1度立てた目標を達成するためのノウハウはたくさんありますが、科学者の意見も聞いてみましょう。イリノイ大学で行われた研究結果によれば、目標を「自分への質問」というかたちで設定すると、最後までやり遂げられる確率が上がるようです。お題目を並べるより、疑問形にしたほうが頭に入ってきやすいのは確かです。人間は質問をされると、答えなくては、とわれ知らず思ってしまう生き物だからでしょう。また、「〇〇をやるぞ!」と宣言するよりも、疑問形の目標を立てたほうが、怖じ気づくことも少ないですし、アドバイスを求めてほかの人に相談しようという気も起きやすくなるようです。

今回の研究をイリノイ大学と共同で行った米ビジネス情報誌「Fast Company」は、目標を質問形式で設定するメリットについて、さらにこんな考察をしています。

質問とは、パズルのようなものです。いったん目の前に示されたら、人の頭脳はこれを解きたくてたまらなくなります。例えば、「どうしたら、私はもっとたくさん水を飲めるだろう?」と問いかけたとしましょう。この質問をきっかけにして、さまざま疑問や、ふとしたアイデアが浮かんでくるはずです。

「水を飲むことを、ほかの行動と結びつけてみようかな。メールをチェックするたびに水を一口飲もう」と決めたり、「1日に飲むべき量の水をボトルに入れて、1日の終わりにボトルが空になったかどうかをパートナーにチェックしてもらうことにしよう」と思いついたりするかもしれません。あいまいな決心にとどめるのではなく、「こうしたらどうだろう?」「どうやったらできるだろう?」といった質問を数多く自分に投げかけることで、具体的な計画にたどり着きやすくなるはずです

「Fast Company」ではさらに、この記事を読んで目標を質問形式で設定し直そうと思った人たちに向けて、「どうしたら私は○○できるだろう(How might I~)」というフレーズを用いるのが良いとアドバイスしています。実はこれ、世の中に変化や革新をもたらそうとする人たちが愛用しているフレーズらしいですよ。

Motivating Goal-Directed Behavior Through Introspective Self-Talk | PubMed Central via Fast Company

Mihir Patkar(原文/訳:長谷睦/ガリレオ)