みなさんお風呂に浸かっていますか?

夜遅くまでバリバリ働くビジネスパーソンにとって、平日からお風呂に入ってのんびりするなんて滅多にないと思います。ましてやこの猛暑のなかですから、ついシャワーで済ませてしまいがちですよね。

現代人はストレスの多い環境の中で、身体を酷使しながら過ごしています。このような生活の連続が、気づかぬうちに本来人間の持っている心と身体のリズムを歪ませ、体調を崩す原因となっているのはご存じでしたか? 精神をリラックスさせ、身体の活動リズムの乱れを正すには、一時でも多忙な環境を離れて「温泉浴」をしてみてはいかがでしょうか。

温泉浴で得られる作用は大きく分けて3つ。

1.温熱作用

温かいお湯に入ることで体が温まります。それによって血行促進、疲労回復、代謝促進するのが温熱作用。37~39℃のぬるめのお湯は副交感神経を刺激しリラックスさせ、胃酸の分泌を活発にして消化を助けます。ゆっくり入ることで血圧を下げ、よく眠ることができます。逆に熱いお湯は交感神経を刺激するのでスッキリした気分になります。

2.水圧作用

水の中に入ると水圧がかかります。お湯につかっている部分の体重のおよそ10倍の力がかかると言われています。実はこの水圧、上手に活用すればマッサージ効果が作用して血行が良くなり、リンパの流れが促進されてむくみも解消されるのです。

3.浮力作用

お湯に入ると体重が本来の1/10になります。そのために身体を楽に動かす事ができ、筋肉の緊張が解れてリラックスができるのです。お風呂の中で体を動かしたり伸ばすことによって体に溜まった疲労物質や老廃物が流れていきます。

多忙な現代人にとって、こんなにも良いことだらけの温泉浴。でも温泉を入りにわざわざ休みを取るのも大変ですよね。そこで今回は、効能もムードもたっぷり楽しめる「都内で気楽に行ける温泉3選」をご紹介します。

1.奥多摩温泉 もえぎの湯

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気楽に行けるレベル ★

JR青梅線・立川駅から電車で約70分かかる奥多摩駅、そこから歩いて10分のところにある「奥多摩温泉 もえぎの湯」。都心からやや離れていますが、足を踏み入れると深い森林と小鳥のさえずりに心が癒されます。大自然に囲まれたもえぎの湯は奥多摩温泉、源泉100%の湯で、泉質はメタほう酸・ふっ素。露天風呂から多摩川の清流と山なみを望めば、夏でも長い間入っていられます。温泉の効果は筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復など。クーラーの効いたオフィスで固まった身体をジンワリ癒すことができるでしょう。

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東京都西多摩郡奥多摩町氷川119-1

TEL 0428-82-7770

定休日/月曜日 ※月曜が祝日の場合は翌日

営業時間/7月~9月 9:30~21:30 (受付終了20:30)

入場料/大人2時間780円(超過料金200円/1時間)

http://www.okutamas.co.jp/moegi/

2.武蔵小山温泉 清水湯

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気楽に行けるレベル ★★★

東急目黒線武蔵小山駅から徒歩5分の清水湯。武蔵小山には外観は目立たないけれど、知る人ぞ知る小さなバーや居酒屋が軒を連ねていますよね。飲み慣れたワンランク上の人々が集まる町ですが、ここにも素晴らしい温泉があります。清水湯は「黄金の湯」と「黒湯」という2つの天然温泉が湧出しています。

黄金の湯は武蔵野台地の東部に広がる500万年前の地層「上総層群」の、深さ1500メートルから湧出されたお湯。銭湯で初めての療養泉(治療の効果が期待できる温泉)にも認定されています。黄金の湯と黒湯を交互に入っていくのを繰り返すのですが、私は最初から身体に変化が現れてくるのがわかりました。とーっても疲れて眠たくなります。でもそれは温泉が効いている証拠で、いわゆる湯治に近い作用です。そんなときは無理をせず、ゆっくり身体を休めましょう。次の日、疲れていた身体がとてもスッキリしていることに気づきます。武蔵小山で食事に行くのも良いですが、時には温泉に入って疲れを癒やすのもオススメですよ。

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東京都品川区小山3-9-1

03-3781-0575

定休日/月曜日 (祝日の月曜日営業)

営業時間/平日 12:00~24:00 日曜日 8:00~24:00 祝日 8:00~24:00

入泉料/大人 460円 岩盤浴 1,300円(女性専用) サウナ 400円

http://www.shimizuyu.com/furo.html

3.前野原温泉 さやの湯処

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気楽に行けるレベル ★★★★

最後は東京板橋にあります「さやの湯処」。ここは静かな庭園に囲まれた落ち着いた一軒家のような佇まい。水のせせらぎの音や、優しい木漏れ日が日頃の忙しさを癒してくれます。清掃にもこだわっていて、手の行き届いた美しい空間もポイントですよ。エメラルドグリーンに輝く露天風呂も心地よく、ナトリウム塩化物泉で体を温める効果が大きく、血液の循環を良くし筋肉をやわらげます。むくみや冷え性も改善してくれるので、女性にも人気のお湯です。お風呂から上がったら、ぜひ十割蕎麦をどうぞ。打ちたて・挽きたて・茹でたての香り高いお蕎麦が身体を喜ばせてくれます。

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東京都板橋区前野町3丁目41番1号

03-5916-3826

営業時間/10:00〜25:00(最終入館受付24:00)

入館料金/大人料金 平日 830円 土/日/祝日 1,030円

http://www.sayanoyudokoro.co.jp/

以上、都内で気楽に行ける温泉3選でした。暑いからといって毎日冷たいものばかり食べて、夜はシャワーで済ます。なんて生活をしていると夏の疲れが抜けるどころか、秋口まで疲れを引っ張って身体を壊してしまうこともありますよ。忙しいときだからこそ、自分へのご褒美にちょっと足を延ばしてみてはいかがでしょうか? きっと都会で身についた心の鎧が自然と脱げるのが分かると思いますよ。

小林真理

1985年新宿生まれ→日本三大名湯 草津育ち。大学卒業後、編集者に。多忙な日々を過ごすなかで高級化粧品より温泉こそキレイの法則があると発見。温泉ソムリエ資格保有、古き良き日本文化を発見するために日本全国温泉めぐり中。