嫌な気分というのは、何かしら良くない出来事があったせいでなるものだと思うでしょうが、実は必ずしもそうではありません。自分の気分は出来事や状況とは無縁のこともある、ということが分かっていると、悪い決断を避けることができます。

自分の直感を信じた方がいいと誰しも思っていることでしょう。しかし、「Tiny Buddha」のAmy Johnson博士は、自分の直感が間違った道を選ぶこともあると警告しています。

人間の感覚は、常に自分が考えていることを反映していると思われています。しかし、必ずしも「感じていることが真実」だとは限りません。

人間が感じているすべての感情、情動、気分には、本人が経験している思考が関係しています。ただ、その思考が常に正しかったり、重要であったりする訳ではありません。常に本人にとって最高のものを示してはないのです。

実際のところ、感情は思考に関する反応に過ぎません。感情は、精神状態や生活状況、"正しい"仕事やパートナーや食習慣を持っているかどうか、に対する反応ではないのです。

このことに気付く前は、Amy博士は嫌な気分になったり、悪循環に陥ったりする原因となるものを変えようとしていました。例えば、仕事で時々嫌な気分になっていたら、仕事の良くない面ばかりが目につき始め、新しい仕事を見つけない限り幸せになれないと思い、仕事を変えたりしていました

しかし実際には、嫌な気分はネガティブな思考の表れに過ぎなかったのです。人間は嫌な気分になると、その気分を簡単に変えることができず、どんどん嫌な気分にはまっていき、その原因となるものを変えようとしますが、それでは状況は悪化するだけです。

結局、ネガティブな感情というのは隠されてしまうことが多いです。ネガティブな感情に抗ったり、それを隠したり、変えようとしたりする時には、苦痛を感じます。

そうすると、再び感情に執着するようになります。その感情にさらにストレスを感じたり、強く意識をするようになり、逃れられなくなります。覚えておいてください、思考や感情を手放せば、新しい思考や感情が押し寄せます。

つまり、嫌な気分に陥った時にその嵐の中から抜け出すには、その原因となるものや人に執着しないようにすることが大事だということが分かります。それでも何度も同じことが繰り返される場合は、何か大きな変化を起こすことを考えた方がいいかもしれませんが、嫌な気分になったからと言ってすぐに決断を下すのは、時期尚早だということを覚えておいてください。

Shep McAllister(原文/訳:的野裕子)

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