犬は愛すべき「連れ」になったり、ちょっとお間抜けな相棒になったり、エクササイズのパートナーになったりします。でも犬を飼うのは大変なことでもあります。仔犬を躾けたり世話したりするには時間とお金がかかるので、犬を飼うのは軽々しくしてはいけない大きな決断です。
犬が欲しい人はすでに犬を飼うことの良い点はわかっていると思うので、ここでは大変な点に注目したいと思います。
犬に時間をかける責任
仔犬は、生後1~2年は成犬の20倍ぐらい大変です。時間をかけないと、今度は別の手間がかかることになってしまいます(靴が無くなったり、鳴き声がうるさいと近所から苦情が出たり、狂暴になってしまったり...)。毎日、仔犬の躾と運動に数時間かけなければなりません。
しかし長い目で見れば、報われます。綱がついていなくても店の外で大人しく飼い主を待っていたり、他の犬がいてもレストランの外で静かに座っている実に賢い犬がいるのはご存知でしょうか。これは偶然そうなったわけではありません。
仔犬より大きくなった犬を飼えば、素晴らしい「連れ」になってもらうには随分と近道ですが、それでもまだ、新しい犬が自分の生活と相性がいいか確認するためにしておかなければならないことがあります。
グルーミングと犬の毛
爪を切って、毛にブラシをかけ、お風呂にも入れなくてはいけません。プロに犬のグルーミングをしてもらうと1回50ドルから90ドルかかります。そして長毛犬の場合は、2~3か月に一度はやらないといけません。
毛の話をすれば、犬の毛はどこにでもくっつきます。服にも、赤ん坊の口にも、時として食べ物にもです。コロコロローラーは役に立ちますが、決して犬を飼う前のレベルには戻れません。私の犬の毛が友人の家に落ちているときがあります。犬をその家に一度も連れて行ったことがないのにです。悩みの種です。
アレルギーにも注意が必要です。あなたはアレルギーですか? 犬のそばにいることになる人の中にアレルギーの人はいませんか?
犬の健康管理
犬の一生のうち最初の2年間で6000ドルの獣医費用がかかります(うちの活発な犬は何度かひどい怪我をしたので、これは高めの見積もりですが、ありえない額ではありません)。保険に入ることもできますが、保障除外が多くないものを選ぶようにして下さい。毎月30ドルから40ドルを保険代として支払うと思って下さい。これには普通の獣医受診は含まれません。
犬の一生を通して主な医療問題は共通なので、困難な決断をする心の準備もしておいて下さい。1万ドルかけて犬のクオリティ・オブ・ライフを保つか、それとも眠らせるか、あなたならどうしますか? どこに線を引きますか? これは将来直面するのを避けられない問題です。
社会と交わらせる
犬に綱をつけておく法律が厳しいところに(あるいは犬が綱をつけずに他の犬と遊んだりできる空地がないところに)住んでいるなら、犬のデイケアか犬の散歩代行にお金をかける必要があるでしょう。そうしないと、あなたの犬は他の犬に攻撃的になりがちで、とても危険です。犬は本質的に社交的なので、孤独にするとダメージが大きいのです。
その他の考慮すべきこと
・野生動物への対処
スカンク、アライグマ、ペンギン、その他の、危険性を潜在させている動物が住まいのある地域にいて、あなたの犬がそういう動物に遭遇することはありそうでしょうか。危険な遭遇を回避するためには、どうしますか?
・飼い主の自由が制限される
10年から15年間は仕事の後、まっすぐ帰宅することを約束することになります。旅行のときはどうしますか? あなたの犬は他の犬の飼い主の元や犬のデイケア施設においていっても、ちゃんと馴染んでいられると請け合えますか?
・去勢手術、避妊手術を必ずすること
本気で犬のブリーダーになろうとしているのでなければ、ペットの去勢手術や避妊手術をしなくてはいけません。それにより、仔犬を驚かすのを避けるだけでなく、犬が狂暴になったり変な行動を取ったりすることが少なくなりますし、他の犬からも攻撃されにくくなります。
・規律を保つ
犬の躾け方と、人との境界線の引き方を学ぶ必要があります。犬と人との間にしっかりとした境界線を引く能力が自分にどの程度あるか正直になることです。個人の尺度に任せられているにしても、境界線は犬があなたに従っているのが心地よいと思う状態でいさせるのに役立ちます。大型犬の場合、境界線を引いてしっかり規律を保つのに失敗すると、大変深刻な問題になってしまうかも知れません。
・子どもの近くで犬を躾ける
幼い子どもがいると犬の躾けは大変難しくなります。息子が誕生するまで、うちの犬は食べ物が近くにあってもとても行儀よくしていましたが、今では床の近くにある皿から食べ物を盗むようになってしまいました(我が家では大罪です)。スポーツとして食べ物を投げる赤ん坊がいるところで、これを何とかするのは難題です。
・死と向き合う
悲しいことですが、犬はいつか死にます。そしてその死期をあなたが決めることになるかもしれません。最期の瞬間に立ち会うことになるかもしれません。私自身がこのことで悪夢を体験しました。「犬を養子にする」という表現の方が「犬を買う」というより私は好きです。その方が「所有物」というより「家族」や「愛」を感じさせるからです。これは犬の一生に対して責任を持つということです。自分の犬を持つまでそれが何を意味するか、私は本当にはわかっていなかったことに気付きました。
私が言おうとしていることのテーマは、辛いであろうことにも立ち会うということだと思います。その難題に立ち向かう準備ができているなら、ずっと上手く対処して、そのことが上手く済んでくれたらありがたく思うでしょう。
私は常に番組内容に賛成できるわけではありませんが、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルのテレビ番組『Dog Whisperer(邦題:ザ・カリスマ ドッグトレーナー ~犬の気持ち、わかります~)』を見ると犬についてよく学べます。飼い主に犬を飼う準備ができていないと犬にどんな問題行動を取らせてしまうことになるか教えてくれるのです。この番組を見て、犬の飼い主が直面する色々な状況において、自分ならどうするか自問自答して下さい。犬でなく飼い主の方が、概して問題であるということが共通テーマだと気付くでしょう。
Travis Newcomb - Quora(原文/訳:春野ユリ)
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