今年のCES Unveiledでは、たくさんのテクノロジーを見ることができました。イベントでは、AI搭載、モーター駆動、ホログラム、形状変形技術がずらりと並んでいますが、これはCES全体で見られるもののほんの一部に過ぎません。
クールなもの、おもしろいもの、風変わりなものやユニークなものが、大量に展示されていたのですが、ここでは特に目を引いた7つの製品を紹介。
私が気になった製品の中には、いずれ購入できるとは限らないものも含まれていますが、その製品を支えているコンセプトはすばらしく、将来、技術がどこへ向かうのかを示す手がかりとして高く評価しています。
1. カプセル式アイスクリームメーカー「ColdSnap」
ColdSnapは去年もCESで見かけたのですが、前回も今回もブースに行き、楽しく過ごすことができました。
ColdSnapはカプセル式コーヒーメーカーのアイスクリーム版といったところで、特定のフレーバーが入った1回分のポッドを使うようになっていますが、出てくるのはコーヒーではなくアイスクリームです。
ColdSnapの長所はそれほど印象的ではないと去年は思っていました。コンセプトとしてはおもしろいのですが、アイスクリームを一皿ずつしかつくれないので、「お店で1パイントのアイスクリームを買うほうがいいのでは?」という気がしていたのです。
でも、ColdSnapがつくるアイスクリームは本当においしいのです。
去年はバーボン・フレーバーを試してみました。バーボンが効いたせいかどうか分かりませんが、本当においしかったのを思えています(去年はこんな冗談を言っていました)。
今年は、コーヒー・フレーバーを試して見ましたが、やはりこちらも美味。
それに、担当者によれば、どのフレーバーもグルテンフリーで、グルテンフリーの認定オーツ麦を使っているということです。
セリアック病(小麦などに含まれるグルテンによって小腸に炎症を起こす自己免疫疾患)の患者としては、CESのような大規模な展示会で安全に試食ができるのはありがたいと思います。3,000ドルという値札の痛みも和らぐかもしれません。
2. スマホがロボに!「LOOI」
CES Unveiledでは、ロボットも数多く展示されていました。とりわけ、単なるロボットではなく、擬人化された顔の付いたロボットの製造に取り組んでいる企業が多いようです。
ほとんどのロボットは、それほど興味をひくものではありませんでした。中には、ゾッとするようなものもあったくらいです。
でも、LOOIには注目せずにいられませんでした。
アニメのウォーリーのような見た目をしていますが、それだけでは画期的とはいえません。
私がおもしろいと思ったのは、LOOIの「顔」を買わなくていいという点です。ロボットの体の部分を買えば、スマートフォンをロボットの顔として利用できるのです。
LOOIにiPhoneかAndroidを接続すれば、アプリを使って対話できるロボットに変身させられます。
LOOIは手の動きに反応しますので、手をLOOIのほうに動かせば「後退させる」こともできます(必ずしも上手く動作するとは限りません。少なくとも、CES Unveiledの屋内照明の環境ではそうでした)。
LOOIに話しかけることもできます。担当者は私に自己紹介するようにLOOIに頼みました。すると、LOOIは自分の仮想マイクを使って自己紹介をはじめました。
LOOIはスマートフォンの画面を使うので、表示できるのは顔のイメージだけではありません。「お話し」をしている時には内容をテキストで表示できますし、デジタル・マイクやLOOIが「食べる」チーズバーガーのグラフィックを表示したり、セルフィーを撮影する時にはカメラ・ビューにしたりすることもできます。
私は、LOOIが実用的だとは思いませんし、LOOIで何をすればいいのか、実のところよく分かりません。でも、今までになかった独創的なコンセプトだと思います。
3. 電動スキー「E-SKIMO」
e-bikeに乗ったことがあれば、それがどれほどクールな体験かご存じでしょう。自分でペダルを漕いで自転車を動かすのに慣れていると、e-bikeのモーターによるブーストはまさに桁違いのものです。
電動スキーもそんな感じではないかと思います。E-SKIMOはモーターの付いたスキーで、ダウンヒルやクロスカントリーを滑っているときにブーストが得られるのです。
長い平地をスキーで移動しなくてはならない時が、スキーを楽しむ一日の中ではもっともつまらない時間です。だから、モーター付きのスキー(e-ski)は大歓迎なのです。
モーターだけではなく、E-SKIMOにはスキー板の部分にセンサーが内蔵されており、滑っている間のデータを収集します。自分のパフォーマンスを記録して技術向上に役立てようと思うのなら、これは非常に魅力的なコンセプトです。
ここでも、コンセプトがキーワードになっています。CESで披露されたE-SKIMOは一般販売されていませんし、一般消費者向けの販売を目指しているわけでもありません。自社のスキーにこの技術を組み込もうと考えてくれるブランド向けに、この技術を販売したいと考えているのです。
この方針が成功することを祈っています。そうすれば、将来、パワーアシストのスキーを楽しみにできます。