本エントリーの著者・石田麻琴氏(@m_ishida)は、ネットショッピング運営の現場で得た知識を生かし人材育成についての講座などを行うコンサルタントです。そのウェブマーケティングについての実践的な理論を紹介します。(編集部)
前回の記事で紹介したのは、「ヒットコンテンツを作り出すことがブランドの認知に繋がる」という原理原則した。それでは、そもそもヒットコンテンツを作るにはどうすればいいのでしょうか?■ ヒントは「過去の成果との比較」にしかない
ヒットコンテンツの作り方、正直それは誰も分かりません。インターネット上では「これをやれば成功する」というような甘い言葉もしばしば目にしますが、教わるだけで簡単に成果が出るならば誰も苦労はしないでしょう。
そして、ヒットコンテンツの「ヒット」がどれくらいの成功を意味するのか。その基準も非常に分かりづらいです。他社の成功事例は、結局あまり役に立ちません。サイトのデザインも、扱っている商材も、運営しているスタッフの能力も、その仕事にかける気持ちも、あらゆる部分が会社によって異なります。条件が違い過ぎて「ひとつの参考」にしかなりえないのです。
では、ヒットコンテンツを作るにはどうすればいいのでしょうか? そのヒントは、自分の「過去の成果との比較」にしかありません。つまり、「何がヒットコンテンツなのか?」はわからなくても、「それが過去と比べてヒットしているのか?」は自分でも容易に判断ができる、というわけです。
■ Webビジネスにおける評価方法とは?
売上はもちろんのこと、サイトのユニークユーザー数やコンテンツのPV数、商品の注文数や資料請求数など、Webビジネスにはさまざまな指標があると思います。
まず、その多くの指標の中から、自社の求める成果に最も影響を及ぼしていると考えられる数値項目を「3~5項目だけ」選び出し、日々その結果を記すのです。もちろん、ただ記すのではなく、コンテンツの更新やサイトへの導線変更など、実行した施策を書き込むことを忘れてはいけません。
そして、記したデータを過去のデータと比較します。
数字に変化があれば、「なぜ数字が動いたのか?」を考え、プラスの影響を与えたと思われる要素を活かし、マイナスの影響を与えたと思われる要素を捨てて、次の実行を行います。さらにプラスの影響を与えると思われる新しいアイデアを加えながら、サイクルを回していきます。
あとは、これを「たった1000回」繰り返すだけです。それだけで、ヒットコンテンツの鉱脈に当たることができます。きちんと成果を読み取れていれば、1000回が500回にも100回にもなるでしょう。ただ、相当運が良くない限り一度で的中するということにはなりません。
まずは、たくさん動くことから。そして、成果を比較しつつ、コンテンツを的の中心に合わせていく作業が大切なのです。(石田麻琴)
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