欧米のマーケティングでは比較広告はごく一般的なもの。ご他聞に漏れずマイクロソフトも来月に迫ったWindows7のマーケティングツールとして、冒頭画像のような Linuxとの比較広告を作成したそうです。一見すると「Linuxはダメダメ。Windows7の方がずっと優れている」という内容なのですが、見る人が見れば突っ込みどころ満載。ということで、早速いくつかの点をつっこんでみたいと思います。

この比較広告は、マイクロソフトが作成した、小売店向けの販促ツール。小売店のスタッフがユーザにWindows7の機能やメリットを説明しやすくするためのものだそうです。

 

広告の主張1:

「Windows7は多くのMP3プレイヤーやプリンタ・スキャナに対応。Linuxはごく一部の機器への対応のみ」

米Gizmodoの記事も指摘しているとおり、たしかにiTunes Music StoreをLinuxで使うのはあまり適していないかもしれませんが、Bansheeなど、Linuxには多くの選択肢があります。実際、iPodを含めほとんどのMP3プレイヤーに対応していますし、多くのプリンタ・スキャナー・その他デバイスにも快適に使えるはず。むしろ、Windows VistaやWindows7が遅れをとっているくらいかも。

広告の主張2:

「ユーザの好きなゲーム(World of Warcraftなど)をWindows7ではできるが、Linuxではできない」

Linuxでも、WINEを通じてWorld of Warcraftを楽しむことができますね...。

広告の主張3:

「LinuxはWindows Live Essentialsに対応しておらず、主要なIMサービスでビデオチャットできない」

たしかにLinuxは『Windows Live Essentials』には対応していませんが、『Pidgin』や『Skype』など他にも手段はいくらでもあり。

"マイクロソフト一人勝ち"も今は昔。好みや使い方に応じて、ユーザ自身がOSやアプリを選び、使いこなしていく時代です。こう考えると、米Lifehacker過去記事「Microsoft's Browser Comparison Chart Offends Anyone Who's Ever Used Another Browser(マイクロソフトによるブラウザ比較)」でご紹介したブラウザの比較広告しかり、この比較広告しかり、ちょっと"前時代的"な感じがしますが、皆さんはどのようなご感想をお持ちですか?

ちなみに、同様の比較広告の「vs. Mac」版とその内容に関する分析を米ブログメディア「Ars Technica」が取り上げています。ご興味のある方はぜひこちらの記事も合わせてどうぞ。

Microsoft FUD of the year [Overclock.net via Gizmodo]

Kevin Purdy(原文/松岡由希子)