99U:ToDoリストの基本は、米国元大統領セオドア・ルーズベルトの格言「あなたができることをしなさい。あなたが持っているもので。あなたがいる場所で」にある通りです。しかし、タスクに優先順位をつけていない人も大勢います。ToDoリストを効果的に運用するには、「コンテクスト(文脈)」の視点が役に立ちます。
コンテクストは、いわばToDoリストのメタデータです。すべてのタスクが同じ価値を持つわけではありません。ますます多忙で混迷を極める現代社会、重要なタスクにフォーカスする効果的なやり方が必要です。まず、ToDoタスクをメタな視点、すなわちコンテクストで分類することから始めましょう。
1.「エネルギー」ベースのコンテクスト
エネルギーベースのコンテクストは割と楽に導入できます。誰でも自分のエネルギー状態を把握するのは難しくないからです。また、このコンテクストを使えば、調子が悪いときでも前に進むことができます。
まずタスクを、達成に必要なエネルギーの大きさで分類します。例えば、精神力が必要なタスクは「高エネルギー」に分類します。簡単にできるタスクは「低エネルギー」です。その他のタスクは「通常エネルギー」としておきます。注意点は、自分に誠実になることです。気力が充実しているときには「高エネルギー」のタスクに取り組むように。ズルをして簡単なタスクに逃げてはいけません。
エネルギーベースのコンテクストの最大の利点は、 調子が悪いときでも、何をすればいいかがわかること。低エネルギーのタスクに取り組めばいいのです。どんなに小さな1歩でも、正しい方向に進んでいれば価値があります。また、小さな1歩の積み重ねが、大きな1歩を踏む出すはずみにもなります。
2.「時間」ベースのコンテクスト
ToDoタスクをおおまかな時間帯でラベル付けするのも有効です。とくに、副業をしている人など、通常勤務時間とその他の時間を区分けしたい場合に便利です。
例えばメールの処理。メールは1日に何度かチェックしたいはず。つまり、「メールをチェックする」というタスクを1つ作ってもうまくいきません。ここに時間のコンテクストを導入して、「朝のメールをチェックする」などとします。この方法にはうれしい副作用もあります。時間のコンテクストを使うと、メールのチェックは大抵、朝、昼、夜の1日3回に限定されます。普段、あまりに頻繁にメールをチェックしてしまう人にはよい抑制となります。
また、設定した時間帯の間にタスクを終わらせようとする心理作用も働くようです。さらに、次に何をしたらいいかわからなくなったときでも、時間のコンテキストに基いてToDoリストをチェックすれば、今この時間に何をすべきかがわかります。
3.「優先度」ベースのコンテクスト
もうひとりの米国元大統領、アイゼンハワーは、「アイゼンハワー・メソッド」として知られる意思決定ツールを使っていたそうです(後に『7つの習慣』のスティーブン・コヴィーが「優先度マトリックス」として一般化した)。アイゼンハワー・メソッドでは、タスクを「緊急で重要」「緊急でないが重要」「重要でないが緊急」「重要でも緊急でもない」の4つに分類します。
このメソッドを使えば、そのタスクにすぐ取りかかるべきか、後でいいのか、全くやらなくてもいいのかを即座に判断できます。また、より重要でより緊急なタスクを常に意識の中心に置いておけます。これにより、ToDoリストをバランスよくこなしていくことができます。つまり、すべてのタスクを同等に扱ってしまい、重要なタスクを先延ばしてしまうリスクを減らせます。もう1度言いますが、すべてのタスクが同じ価値ではないのです。
4.「ワーク/ライフ」ベースのコンテクスト
「皿洗いをする」は、職場には適さないToDoタスクです。そのときどきに適したタスクにフォーカスするには、タスクをロケーションで分類することです。例えば、仕事関係のタスクは「ワーク」に、仕事以外の生活に関するタスクは「ライフ」に分類します。このコンテクストは、仕事の合間に家事をこなすような在宅勤務者やフリーランサーにぴったりです。
また、これらのコンテクストは組み合わせても使えます。ポイントは、どのやり方を選んだとしても、ToDoリストをメタな視点から眺めることで、タスクの達成をよりスムーズにすることです。
Energy, Time, Priority, Work/Life: 4 New Ways To Organize Your To-Do List|99U
Mike Vardy(訳:伊藤貴之)
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