結果、トマトジュースをいっぱい買いました。

人はなぜ、疲れているとあらゆることが面倒になってしまうのでしょう。毎日の楽しみであるはずの食事さえ、手を抜きがちになります。そろそろ健康や節約に気遣って、自炊をしようと決めたのに...そう思いながら、コンビニのドアを開いてしまう。とはいえ、コンビニが悪かといえば、そうとも言い切れません。むしろ「自炊のハードルが高すぎるのだ」と思います。

深夜特急めし 109』(ヤスナリオ著、主婦と生活社)は、そんなハードルをググっと下げてくれるレシピ本でした。「リアルな食材、手軽な調理、でもちょいコジャレたレシピでお届けする」と銘打つだけあって、用意するものは少なく、コンビニにもある身近な食材ばかり。

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パラパラとめくっていて、目に留まったのが「トマトジュースとツナの冷や汁」。味もなんとなく想像できるような、できないような。興味を引かれた私は、早速作ってみることにしました。これが「深夜特急めし」あなどりがたし! と人に勧めたくなる入り口となったのでした。5分でできる「トマトジュースとツナの冷や汁」

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作ってみて、5分とかからず完成した手軽さにびっくり。食べてみると、今度はおいしさにびっくり。ツナの旨味が染み出たかけ汁はさっぱりといただけて、青じその爽やかさも良いアクセント。食欲がないときやお酒のシメにも間違いのない逸品です。「お前さん、やるじゃないの!」と思わず口にしたくなります。トマトジュースということもあって、健康にも役立ってくれそう。

みなさんにも試してほしくて、今回はヤスナリオさんに許可をいただき、このレシピの掲載をOKしてもらいました(ありがとうございます)。分量は1人前です。では、以下よりどうぞ。

材料

冷凍ご飯(加熱) 1人分

ツナ缶 1/2缶

青じそ 2枚

<トマト汁>

トマトジュース(無塩) 1/2カップ(100ml)

しょうゆ 小さじ1

水 1/4カップ(50ml)

作り方

  1. ボウルにトマト汁の材料を入れて混ぜる。ツナは油をきってほぐす。青じそは千切りにする。
  2. 器にご飯を盛り、しょうゆ適量(分量外)を回しかける。トマト汁をかけ、ツナと青じそを乗せる。

禁断の粉チーズトッピングをすると、背徳感も上がりますが、リゾットのようでまた良し。黒コショウを挽いたり、タバスコを少し振ったりしてもおいしかったです。

自炊のハードルは「高く思っているだけ」なのだと気づく

『深夜特急めし 109』は作りやすさのレベルを電車になぞらえて、「超特急」「特急」「急行」と分けています。ちなみに、トマト冷や汁は超特急。すっかり(文字通りに)味を占めた私は、超特急メニューをいくつか試してみました。

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あさりの和風スープスパ。あさり水煮缶、長ねぎ、焼きのりのシンプルな組み合わせですが、最後に加えるバターがいい仕事してくれます。あさり水煮缶がなければ、ちょっとだけ旨味が少なくなってしまいますが、ボイル済みのあさりでも。

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さんま缶キムチうどん。冷凍うどんを電子レンジで温めて、材料と和えるだけ。甘辛い味が好きな人なら、一口で「そりゃあ、うまいよな」と納得できるはず。きゅうりのザクザクとした食感が幸せレベルを上げてくれますので、省かずに入れるのがオススメ。大根やレタスの千切りなど、歯ごたえのある野菜に代えても良さそうです。

と、数品試してみると、どれも簡単でおいしい。冷凍ご飯や乾麺といった基本の主食に、缶詰、調味料、少しの野菜をうまく合わせることで、まるで手間がかかっているかのような一皿ができるのです。まるで、「料理はアイデア、そして組み合わせだよ」と優しく教えてもらっているかのようです。

『深夜特急めし 109』には、冷凍ご飯編、豆腐編、ひとり鍋編など、ガッツリ系からヘルシーメニューまで、全109品のレシピが載っています。あらためて、料理そのものを身近な存在に引き寄せてくれるような一冊でした。

長谷川賢人