クライアントに当初約束した以上のものを提供できるとしたら、あなたならどうしますか? クライアントと合意した以上のものを提出して感心してもらいたいと思うのはやまやまですが、要求されている以上のことをすると先々困ったことになりかねません。ビジネスサイトのEntrepreneurが説明しているように、クライアントやカスタマーの期待を上回るものを提供することで生じる根本的な問題は、相手の期待値がそれに応じて変わってしまう点です。同サイトの筆者は、ダンキンドーナツでおまけとしてマンチキンを何個か余分にもらう話を例に挙げています。彼はいつも行く店でおまけをしょっちゅうもらっていたので、別の店舗に行って注文した分だけしか受け取れなかったときにはがっかりしました。
ミクロレベルでは、ダンキンドーナツはその価値提案を満たしました。その店舗は自分の店の最善の利益のために行動したことになり、同時に私が支払った分だけの商品を提供しました。しかし、マクロレベルでは、ダンキンドーナツは私を失望させました。私は自分が期待した以上のものを受け取るのに慣れ過ぎていたので、おまけをくれなかった店舗は単に私の期待値を正確に満たしただけなのに私を失望させてしまったのです。
私たちは、会社が約束した通りのものを提供したからと言って腹を立ててはいけないと理性ではもちろんわかっていますが、クライアントやカスタマーがいつも理性的とは限らないこともわかっています。常に約束した通りのものを正確に提供してそれ以上のことをしなければ、そうした失望は回避できます。
それから、無償で仕事をするのも問題です。特にフリーランスで仕事をしている場合は、クライアントの期待以上の仕事をするということは無償で働くことと同じです。それをしないと失ってしまうかもしれないクライアントを捕まえておくには時として有効な手段かもしれませんが、ただ親切にしたいという理由で習慣的に必要以上のことをすると、本来なら課金できる時間を失うことになります。この場合のより良い解決策としては、お客の気を引きたいときは、追加の仕事やより好条件の仕事をもらえる場合は割引料金にすると申し出ることかもしれません。くれぐれも無償で自分のスキルや時間を提供することがないように注意しましょう。
Exceeding Client Expectations Just Leads to Really Entitled Clients | Entrepreneur
Eric Ravenscraft(原文/訳:春野ユリ)
Photo by NEC Corporations of America.