別に毎日日記をつけろとは言いません。書くことでこんなにいいことが〜と、効用を列挙するつもりもありません。
ただ、私自身が去年1年を通してものを書いてきて、どのように人生が変わったかを伝えたいと思います。
極めつけは、ひとつのiPhoneアプリとの出合いが大事だったのかもしれませんが、それも合わせて紹介します。
毎日日記を書くといい、なんてよく聞きますが
歴史は文字によって伝えられてきたし、ほかにも文書が私たちに与えてくれる恩恵は計り知れないでしょう。しかし、私がペンを走らせているとき、あるいはただ「何を書こうかを考えている」とき、書くべきか書かざるべきかなんて考えていませんでした。
たとえばGoogleで調べてみると、実に様々な意見が紹介されています。曰く、「思うがままに書き連ねると、整理されないままの不完全な思いや言葉が文字として出てくる」とか「書く練習をすることで書くこと・思考することが習慣となり、アイデアを刺激する」...。
ただ、多くの意見に共通するのは、それらが、作家や小説家など書くことで生計を立てたり、書いたものを最終成果物として残したりする人を念頭に置いていることです(たとえばヘミングウェイやスティーブ・キングについて語っているものが多いというわけです)。
しかし、少し違う視点から話します
私は作家ではありません。これまで書いた一番長いものはせいぜい大学でのエッセイだったし、それはまったく楽しいものではありませんでした。昨年11月頃まで定期的に書くことさえしていませんでした。
ブログを書こうとしたり、日記をつけようと思ったことくらいはあります。しかし、多くの習慣と同じように続きませんでした。じっとイスに座って頭の中で考えていたことを文字にするのは、私には困難でした。それよりも人と会って、ランチやディナー、軽い会話をしながら考えをまとめ、整理していました。ただこのような会話には限界があります。すぐに満足感は得られますが、頭から消えていくのも早く、一時的なのです。旅をしていて旅日記をつけるのを止めると、細かい点を忘れてしまうのと同じかもしれません。短い会話も同じように、すぐその大部分が記憶から消えてしまいます。
だから、私は書くことを選びました
何もかも覚えておくのは難しいものです。ものを書く時間は自分と向き合い、くつろげる時間でもあります。私の場合、書くこと自体は個人的なメモから始まります。いま、現実世界でまったくの1人になることなんて、なかなかありません。だから私はまず自分と向き合って個人的なことを書き、その中で他人と共有したいと思うものを公開するようにしています。
それでは、私が「なぜ書くのか」、ポイントをもう少し絞って紹介します。
なぜ書くのか
・記憶がよみがえる
短いメモ程度のものや2〜3段落書くだけで、自分の考えやその週にあった大切なことを整理するのに役立ちます。読み返すことで、すぐに重要な詳細を思い出せます。
以前は「日曜日の夜に準備」することで、次週のために記憶をよみがえらせていました。「書く」ことで、私生活を仕事から切り離す助けにもなります。ToDoリストやタスクマネージャーなどの一般的なツールでもいいでしょう、とにかく仕事と私生活をごっちゃにするのを避けられます。
・自分をコントロールできる
誰でも不満や不幸、物足りなさを感じることがあるでしょう。私はこの様な感情をコントロールするために書いています。こういった気持ちや感覚を文字にすることで、その週や月を振り返って原因を見つけ、軌道修正できます。
7日連続で不幸に思うことがあったとしても、書くことでその感情に向かい合えると思っています。・自分の考えを共有できる
ときには遠慮なくペンを走らせてください。誰も点数をつけません。考えを文字にすると、誰かに見せたい気になることがあります。不特定多数の人でなくても、友人や家族など限られた人たちに披露しましょう。書くことで考えを共有するのがより容易になるでしょう。
・現実世界と対話できる
書くことで筆者なりのスタイルやトーンを確立してきました。害になることは何もないし、書いている瞬間は美しい言葉が頭の中を流れます。日常では使わない言葉を選んでいると、それらが自然に会話に出てきます。
・達成感が得られる
ジムに通うのと同じで、書くと得られるものがあります。エッセイでも小説でも何でもいいのですが、たとえ短編であっても投稿したときには、他では得られない達成感を得られるでしょう。誰もジムに行きたくありませんが、終わった後はすっきりします。書くことも同じで、何かを達成できたように思えるのです。
どうやって始めよう?
ペルーに旅行したとき、iPhone アプリの『 Day One 』に出合い、はまってしまいました。
・初めの一歩を踏み出しましょう。短編を書き上げなくてもいいのです
筆者にとって、日記は退屈なものでした。今長いブログ記事を書くのと同じようにつらい仕事でした。だけど Day One で書くと、友人にメールを送っているような感覚で続けられたのです。筆者は、自分に書くことを強要したり一定量書くことを強いたりしません。自然に出てくる言葉を書いています。
・ツールを賢く選ぼう(Day Oneは筆者に欠かせませんでした)
過去に中国を旅していた時に、日記を失くして学んだことがあります。とても苦い経験でしたが、私はもっといい方法を見つけようと誓いました。そしてクラウドに出合ったのです。Wi-Fiがそこら中にあり、いつでもシンクできる環境の中で、 Day On のようなアプリは iPhone とクラウド上の両方で書いたことを保存できます。ペルーの山中で携帯電話を失くしたと思ったときでも、ネットワークにつなぐことさえできれば大丈夫という安心感の中で、何週間も旅を続けられました(ただし iPhone を失くしたこと自体はずっと気にかかっていました)。
書いたことをすべて失うと、何日間かはもう書きたくなくなるかもしれません。だけどそれらをバックアップできていると、そんな思いに駆られることはありません。
・ほかの習慣と組み合わせよう
朝や夜にメールをチェックしたあとや歯磨きのように毎日することなど、長年習慣化された行動のあとに行うと、何でも思い出しやすいものです。この問題を指摘したことは今までありませんでしたが、 Day One のデスクトップ用アプリや iPhone と iPad 上に出てくる通知は、短い文を書きたいときの助けとなります。
さいごに
Day One というツールと気軽に快適に書くこと。わたしが書いていることは気楽なもので、堅苦しくするつもりはありません。 Day One は効率性を向上させるツールで、多くの人が恩恵を得られるでしょう。私は書くことで記憶力が向上し、以前より幸せだと感じるようになりました。乱れることのない習慣を身につけられたと考えています。あなたがまだ始めていないなら、試してみることをおすすめします。
George Dy, Jr.(原文/訳:駒場咲)