人の持っているものが欲しくなる」のは、よくあることです。ほかの誰かが、クールな車や、最新のスマホ、大型テレビを持っていると知ると、同じものが欲しくなるのです。

こうした金銭的な対抗心から借金に走り、破産にいたる人も少なくありません。この問題のシンプルな解決策が、「US News Money」に載っていました。持ち物についても、周囲の人についても、考え方を変えてしまえば良いのだそうです。この記事の教えは大きく分けて2つ。ひとつは、自分の今持っているものやムリなく買える額のもので妥協し、それで満足することに慣れるべきということ。もうひとつは、自分と他人を比べるのは危険だから、やらない方が良いということです。どうしても比べなくてはいけないのなら、自分よりも裕福でない人を比較対象として選べば、今持っているものをありがたく思えるはずだと、この記事は勧めています。

「たいていの人は、自分をとても裕福な人と比べるという間違いをしています。上を見ればキリがありません。他人の経済力をうらやましく思うなら、考え方を変える必要があります」と、ニューヨーク州ミネオラに事務所を構える公認会計士のSteven Hirsch氏は言います。見方を変えれば、あなた自身だって、誰かから比べられてうらやましがられているのかもしれません

Hirsch氏が続けた言葉は、言い古されたものではあるけれど真実をついています。「人生はお金だけではありません。健康に値段がつけられますか? 大事な人との関係には? 友情や、幸福には? 誰かの経済力をうらやましく思った時は、こう思い直しましょう。あなたの人生にも何かしら、ほかの人たちをうらやましがらせる要素があるはずだと」

目新しい考え方ではありません。たいていの人は子どもの頃、「自分がどんなに恵まれているかわきまえなさい」「買ってもらえない子もいるのだから」などと言われたことがあるはずです。要するに、自分の今持っているものへの感謝を忘れるなということです。

そのほかにもうひとつ、この記事が説いているのは、物事は見かけ通りとは限らないということです。15年もののオンボロ車を乗り回している時に、最新のスタイリッシュなラグジュアリー・セダンに乗っている人を見かけたら、一瞬うらやましく思うのはムリありません。でも、「見た目だけではわからない」と思い直してみましょう。もしかしたらその人は、その車を買うためにものすごいローンを組んでいるかもしれないのです。リンク先の記事にはこうあります。

でも、贅沢に暮らしている人がみんな、あなたよりも経済的に恵まれているとは限りません。「裕福に見える人がいても、見た目だけではわかりません。借金やリスクの高い投資、そして、手間と維持費がかかったり、そのうち資産価値が目減りしたりする物的財産の購入は、長期的に見て賢明な行動とは言えません」と、マサチューセッツ州シチュエットに事務所を構える法廷会計士で公認会計士のSheila May氏は言います。

May氏が言うには、贅沢に暮らしてきたせいで、老後の貯えが心もとないという人は大勢いるそうです。自分の稼ぎの範囲内で暮らしているのならそれは誇るべきことであり、落ち込む必要はない、とMay氏は言います。

欲しいと思っていたモノを持っている人を見かければどうしても、うらやましいという気持ちが湧いてきます。でも、考え方をうまくコントロールすることで、対抗心から経済的にムリのある決断をすることは避けられるでしょう。

How to Combat Financial Envy | US News Money

Alan Henry(原文/訳:江藤千夏/ガリレオ)

Photo by Richard Masoner.