「ネイティブと同じくらい、自由に英語を話せるようになりたい」と感じている方々は、英語の語彙を増やすために苦心したり、さまざまな暗記法を試したちしているかもしれません。しかし『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(はじ 著、SBクリエイティブ)の著者によれば、難しいことばをたくさん覚える必要はないのだとか。

中学生レベルの英語をしっかり覚えるだけで、エリートと呼ばれる海外のビジネスパーソンと問題なく仕事できるというのです。

ちなみに著者は、国内の企業で海外部門を担当する会社員。ほぼ毎日、英語ネイティブ・非ネイティブの取引先の担当者たちと英語で商談をしているのだといいます。

そんななか、海外の非ネイティブエリートたちとたくさん仕事をしているうちに、明確に気づきました。

できる人はみんな英単語の語彙量が多いのではなく、シンプルで少ない単語を使いこなし、伝えたいことを伝えるのが上手い。

むしろ簡単な単語で、会話を組み立てていくのがグローバルビジネスではスタンダードであり、クールな印象を持たれています。(「はじめに」より)

その理由は、伝わりやすいから。ビジネスの現場で語彙の豊富さや熟語能力をアピールしたところでなんのプラスにもなりません。それどころか、伝えたいことが伝わらず、信頼関係にも影響しかねないわけです。

だからこそ非ネイティブのエリートたちは、パートナーとの信頼関係の構築のために、英語学習の初期段階で覚えたような単語を、あえて使っているということ。そこで本書では、覚えておけばビジネスシーンで活用できる単語・熟語・フレーズ・文系を紹介しているのです。きょうは第1章「単語 『1つで多くの表現ができる単語』を駆使して表現を増やす」のなかから、haveの使い方に焦点を当ててみたいと思います。

have 所有する/持っている/開催する……

コアイメージ:自分の領域内に持っている

haveは「所有する」の他にも、「(スキルを)持っている」「開催する」「含む」など、「持つ」から想起されるいくつかの意味をも備えています。「持つ」という状態から派生する「思う」「経験する」など、広い用途に使えるわけです。

表現できる意味①:所有する(own)

「所有する」を難しい単語にするとownとなりますが、同じ意味を持つhaveに置き換えることが可能。

「私たちは新しいオフィスビルを所有しています」

難単語  We own a new office building.

言い換え We have a new office building.

(26ページより)

表現できる意味②:持っている(possess)

「持っている」を意味する難しい単語はpossess。ただし意味は通じるものの、possess【possesses】を使わなくとも簡単にhave【has】で言い換えが可能です。

「彼女はプロジェクト管理の豊富な経験を持っています」

難単語  She possesses wide experience in project management.

言い換え She has wide experience in project management.

(27ページより)

表現できる意味③:開催する(organize)

「会社は新製品の検討のための打ち合わせをしました」という内容の場合、難しい単語としてorganizeが考えられます。しかしhave【has】にも「開催する」という意味があるため、置き換えて表現することができます。

「会社は新製品の検討のための会議を開催しました」

難単語  Our company organized a meeting to discuss our new product.

言い換え Our company had a meeting to discuss our new product.

(27ページより)

表現できる意味④:含む(include)

「詳細な情報を含めるべきです」という文章には、includeを使用。けれども少し難しい単語なので、haveに置き換えれば、すんなり非ネイティブエリートの表現に対応できるそうです。

「報告書には詳細な情報を含めるべきです」

難単語  The report should include detailed information.

言い換え The report should have detailed information.

(27ページより)

表現できる意味⑤:思う(suffer)

「普段から頭痛持ちです」もsuffer fromではなくI usually have headaches.とhaveで代用すれば、「普段から頭痛持ちです」と同じ意味になります。

「普段から頭痛があります」

難単語  I usually suffer from headaches.

言い換え I usually have headaches.

(28ページより)

表現できる意味⑥:直面する(confront)

「直面する」の難しい表現はconfrontですが、be【is】confront【confronted】 withの代わりにhave【has】を入れてThe company has a debt burdenと言い換えてシンプルに表現することが可能。

「その会社は負債の負担に直面しています」

難単語  The company is confronted with a debt burden.

言い換え The company has a debt burden.

(28ページより)

表現できる意味⑦:経験する(undergo)

経験する=undergoで意味は通じるもののポピュラーな表現ではないため、haveを代用。そうすれば「経験する」の意味合いが取れ、非ネイティブにも伝わりやすくなるわけです。

「従業員は来週トレーニングセッションを受けます」

難単語  Employees will undergo training sessions next week.

言い換え Employees will have training sessions next week.

(28ページより)

基本的にはビジネスシーンでの用法を想定した構成。加えて、日常生活にも自然に応用できる表現も紹介されているため、なにかと役立ってくれそうです。

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Source: SBクリエイティブ