダー(R)」をプレゼント! また、イベント参加者には毎日抽選で100名様に、グラフィックデザイナーRIMO(※)氏デザインのオリジナルTシャツが当たります。さらにWチャンスで、豪華デジタル製品も。イベントの情報は以下のリンクでも紹介されますので、合わせてご覧あれ。
※RIMO氏プロフィール
東京出身・グラフィックデザイナー。CDジャケットや広告、冊子などのデザイン制作で活躍後、NYへ留学。帰国後、デザイナー&アートディレクターとして、独特の世界観のあるイラスト&デザインを武器に国内・外にて活動の幅を広げる。最近では、ファッションブランド「Revolver」のニューラインである「YES by Revolver」やスチャダラパー20周年記念ロゴ、YMO第4の男"松武秀樹のソロプロジェクト・「LOGIC SYSTEM」、フランス・パリのDJ、Surkinによる別ユニット「Marble Players」のアートワークなどを担当。
(常山剛)