ライフハッカー新年企画「Startups 2014」では、注目のスタートアップ企業に、昨年実施してよかったことや、今年の展望/野望を聞きました。1月6日より1月8日にかけて、さまざまな企業による寄稿記事をお届けしています。
「簿記の知識がなくても使えるクラウド会計ソフト」として登場したfreeeは、煩雑な会計処理をラクにしてくれるツールとして人気に火が付き、順調にユーザー数を拡大しています。それを支えるのは、事業を「爆速で」勢いづける仕組みと、ユニークなチーム力アップ法のようです。
freeeの代表を務める佐々木大輔です。「経営者が創造的な活動にだけフォーカスできる」ことを目指して、全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」、青色申告ソフト「freee(フリー)」を開発しています。
freeeは、簿記の知識がなくても使える会計ソフトで、銀行口座やクレジットカードを同期すれば、自動で帳簿・仕訳を行います。また、クラウド型の会計ソフトなので、いつでも、どこでもネットとパソコンさえあれば使えるのが特徴です。青色申告や法人決算に対応し、1600以上の金融機関の口座との自動同期をカバーしています。
freeeが「爆速で改善する」ためにやった、SNSとの付き合い方
freeeは2013年3月19日のリリース以来、ユーザーに育てられてきました。正直なところ、実際にリリースをするまでは会計のクラウド化や自動化といったコンセプトが新しすぎたのか、いろいろな人に紹介をしてもあまりよい反応が得られていませんでした。いざリリースする段階まで、「本当にこれで受け入れられるのか」ということに不安がありました。
しかし、実際にリリースをして、最初に興味をもっていただいたユーザーの方の評価は非常に高く、「freee使ってみたけど、すごい」というような声がソーシャルメディア上で拡がりました。最初の数日はサーバーがダウンしたり、大きく速度が低下するといったこともちらほらありました。そんな状況であっても、その後の改善に成功すると、「freeeが"爆速で"爆速化した」など、ありがたいことに評価する声がまたオンライン上であがりました。まさにユーザーの方々に支えられました。
このような始まりであったこともあり、ソーシャルメディア上でのユーザーの方の声やカスタマーサポートに寄せられるフィードバックを元に、常に素早く改善を繰り返してきました。改善すべきポイントをTwitterにつぶやいている人を見て、実際に改善をして、その人にコンタクトを取り、フィードバックをもらうといったこともしました。
事業を勢いづけるために改善を繰り返す
11月には異例のスピードで全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」を使った青色申告の本が技術評論社から出版されたのですが、これもまた、初期のユーザーであった著者の山田さんの企画により実現したのです。
freeeはより効率的にビジネスをすすめるためのツールなので、実際の「使われ方」に合わせて常に改善をしていくことが非常に重要です。とにかく早く新しい機能を出して、フィードバックを元に改善を繰り返すことそのものが、事業を勢いづけました。
チーム力をアップさせるために、卓球をやっています
昨年8月にオフィスを引っ越しました。最初はわずか半年で引っ越すことになったので、これを繰り返すまいと大きめの場所を借りました。ただ、せっかく大きいオフィスなので楽しめるようにと、まずは卓球台を買いました。これが大当たりで、メンバーはみんなまたたくまに上手くなり、ミーティング、息抜き、卓球大会など、さまざまに活用してチーム力アップと効率アップに結びつけています。
卓球と仕事は相性が良い! その3つの理由
1.ミーティングをしながらでもできる:freeeでは卓球でラリーをしながら打ち合わせをするということもします。ちょっとだけラリーにも気を配らなくてはいけないので、あんまり込み入ったことを話すのは難しいのですが、そのおかげで考えがシンプルになる。アイデアをシンプルにするための卓球ミーティングです。 2.メリハリをつけるのにちょうどいい:卓球は軽い運動になるので、気持ちを切り替えたいときに良いリフレッシュになります。そして、ゲームをするにもあまり時間がかからないので、メリハリのある環境をつくるためには、非常に使える"ツール"です。 3.誰でもすぐうまくなる:卓球は、幅広い人が楽しめるスポーツなので、誰でもすぐに上達します。まさにみんなで楽しむのにピッタリな遊び道具です。また、凝りたくなった人はYouTubeでいろいろな教則ビデオを参考にすると、いろいろな技も身につけられます。アイデアとfreeがあれば、誰でもビジネスができる世界を
2014年は、「アイデアとfreeeがあれば、誰でも簡単にビジネスができる」という存在になることを目指し、新しい機能の追加とサポートと体制の強化に努めていきます。具体的には、給与計算機能の追加、モバイルのネイティブアプリの開発、チャットによるサポートの実施を予定しています。
会計ソフト「freee(フリー)」|全自動のクラウド会計ソフト
(佐々木大輔)