坂本農林水産大臣記者会見概要
日時 | 令和6年8月15日(木曜日)10時35分~10時42分 於: 本省会見室 |
---|---|
主な質疑事項 |
|
冒頭発言
大臣
本日、私から1点、報告がございます。私は、本日8月15日から17日まで香港に出張し、農林水産物・食品の輸出拡大を図るため、アジア最大級の食の見本市であるフード・エキスポ・プロに出席し、日本食のPRを行うとともに、日本食の普及に協力をいただいている現地の料理学校や小売店等の関係者と意見交換を行います。
また、香港政府の高官と面会し、日本産農林水産物・食品の輸入規制の即時撤廃を要請するとともに、輸出拡大に向けた意見交換を行うこととしています。詳細については、この後プレスリリースします。私からは以上です。
質疑応答
記者
昨日、岸田首相が9月の党総裁選に出馬せず、退陣をする意向を表明されましたが、受け止めと農業政策の今後の影響について考えを聞かせてください。
大臣
岸田首相が会見で不出馬を表明されたと承知しています。党の総裁としての御判断につきましては、閣僚としてのコメントは差し控えます。
いずれにせよ、私としましては、内閣の一員として、引き続き、農林水産大臣の職務に尽力してまいる所存です。農林水産行政についても、これまでと変わることなく、全力で政策を進めてまいります。
記者
東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出から間もなく1年を迎えますが、日本産水産物の輸出拡大に向けた取組の現状と、香港政府、中国政府との規制緩和・撤廃に向けた話し合いの現状について、説明をお願いします。
大臣
香港政府が、2011年3月の原発事故以降、日本産農林水産物・食品に対する輸入規制を未だに続けており、さらに、昨年8月のALPS処理水の海洋放出を受けて、10都県産の水産物の輸入を禁止していることは、いずれも科学的根拠に基づかないものであり、極めて遺憾です。
今回の会談において、日本産農林水産物・食品の安全性は科学的に証明されていることを改めて説明し、規制の即時撤廃を要請してまいります。
原発事故に伴う輸入規制については、49の国・地域が既に撤廃しましたが、中国等、6つの国・地域では未だに一部の規制が維持されています。さらに、中国等は、ALPS処理水の海洋放出に伴い、日本産水産物の輸入を停止しました。
これらの輸入規制を続ける中国に対し、日本政府は、これまで二国間での会議の場や国際的な議論の場において、規制の即時撤廃を働きかけていますが、引き続き、科学的根拠に基づかない輸入規制措置に関して、政府一丸となって、強く働きかけてまいります。
また、私自身、先ほども言いましたが、我が国の農林水産物の重要な輸出先である香港を訪問し、政府高官に対し、輸入規制の即時撤廃を申し入れます。
輸出拡大の取組状況については、ホタテ等の水産物の輸出先の多角化を進めるため、水産業を守る政策パッケージに基づき、米国、カナダ、シンガポールなどの海外バイヤーを北海道や青森等の国内産地へ招へいしたほか、ホタテの加工業者等をベトナム等に派遣して、現地水産加工施設の視察・商談を実施するなどの取組を政府一丸となって進めてきたところです。
これらの取組の成果もあり、本年上半期の生鮮等のホタテの輸出額は、対前年同期比でベトナム向けが約7.9倍、タイ向けが約3.5倍、米国向けが約1.6倍に増加しています。
今後、更なる輸出先の多角化を進めるため、日系のみならず現地のスーパーやレストランヘのアプローチを強化するとともに、新興国や地方都市にも拡大してまいります。(水産物の輸出先の)多角化と、科学的根拠なき輸入規制の撤廃に向けた活動を進めてまいります。
記者
今週から大阪の堂島取引所で米の指数先物取引が始まりましたが、受け止めと今後の米政策への影響について聞かせてください。
大臣
堂島取引所では、8月13日(火曜日)から、米の先物取引が開始されたところです。米の先物取引は、生産者や流通業者の経営ツールの一つとして活用することが可能であり、今後の活発な商いを期待しています。
いずれにしても、農水省としては、安定した市場運営が行われるよう、取引状況をしっかりと注視してまいります。
報道官
よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。
以上