■オペアンプの基礎 回路例 単電源1段アンプ
単電源で使用した場合の1段アンプの構成例を図24に示します。
各部品の役目は以下のとおりです。
・「R4,R5」
単電源のオペアンプはマイナスの信号は扱えません。
したがって、オペアンプの動作が常に電源電圧の半分のポイントで動作させるために、R4,R5を用います。
このことを「バイアスをかける」と言います。
R4,R5は通常同じ値とし、電源の半分(1/2)にします。
この電圧であれば扱える信号振幅に対して有効に使えます。
図26のようになると波形の下側がマイナス
となるために波形がつぶれてしまいます。
・「C4」
R4,R5によりバイアスをかけた場合、電源からノイズがオペアンプのプラス端子にかかる恐れがあります。
これによりマイナス端子の電位が変化し、これが出力にもあらわれてしまいます。
そこでC4を設けることにより、C4とR4によりローパスフィルタが形成され、ノイズ混入を防ぎます。
また、C4の容量が大きい場合、電源OFF時にコンデンサの放電電流によりオペアンプのプラス端子が
破損する恐れがある場合は図27のRdを挿入することにより保護します。
通常はこのRdは考慮する必要はありませんが、
入力端子間にダイオードがあるオペアンプ(例えば、NJM5532,5534等)はこの抵抗を入れたほうが良いです。
・「C1,C3」
直流分をカットするコンデンサです。こうすることにより、信号(AC)成分のみ増幅することになります。
ケミコン等の極性のあるコンデンサを使う場合は極性に気をつけます。
・「R6」
常に入力端子がGNDを基準として動作する(接地抵抗)ための抵抗です。
また、相手側との距離が長くGND基準を自身のGNDに固定させたい場合に使います。