- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) >
- 令和4年3月18日 第77回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第30回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録
令和4年3月18日 第77回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第30回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録
日時
令和4年3月18日(金) 13:00~15:00
場所
WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))
議事
○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第77回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第30回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中を御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、永井委員より御欠席となる旨の御連絡をいただいております。
また、山縣委員が少々遅れているようです。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、まず事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社、アストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員、舟越委員、宮川委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-10、参考資料1から15になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 資料等、よろしいでしょうか。
それでは、審議を始めたいと思います。
議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」について、まずは資料1-1-1から1-7について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-7を用いまして、今回の副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に説明したいと思います。今回の集計対象期間は2月20日までとなっております。
まず、資料1-1-1をご覧ください。
43ページでございます。3回目接種後の副反応疑い事例の状況を御説明いたします。一番上の表の一番下の行をご覧ください。まずコミナティ筋注でございますが、推定接種回数が1296万9602回で、前回の集計対象期間から約1000万回の増加となっております。副反応疑い事例の頻度としましては0.01%であり、初回免疫における0.02%と比べて特段高い値とはなっておりません。一般に接種から副反応疑い事例の報告までにタイムラグがあり、今後値が変化することもあり得ますので、現時点での頻度ということになります。死亡事例につきましては、後ほど御説明したいと思います。
表を右に行っていただきまして、スパイクバックスでございます。推定接種回数が588万7189回で、前回の集計対象期間から約580万回の増加となっております。副反応疑い事例の頻度としましては、表記上0.00となっております。こちらも初回免疫時の0.02%、0.01%と比べまして、現時点において特段高い値とはなっておりません。
その他の副反応疑い事例の報告状況につきましては、3ワクチンとも顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
続きまして、死亡事例について御報告いたします。資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに48件、うち3回目接種後の事例は26件あり、令和3年2月17日から令和4年2月20日までに報告された死亡事例につきましては計1,430件、うち3回目接種後の事例が28件となっております。2つ目の○に進みまして、上記に加えまして、2月21日から3月4日までに報告された事例が41件、うち3回目接種後の事例が23件ございました。3回目接種後の各死亡事例の概要につきましては、本資料の3ページ目以降でお示ししておりますが、委員には事前に資料を送付しておりますので、本日の説明では省略いたします。
「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果をまとめております。
2ページ目、中段「(参考2)報告頻度」の部分でございます。先ほど1-1-1の中の説明でも触れましたが、3回目接種が進んでいる状況ですので、死亡事例の報告も増えております。参考2におきまして各接種回における報告頻度をまとめておりますが、現時点におきまして3回目接種の頻度が特段高い状況ではございません。
今回、評価期間におきまして10代の死亡事例の報告がございましたので、御説明いたします。203ページでございます。1469番、13歳女性の事例でございます。症状の概要でございますが、生後3か月に川崎病の罹患、γ-グロブリン療法にて冠動脈病変残すことなく5歳で終診。接種の約5か月前の5月頃より、動悸、気分不良、食欲不振にて体重減少があったことが報告されております。1回目接種翌日に発熱がありまして、倦怠感あり。翌日まで倦怠感あり。10月29日から適応障害の暫定診断にて精査中だったと報告されております。少し飛びまして、接種の約2か月後、12月27日に苦しそうな発作出現。その後、意識消失。救急要請にて搬送されたと報告されております。報告医療機関からは、動悸発作等の症状はワクチン接種前より出現していたことから、ワクチンと死亡との因果関係の可能性については低いと判断しているが、増悪因子となった可能性は否定できないと報告されております。死因につきましては不明、報告医からは、血液検査などの結果から、心筋炎や狭心症の可能性はないと判断、血栓も認められていないと報告されております。
続きまして、スパイクバックスの死亡事例でございます。資料1-3-2でございます。
1ページ目「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに15件、うち3回目接種が15件ありまして、令和3年5月22日から令和4年2月20日までに報告された事例は計82件、うち3回目接種の事例が16件となっております。なお、上記に加えまして、2月21日から3月4日までに報告された事例が17件、うち3回目接種後の事例が16件あったという状況でございます。
「2.専門家の評価」の項に専門家の評価結果をお示ししております。
2ページ目の中段「(参考2)報告頻度」の部分でございます。スパイクバックスにつきましても3回目接種が進んでおりますので、死亡事例の報告数も増えております。参考2におきまして各接種回における報告頻度をまとめております。スパイクバックスの3回目接種における100万回当たりの死亡事例の報告頻度は2.7件となっております。スパイクバックス3回目接種後の死亡事例の頻度が比較的高く見えておりますが、主には初回免疫時と3回目接種における被接種者の高齢者の比率の差だと考えられます。具体的にはスパイクバックスの3回目接種における高齢者の比率が約80%、1~2回目接種の高齢者の比率が約6%で、初回免疫時は基本的に非高齢者に接種されていた状況でございました。実際に各接種回における高齢者の死亡報告頻度も確認しておりますが、3回目接種の頻度は初回免疫時よりも低いという状況でございました。
次に、個別事例について御説明いたします。今回交互接種後の死亡事例として報告された事例が7件ございまして、交互接種であることが報告された事例につきましては、3ページ目以降の症例一覧におきまして「基礎疾患等」の項にその旨記載しております。各事例の概要につきましては委員に事前に資料を送付しておりますので、この場での説明は省略いたしますが、いずれも1~2回目がコミナティ、3回目がスパイクバックスの事例でございました。また、1例基礎疾患のある50代の事例がございましたが、それ以外はいずれも高齢者の事例でございました。
最後に、ロットの関連になります。3006279というロットがございますが、こちらにつきまして、同じ地域から5件の死亡事例の報告がございました。いずれも入浴時の高齢者の事例でございました。
1件目、15ページ、No.72、77歳女性の事例でございます。基礎疾患等としまして、子宮がんなどが報告されております。接種の2日後の朝、自宅浴室の浴室内で死亡しているのが発見されたとして報告されておりました。死因は溺死として報告されております。
次の事例がNo.79でございます。73歳女性の事例でして、慢性腎不全で透析治療を受けている方で、接種翌日の夜入浴したところ、心肺停止状態となったということ、解剖の結果、致死性不整脈であることが考えられると報告されております。
次が、その下のNo.80、81歳女性の事例でございます。入浴中に心肺停止状態で発見されたことや、解剖の結果、致死性不整脈であることが考えられると報告されております。
次の事例がNo.90、69歳女性の事例でございます。接種の2日後の朝、浴室内で水没しているところを発見されたことや、解剖の結果、溺水が考えられること、また、表の右の部分の他要因の可能性としまして、浴室暖房等を備えないタイル貼りの浴室であり、ヒートショックを起こすリスクがある環境であったことが報告されております。なお、この事例と次の事例は専門家評価期間後に報告があった事例でございますが、状況を踏まえまして、今回専門家評価を実施しております。
最後の事例がNo.96でございます。81歳女性の事例でございます。自宅浴槽内で死亡しているところを発見されたことや、解剖が行われまして、死因は急性心機能不全と判断されたということが報告されております。
次に、当該ロットについての補足でございます。当該ロットにつきましては、今回の集計期間までに14都道府県に供給されておりましたが、死亡事例の報告はこの1都道府県からの報告のみでございました。また、報告書は同一地域からのものではありましたが、接種施設自体は全て別でございましたので、接種医療機関に問題があるというわけではないように思われます。また、品質の可能性につきましては、製造販売業者にも確認しておりますが、苦情の情報あるいは製造時のデータから、現時点におきまして当該ロットにおいて品質について特段の懸念はないと回答されております。
最後に、参考としまして資料1-1-1に戻っていただきまして、46ページでございます。スパイクバックスのロット別の報告件数をまとめております。少し中段の部分でございますが、3006279ロットの報告状況もまとめております。表を右に行っていただきますと、供給の開始日、供給数量、報告数、うち重篤なもの、死亡報告数などとまとめておりますが、同じ頃に出荷されたロットと比べまして、こちらのロットで特段副反応疑い事例の報告頻度が高いということはございませんでした。また、7件、副反応疑い事例の報告がございますが、死亡事例を除きました4件はいずれも重くないという症状として他都道府県から報告されておりました。また、死亡事例の報告があった都道府県からは、死亡事例以外に軽微なものも含めて報告はないという状況でございました。なお、この資料では死亡事例数3となっておりますが、先ほどの資料1-3-2とは集計期間が異なっておりますので、その差でございます。
また、接種回数別の頻度の説明の中でも触れましたが、スパイクバックスの3回目接種は主に高齢者に使用されておりますので、このロットを問わず3回目接種で使われるロットにつきましては、初回免疫時に使われたロットと比べまして、死亡事例の報告頻度が高くなる状況も想定されます。
スパイクバックスの死亡事例の説明は以上となります。
続いてはバキスゼブリアになりますが、新規の死亡事例の報告はございませんでしたので、説明は省略したいと思います。
続いて、アナフィラキシーの疑い事例になりますが、コミナティとバキスゼブリアにつきましては大きな動向の変化はございませんでしたので、資料の説明は省略いたします。
1-4-2をご覧ください。スパイクバックスのアナフィラキシー疑い事例でございます。今回、3回目接種後のアナフィラキシー疑い事例の報告がございましたので、御説明いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、3回目接種後の副反応疑い事例におきまして、アナフィラキシー疑いとして報告された事例が4件ございました。なお、※を付与しておりますが、ここでの増加数は症例の重複などによって取下げが生じた場合はマイナスとして処理しておりますので、3回目接種としては4件報告がありましたが、1~2回目で取り下げられた事例がございましたので、トータルとしては1件の増加となっているという趣旨でございます。
また、3回目接種後の事例の専門家評価の結果につきましては、次のページの「3回目接種」という部分でお示ししておりますが、いずれもブライトン分類4として評価されております。
次に、TTS疑い事例でございますが、いずれのワクチンにつきましても大きな動向の変化はございませんでしたので、資料の説明は省略いたします。
なお、バキスゼブリアにつきまして、新規事例の報告はございませんでした。
続いて、心筋炎・心膜炎の報告状況でございますが、コミナティに関しましては大きな動向の変化はございませんでしたので、説明は省略いたします。
また、バキスゼブリアについては疑い事例の報告は現時点ではございませんので、こちらも省略いたします。
資料1-6-2をご覧ください。スパイクバックスの心筋炎疑い事例の報告状況についてでございます。前回の合同部会以降におきまして、スパイクバックス3回目接種後の心膜炎疑い事例が1件、医療機関から報告されたということを御報告しておりました。今回、その事例も含めましてブライトン分類評価を実施しておりますので、御説明いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者から心筋炎疑いとして報告された事例が8件増加し、うち3回目接種後の事例の増加は1件、心膜炎疑い事例として報告された事例が2件、3回目事例としましては2件ございまして、2月20日までに報告された心筋炎疑い事例が計31件、うち3回目接種の事例が1件、心膜炎疑い事例は計4件、3回目接種後の事例は2件となっております。
3回目接種後の評価結果につきましては、3ページをご覧ください。「3回目接種」のところでございます。心筋炎疑い事例につきましては、ブライトン4とされております。
心膜炎疑い事例につきましては、次のページの4でございます。「3回目接種」の項をご覧ください。1件がブライトン2で、1件がブライトン4とされております。前回医療機関から報告があった事例がブライトン分類2のほうでございます。
最後に、資料1-7でございます。冒頭で御報告しましたが、今回の集計対象期間は2月20日までであり、小児接種が開始される前の期間でございました。一方、小児接種における副反応疑い事例につきましては速やかな評価が必要となりますので、速報としまして3月11日、すなわち先週の金曜日までに報告があったコミナティ小児用の副反応疑い事例を一覧にしてお示ししております。
報告事例としましては、表でお示ししましたとおり、2件の軽微な症状の報告がございました。「転帰内容」の列の部分でございますが、いずれの事例も回復経過が確認されております。また、初回の事例でしたので、迅速性を重視しまして、医療機関報告を対象に専門家評価を付与しておりますが、次回以降は原則どおり情報量に優れます製造販売業者からの報告で専門家評価を実施予定でございます。
また、現時点におきまして2件しか副反応疑い事例の報告はなく、また、接種数も多いわけではありませんでしたので、正確な頻度の算出は難しい部分もございますが、11日時点の接種数が約3万5000回でしたので、報告頻度としては0.006%となりまして、おおむね0.01%強であるコミナティ、スパイクバックスの医療機関からの報告頻度と比べまして、現時点において頻度が高いということはございませんでした。
コミナティ小児用につきましては、次回の合同部会から集計対象期間に入る予定ですので、次回以降は資料1-1などできちんと集計した上でお示ししたいと思います。
最後でございます。資料の説明は省略いたしますが、参考資料15としまして、前回もお示ししましたが、安全対策調査会の親会議である安全対策部会におきまして、患者さんからの副作用報告もまとめた上で定期的に報告しております。3月11日の安全対策部会にて直近の内容を報告しておりますので、本日の合同部会におきましても参考資料として配付させていただいております。
資料の説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
続いて、資料1-8について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-8をご覧ください。
2ページ目ですけれども、資料構成につきましてはおおむね前回と同じ構成になっておりまして、副反応疑い報告全体の概要、死亡として報告された事例、心筋炎または心膜炎と報告された事例についてお示しした上で、その他、論点のまとめスライド、参考資料となってございます。
4ページ目をご覧ください。副反応疑い報告の概要ということで、資料1-1-1、資料1-2-1をまとめたものでございます。詳細の説明は割愛いたしますけれども、現在進んでおります3回目接種につきましては、医療機関報告、製造販売業者報告ともに1~2回目接種と比較して特段頻度は増えていないことが見てとれるかと存じます。
続きまして、6ページ目でございます。こちらは新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要をお示ししております。ファイザー社ワクチンにおきましては1,430件であり、うち3回目接種後の事例は28件でございました。武田/モデルナ社ワクチンにおいては82件であり、うち3回目接種後の事例は16件でございました。
3回目接種後の死亡事例の死因別集計表につきましては、資料1-3-1及び資料1-3-2の別紙2にも記載されておりますけれども、現時点では特定の疾患の集積が確認できないと承知しており、よろしければそちらも御参照いただけますと幸いでございます。
続きまして、8ページ目をご覧ください。新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめております。青囲み2行目、3行目の括弧内容をご覧いただきますと、ファイザー社ワクチンにおきましては製造販売業者から3回目接種後として10件の報告があり、ブライトン分類1から3に該当するものは0件。中段、オレンジ囲み2行目、3行目の括弧内におきましては、モデルナ社ワクチンの3回目接種後として疑い報告が1件ございましたけれども、ブライトン分類1から3には当てはまらないとされてございます。
9ページ目、10ページ目でございますけれども、上段2行におきまして日本における今回審議会時点の2月20日時点までの全年齢男女合算の報告頻度を1~2回目接種及び3回目接種に分けてお示ししてございます。それぞれの被接種者の属性が異なりますので、単純な比較はできませんけれども、3回目接種後の心筋炎につきましては、2回目接種後と比較すると少ないとする海外報告もございまして、そちらにつきましては後ほど御紹介してまいりたいと考えてございます。
また、12ページ目から14ページ目をご覧ください。こちらにおきましては、心筋炎・心膜炎に係る海外情報を更新したものでございますけれども、こちらは主として初回シリーズに関するものでございまして、大きな変化もございませんので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、16ページ目をご覧ください。こちらは3回目接種に係る米国CDCからの情報でございます。上段は前回の審議会でも御紹介いたしましたが、米国CDCで公表されておりますMMWR、2月11日付のアーリーリリースとして公開された内容でございまして、18歳以上の3回目接種後の情報を記載しております。こちらのレポートの要点といたしましては、2行目、同種のmRNAワクチンの追加接種をした場合、1週間以内の局所反応及び全身反応は2回よりも頻度が低かったとまとめられております。また、追加の情報といたしまして、初回シリーズに受けたワクチンと関係なく、追加接種としてモデルナを接種した者に全身反応が多かったということと、追加接種後の心筋炎については、18歳から24歳の男性ではモデルナ接種後の報告が100万回当たり8.7件と多い傾向にあったが、100万回当たり56.3件の2回目接種後よりも報告頻度が低かったという情報がございました。
また、下段には3月4日に公表されましたMMWRからの情報で、12歳から17歳の3回目接種後の情報がまとめられております。18歳以上の違いといたしましては、3行目から4行目のv-safeからの報告のまとめとして、全身反応については2回目と追加接種でほぼ同等であり、一方、接種部位の反応については2回目接種後よりも多かったとされております。また、VAERSに報告された心筋炎の分析結果については、下から3行目、ファイザー社ワクチン追加接種後の12歳から17歳の男性においては、CDCの心筋炎クライテリアを満たしたものは100万回接種当たり11.4件と、2回目接種の12歳から15歳の70.7件あるいは105.9件と比較して低かったとされております。
この追加接種に係る心筋炎の傾向につきましては、次の17ページ目の英国からの情報でも同様でございまして、下から3行目、その報告頻度は1回目、2回目よりも低く、臨床的にも深刻な兆候はない等と報告されております。
続きまして、18ページ目をご覧ください。こちらは「遷延する症状を訴えられる方に対応する診療体制の構築について」というスライドでございます。こちらの経緯でございますけれども、昨年、令和3年2月1日付で都道府県に対して通知を発出しておりまして、新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状に対応できるよう、相談窓口の設置と医療体制の確保について依頼しているところでございます。現在は全ての都道府県におきまして、副反応が疑われる症状がある場合には接種を受けた方が相談できる窓口が整備され、また、専門的な医療機関を円滑に受診できる体制が確保されています。
一方で、ワクチン接種後に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃることについては、今般、国会質疑において以下のような御指摘がございました。関連部分を抜粋して要約してございます。「接種後、何か月にもわたり、様々な症状に悩まされている方の声を聞く。例えば、頭痛や吐き気が続いて通勤や通学ができない方、全身のしびれや発熱が続き日常生活に支障をきたしている方、記憶に障害が生じて学校の成績が急激に下がった方などの話を耳にすることがある」。あるいは次のような御指摘もございました。「患者さんが窓口をたらい回しにされて、不安なまま過ごしているという話を聞く。市町村に相談するとかかりつけ医に相談しろと言われ、クリニックでは分からずに、かかりつけ医から紹介されて大学病院に行く。大学病院ではあらゆる検査を受けるが、異常が見つからない。気のせいではないかとの結論を出されて帰ってくる。症例数がどのくらいあるかは分からないが、こういうことで悩んでいる方が多いことは確かである」、こうした御発言がございました。
新型コロナワクチンに係る副反応疑い報告においては、これまでに遷延する症状について報告を受けた事例はあるものの、現状におきましては、これまでワクチン接種が原因と判断されたものはございません。
こうした状況を踏まえまして、今後の方向性の案として以下のようなものをお示しさせていただきます。ワクチン接種後に、現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃる可能性を想定し、症状とワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、受診を希望される方が必要な医療機関を受診できるよう、改めて相談窓口と専門的な医療機関に関する体制等について確認するとともに、必要に応じてその体制の見直し、具体的には例えば新規の医療機関の追加あるいは個々の医療機関の役割の見直し等を検討するよう依頼する旨の通知を、都道府県に対し、今後速やかに発出する。こうした方針を考えてございます。もしこの方針等につきまして御意見があるようでしたら、御意見を頂戴できますと幸いでございます。
続きまして、20ページ目から22ページ目はまとめのスライドでございます。前回同様、死亡例について、心筋炎について、3回目接種についての状況をまとめました上で、それぞれ現在の報告状況についてはワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないか、御意見を頂戴できればと考えてございます。
以下は参考資料でございますけれども、幾つか抜粋して御紹介してまいりたいと思います。
24ページ目、25ページ目には、それぞれ米国、英国の小児の接種に関連した情報を載せてございます。特に要点といたしましては、24ページ目の米国の情報のうち、2段落目と3段落目をご覧ください。2段目におきましては、v-safeの情報といたしまして、5歳から15歳の副反応は一般に軽度から中程度で、1回目よりも2回目接種後に多く報告された、5歳から11歳の副反応報告頻度は12歳から15歳よりも低かったとされております。また、VAERSに基づく5歳から11歳における心筋炎については、他の年齢層と同様、男児に多く、ほとんどが2回目接種後であったとされており、その頻度につきましては、5歳から11歳の男児における心筋炎の報告頻度、100万回当たり1回目が0件、2回目接種後が4.3件とされており、12歳から15歳の男性が1回目が4.8、2回目が45.7、16歳から17歳については1回目が6.1、2回目が70.2と比較すると、低かったとされております。
この発生状況が極めて低い状況を受けてと思われますが、最下段のところにつきまして、2月22日時点でCDCの見解といたしましては、当該年齢層において、mRNAワクチン接種後の心筋炎または心膜炎のリスクがあるかどうかは現時点で不明であり、引き続きモニタリングを実施していくとされております。
この小児に係る見解につきましては、英国でも同様の趣旨のものがMHRAより公表されておりまして、次のページ、18歳未満というくくりではございますけれども、現時点において当該年齢での特有の安全性の懸念はなく、心筋炎・心膜炎疑いの報告率の増加もないとされてございます。
続きまして、26ページ目から30ページ目でございますけれども、こちらは健康状況調査について概要のスライドを載せてございます。伊藤先生にお願いしております健康状況調査につきましては、27ページ目に記載がありますM/M-P及びM/M-Mに関しまして3月3日事務連絡を発出し、また、28ページ目、29ページ目に記載があります5歳から11歳の健康調査につきましても3月8日事務連絡を発出しまして、調査が開始されております。また、いわゆるオンラインでの調査につきましても3月10日に通知を発出し、3回目についても対象となっております。
なお、今回お示ししております資料1-10につきましては初回シリーズのものとなっておりまして、こちらについては後ほど簡潔に御紹介申し上げます。
資料1-8についての事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
続きまして、資料1-9について、伊藤澄信委員から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
資料1-9の説明をさせていただきます。
ファイザー社のコミナティ筋注を初回接種されました医療従事者を対象として、昨年12月からコミナティの筋注、交互接種であるスパイクバックス筋注を3回目として接種された方の抗体価を指標とした有効性と、チェックボックスによる特定有害事象を中心とした日誌の有害事象の情報です。実施施設は、コミナティ筋注の初回接種、3回目の追加接種をNHOが7病院でJCHOが4病院で実施しておりまして、対象者は2,931人です。スパイクバックスの筋注はNHOの7病院、JCHOの7病院で実施中で、対象者は890人のデータです。
2ページの概要に記載しておりますが、3回目追加接種については1回目、2回目の調査時と違って心筋炎が問題になりましたので、胸痛については特別に調査をしています。ファイザー社のコミナティ筋注から3月初めぐらいまでで3か月になりまして、3か月後の抗スパイクタンパク質抗体価のデータが集まってきておりますが、もう少し収集してから御説明したいと思っておりますので、本日の資料は1か月後までのデータです。データのリバイスが前回と違っている部分を中心に説明させていただきます。
5ページです。コミナティ筋注の追加接種後の抗スパイクタンパク質抗体の結果です。基本的に前回と変わりませんが、スパイクバックス筋注と合わせて、追加接種前の抗S抗体が両方合わせまして合計が969人、約1,000人になりました。その結果、前回までは性別で接種前の抗体価に違いがないと説明させていただきましたが、年齢、性別及び2~3回目の接種間隔を独立変数として調整すると、女性が微妙ではあるのですが、少し高い結果が出てきています。そのため、男女別の表を前回と違って追加しています。その他については前回の説明と同様ですが、追加接種前は年齢が高いほうが少し低くなっておりますが、接種1か月後は年齢階級別では差がないという状況になっています。
このスライドの表示形式では最下段のグラフは年齢階層別と性別で示しています。コミナティ筋注とスパイクバックス筋注も同じ形式にしていますが、後でお示しする、コミナティ筋注、スパイクバックス筋注の比較したものは両者の比較にしていますので、少し図が違っておりますので、御留意いただければと思います。
6ページから12ページの説明については省略をさせていただきます。
13ページは8日目以降の日誌です。先ほど申し上げましたけれども、胸痛発現時の詳細報告を日誌に特別の欄を設けて3回目追加接種時は書いていただいています。今回のスライドには入れておりませんけれども、コミナティ筋注の接種後の調査期間は0日から28日だったのですが、その間に2,630人中21人の方が胸痛を発現していらっしゃっています。そのうち2人は医師が因果関係が否定できない心筋炎の疑いがあるということでしたので、14ページにあるようにPMDAに報告していただいております。全体の頻度はコミナティの場合は胸痛の頻度は0.79%でした。
15ページのAEの表は、Day8、接種後1週間までの数なので、胸痛については調査期間が違いますので、そこに書いてある胸痛の頻度と違うというのは御留意いただければと思いますが、胸痛を特別に意識して記載していただくと従来よりも少し頻度が高くなりそうです。そのため、調査期間も違いますし同一の表の中に書き込むのはなかなか難しいと思っていますので、今後は胸痛だけ別の欄を設けて記載をさせていただこうかと思っています。
16ページは、薬剤の使用量や病休の頻度などを示しています。
17ページからはスパイクバックスの資料です。
18ページ、抗体価の推移ですが、今回は抗N抗体が陰性の方482例とコミナティ筋注とほぼ同じような数になっているので、比較しやすい状況になっているかと思います。接種前抗体価は性別では女性が高いというのはコミナティ筋注と同じですし、年齢が高くなると抗体価が低くなる傾向も全く同じです。スパイクバックス筋注の接種前の値が高いのは、後で説明いたしますけれども、若い、年齢が低いためであることはもう分かっております。ですから、数値の違いはそこにあると御理解いただければと思います。
発熱などの頻度分布は前回提示させていただいているもののリバイスですので、説明は省略させていただきますが、胸痛の頻度は808人中14人で1.73%になっております。コミナティ筋注に比べて少し高めに出ておりました。1例は担当医によって「胸膜から心膜刺激による胸痛も否定できない」とされておりますが、心筋炎としてのPMDAの報告はされておりません。これは担当医の判断ということだと認識しています。
27ページのDay8までの表に、この数字は先ほど御説明させていただいたとおり反映しておりません。表の中に入れてしまうとちょっと違うので、次回以降は別の欄で表現をさせていただこうと思っておりますが、特別に胸痛といった詳細な情報を求めると、リポーティングバイアスが発生するのだろうなと思っています。
スパイクバックスの病休の割合は8.97%でしたから、コミナティ筋注とほぼ同じという状況でした。
29ページは、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注を比較できるようにしています。接種前の値の違いは右真ん中あたりぐらいのところに平均年齢を示しておりますが、スパイクバックス筋注群の年齢が若いということです。平均で2歳も違うとこんなに違うのだなというのが分かります。左端のエラーバーは、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注の比較表ですが、明らかにスパイクバックス筋注のほうが抗体価が高いということが分かります。下の欄のグラフはコミナティ筋注とスパイクバックス筋注を並べて年齢階層別に95%信頼区間のエラーバーにしておりますが、おおむねスパイクバックス筋注群が高いということが分かります。年齢と性別及び2~3回目の接種間隔で調整をいたしましても、平均抗体価倍率は有意にスパイクバックス筋注が高いということです。
30ページから33ページはグラフの基の数字で、34ページにまとめを書いておりますが、今回、接種前の抗体価を測定させていただいた989人のうち抗N抗体、ヌクレオカプシドタンパク質抗体が陽性だった方は全部で20名いらっしゃいました。割合は2.0%でした。このうちCOVID-19に感染されたことがあると報告していただいた方は7人で約0.7%でしたので、抗N抗体のカットオフ1.0というのを信頼いたしますと、感染を自覚されている方の2倍程度は不顕性感染をされている医療従事者がいるのかもしれないと思われる数字が出ております。抗N抗体が陽性の方は抗S抗体の接種前の値が高かったので、ヘテロの状況になるので、今回の解析からは外しておりますのを御了解いただければと思います。
また、抗N抗体が陽性の方については別個にまとめた形での解析をしてみないといけないと思っておりますが、現在のところ高いことは分かっておりますが、抗N抗体の値のばらつきが大き過ぎて平均の形にしにくいと思っています。
以前、最高体温と抗体価について相関がはっきりしないと説明させていただいておりましたけれども、数が増えましたので、1か月後の抗体価を従属変数として有意な独立変数を探してみました。年齢は有意な変数になりませんでしたが、性別と最高体温、発赤、リンパ節腫脹が有意な変数で、それらの変数の総合で決定係数と呼ばれますRの二乗が0.168と、相関係数では0.41と、弱い相関になっています。接種前の抗体価が1か月後の抗体価を一番引っ張っておりまして、それを入れますと相関係数0.632の相関になりますが、それで決定係数としては0.4になります。接種前の抗体価の影響が大きいことは分かっております。接種前の抗体価を入れて計算すると、先ほどスライドのほうで出しております抗体価倍率に相当するような形になるのだろうと思っています。
ブレークスルー感染については、抗N抗体も毎回測定しておりますので、3か月後の抗体価の結果を御報告する際に整理してみたいと思います。先ほど厚生労働省から御案内がありましたが、モデルナ/モデルナ、M/Mを打った方についての交差、モデルナとファイザーのものの追加接種についてのデータを収集中でありますのと、小児についても既に始まっておりまして、何人かのデータが上がってはきておりますが、今は報告ができるような状況になっておりませんので、数がまとまりましたら報告させていただきますが、モデルナを打たれた方の追加接種前は、少し接種間隔が短いせいもあるのですが、コミナティ初回シリーズの方が300とか400前後だったのに比べると、もう1桁高い形で接種前の抗体価が出ておりますが、具体的な数値の報告は差し控えさせていただきたいと思います。
報告は以上でございます。
○森尾座長 伊藤先生、詳細な御報告をありがとうございます。また後ほど質問等があると思います。
続きまして、資料1-10について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-10をご覧ください。
先ほど資料1-8でも触れましたが、今回お示ししている対象者といたしましては、初回シリーズについての調査に御協力いただいた方となっております。対象期間は2月27日時点のものでございまして、対象者数につきましては8ページ目をご覧ください。接種当日にエントリーのありました3,848人のうち、有効回答数3,288人が対象となっております。
また、10ページ目にありますとおり、ワクチンの種別については前回も御紹介申し上げましたが、3,288回答のうち2,946回答と、約9割がファイザーとなっております。
また、資料全体の説明は割愛させていただきますけれども、資料末尾にございます78ページ目以降にございますが、接種後に医療機関を受診した場合の状況等について質問した結果もお示ししてございますが、こちらの状況も含めまして、その報告状況につきましては、事務局の把握しておる範囲におきましては前回と比較して特段の変化はない状況と承知してございます。
ごく簡単ではございますけれども、資料1-10につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
ただいま、これまでの副反応疑い事例やコホート調査などについて御報告をいただきました。また、今回5歳から11歳の接種についての副反応について、あるいは遷延する症状についても言及いただいた状況でございます。
この場の議論におきましては、効率的に、またしっかりと議論を進めていくために、死亡事例や発生動向などに変化があった副反応疑い事例に焦点を絞って議論していくという形にしております。
このような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価については、順番を決めて議論させていただきたいと思います。1番目に死亡事例について、2番目に小児接種について、3、そのほかの論点についてという順で議論を進めていきたいと考えております。まずは死亡事例について、次いで小児接種事例について御意見、御質問をいただき、それ以外の点についての御意見は、最後の3のそのほかの論点でまとめてお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思います。先ほど事務局から死亡事例について、因果関係評価の結果や報告頻度の説明をいただきました。また、今回の集計期間における個別事例として、10代の死亡事例を報告していただきました。また、交互接種における死亡事例の提示もございました。また、スパイクバックスの特定のロットにおける入浴時の死亡事例という報告もいただいた状況でございます。
議論に先立ちまして、事務局で交互接種の死亡事例や入浴時の死亡事例について、補足事項があれば報告をお願いいたしたいと思いますが、まず交互接種における死亡事例の報告頻度についてお願いできますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
交互接種における死亡事例の報告状況につきましては、資料1-2-2-4に記載がありますように、3回目接種において死亡として報告された事例のうち、交互接種をしていることが明らかとなったものとして、P/P-Mの5例の御報告がありました。この5例につきましては、デジタル庁より提供を受けたVRSに登録されたデータのうち、P/P-Mの接種回数を参照し、その5例の頻度を推定いたしますと、おおむね100万回接種当たり1程度でございます。P/P-Pも含め3回目接種としてPが接種されたものについては100万回当たり2.2件、3回目接種としてモデルナが接種されたものについては2.7件となっておりますことから、現時点で把握できております交互接種における死亡事例の報告頻度は、特段多い状況ではないと考えてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続きまして、入浴時の死亡事例の発生頻度について、事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
入浴時の死亡事例につきましては、以前からワクチン接種後に報告された事例の多寡を検討するに当たって、非ワクチン接種群のデータとして引用しておりましたワクチン接種開始前の人口動態統計のデータに加え、今回過去の厚生労働科学研究班、入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究班のデータ等を参考に概算いたしましたところ、3回目接種後の事例も含め、浴室内で死亡したとして報告された事例は、非ワクチン接種群と比較して多くないと考えております。ただし、こちらに関しましては統計学的な専門的見地等に基づく評価や分析も必要となってくると承知してございますので、もし可能でございましたら、委員提出資料として御教示賜れますと幸いと考えてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
大分数多くの情報を頂戴いたしましたが、議論に移らせていただきたいと思います。まず、死亡事例についてということでございますが、その論点は資料1-8をお開けいただけますでしょうか。20ページにおいて事務局から挙げられてございます。そちらを皆様に見ていただきまして、死亡事例についてどう考えるかでございます。御意見、御質問、コメント等を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
事務局から交互接種において特段死亡事例の報告頻度が増えているということではないという点、そして、補足でありました入浴時の死亡事例、今回同一のロット、同一の地域からの報告があったというところを挙げていただいたところでございますが、これに関すること、あるいはそれ以外のことでも結構でございます。何かお気づきのことがありましたらどうぞ御質問、コメントをお願いいたします。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 委員からの専門資料というお話がありましたが、私に振られるのかと思っておりますが、入浴時の死亡に関しては本当に重要なポイントだと思います。人口動態統計の中でどこまで把握できるのかが課題と思います。ただ、研究班も以前に立ち上がったと聞いておりますので、そういった資料の活用もできると思います。あと、ちょうどこの冬の時期にはどうしてもヒートショックで浴室での死亡は多くなり、しかも、その浴室での死亡も浴槽での溺水とそのほかによる死亡もあるでしょうから、そういったものを含めて既存データの中で分析していく必要があると思っております。
以上です。
○森尾座長 御専門的な立場からもコメントを頂戴いたしました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
先ほど同一ロットである一定の自治体で死亡例が多いということを報告されたと思うのですけれども、そのロットが問題ということはないようだということですね。そういう報告をされていたのですけれども、結局仮説になってしまうのですが、もともとあまり大きな問題ではないとお考えなのか。特にある一定の自治体でというところが少し引っかかるのですけれども、その辺を事務局でどうお考えかをお願いいたします。
○森尾座長 ロットのことにつきましては、事務局からコメントを頂戴いたしました。そのほかについていかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
幾つか切り口があったと思いまして、まずこのロットはどうかという観点でございまして、これは先ほど御説明させていただきましたけれども、副反応疑い報告の状況あるいはその品質の面から問題はないかなと考えておりました。地域のお話に関しましては、なかなか報告の熱心さの部分もございまして、例えば副反応疑い事例という制度そのものが広く事例を集めるという性質ですので、疑いがあるかもしれないと思いましたら同じ地域の中から丁寧に報告されてくるということはあるかなと思いました。もう一つは入浴が影響している可能性もありましたので、そういった可能性もないかなという観点で本日議論させていただきまして、先ほど事務局からデータをお示ししましたが、そういう観点から見ても問題ないかなと考えております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
地域によって丁寧に報告しているところもあると。そのようにお考えなわけですね。それであればそれで了解いたしましたが、よろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
地域差はあると思っておりまして、例えば別のロットの事例になりますけれども、今回の資料の中にもあったのですが、あるロットの副反応疑い報告数がすごく多いというのがありましたので精査したことがあるのですけれども、半分以上の報告が2医療機関から上がってくることもありまして、内容を察しますと、3回目接種の自医療機関の副反応疑い事例を非重篤な事例も含めて幅広く送ってきているということがありました。ですから、重篤な件数自体はそれほど多くなかったのですけれども、そのように熱心さによってはロットごとの偏りが出るというのは見ていく必要があるかなと思っております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
基本的には全国的に幅広く情報を集めて、これにつきましては入浴時の死亡ということでまたさらに解析をしていただきつつ、コメントを頂戴する機会があるかなと思っております。
ほかにいかがでしょうか。20ページ目に書いてあるまとめのところを読み上げることはいたしませんが、よろしいですか。
ありがとうございます。
次の論点に入る前に、今の議論と関連することでございますけれども、情報発信の内容について確認をさせていただけたらと思います。厚生労働省のホームページにおきましては、新型コロナワクチン接種後の入浴について、何か情報発信をされておりますでしょうか。事務局からコメントをいただけたらと思います。
○事務局 事務局でございます。
現在、新型コロナワクチン接種後の入浴につきましては、厚生労働省のウェブサイトのQAにおきまして「ワクチンを接種した日は、お風呂に入れますか」という問いに対しまして、要約といたしましては「ワクチンを接種した日にお風呂に入っても構いません」、詳細なAといたしまして「ワクチンを接種した日に入浴することに特別な問題はないと考えられます。注射した部位を強くこすらないようにしましょう」等と記載している状況でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
今、いろいろと御議論いただいたところでありますけれども、現時点においてはワクチン接種後の浴室での死亡が明らかに多いということはないと理解をしております。一方で、今、QAの記載を読み上げていただきましたけれども、非常に短い内容である、非常にシンプルな内容と承りましたので、一般論として「ワクチン接種後に、体調が悪い場合については、無理をせず、様子を見るようにしてください」などと少し加える形で対応されたらどうかと思いますが、事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。御指摘を踏まえまして検討させていただきたいと思います。
○森尾座長 皆様、こんな形でよろしいですか。季節のこととかいろいろなファクターがあるとは承っておりますけれども、事実は事実として上がってきていることでございます。
伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
臨床の現場でも12月、1月、2月ぐらいは入浴に際して高齢の方の事故は大変多いと認識をしておりまして、今回出ているデータもその時期に出てきていますので、ワクチン接種に伴うものなのか、季節性のものなのかは難しいと思いますが、ただ、実際に自分でもワクチン接種後の翌日は大変体調が悪くて入浴を断念したという個人的な経験もありますが、御自分の体調を見て十分に判断していただきたいというメッセージは伝えたほうがいいと個人的にも思います。
以上です。
○森尾座長 伊藤先生、ありがとうございます。
あくまで一般論としてこういう追記をさせていただいてということで、浴室のところでもそういう言い回しということでございます。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、伊藤澄信委員がおっしゃったとおりで、12月から1月、2月というのは夏場と比べて浴室内等含めまして7倍から10倍近くその頻度というものに違いがあるわけです。ですから、そういう一文、何か喚起するような易しい言葉があればよりいいのではないかなと思います。心筋炎・心膜炎のときの過激な運動ということを以前にも石井委員がおっしゃったようなところもありますので、そのような記載があればより皆さんが慎重に対応できるのではないかと考えます。それから、そのような季節的な変動をこれからも注視していくということがあればよろしいのではないかと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございます。
皆様、よろしいでしょうか。
舟越委員、どうぞお願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
コメントまでですが、今回の入浴関係のことを一般論として記載を検討される場合は、ほかのワクチンなどとの整合性も少し考えていかれるのでしょうか。
○森尾座長 これも宿題でしょうか。高齢者に打つ場合とか、いろいろなケースがあると思います。
事務局、お願いします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
今回、あくまでまだ事務局のまとめたものでございますけれども、現時点においてワクチン接種後に非ワクチン接種群と比較して死亡の報告頻度が増えているわけではないという、その1点が分かった状況でございますので、まずは森尾先生から御指摘のような形で、一般論としてワクチン接種後に体調が悪かった場合については慎重に御検討くださいといった御趣旨を入れるのが案になるのかと考えてございます。そういう観点で見ますと、ほかのワクチンにおいても、そのワクチンにおいて体調が悪かった場合には一般論として入浴をお控えいただくというのは、一般的に言えることなのかなと思います。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございました。
○森尾座長 御指摘ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。それでは、事務局のほうで御検討をお願いできればと思います。
続いて、小児接種について議論を行いたいと思います。今回、集計対象期間は小児接種が開始される前でございましたけれども、事務局には速報として3月11日までの小児接種における副反応疑い事例の報告状況をまとめていただきました。論点としては、1点目が小児接種における副反応疑い事例の公表方針ということを少しお諮りしたいと思っております。2点目が小児に対する接種の安全性についてでございます。
まず1つ目についてお諮りしたいと思いますが、今後の小児接種における副反応疑い事例の公表方針について議論を行わせていただきたいと思います。副反応疑い事例の公表方針につきましては、これまでも本合同部会で議論をしており、評価とともに情報発信をしていく必要があるという観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していくという方針で対応してまいりました。次回の合同部会以降、小児接種の副反応疑い事例についても正式に会議資料として事務局から御報告いただくことになりますけれども、公表方針については他の疑い事例と同様、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していくという方針でよろしいかどうか、こちらにつきまして御意見をいただけたらと思います。いかがでしょうか。
特段の御意見はないですか。もちろん何か緊急に審議しなければいけない事項が出ましたら、緊急開催として対応させていただくことは前提条件と認識をしております。よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、首肯していただいたと承りました。ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、小児接種の副反応疑い事例につきまして、今回決定した方針に沿った公表をお願いいたします。
また、今、少しコメントさせていただきましたけれども、事務局においては小児接種を含め、引き続き副反応疑い事例の報告状況をよく注視していただきまして、必要時には本合同部会を緊急的に開催して、適切な検討が行えるよう対応をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
続きまして、小児接種の安全性について議論を行わせていただけたらと思います。今回報告のあった例は2事例でございますけれども、現時点におきましては、小児接種について接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるかどうか。限られた情報でございますけれども、御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいですかね。今は2事例ということで、なかなかコメントもしづらいと思いますが、次の部会ではある程度のまとまった情報が出て提供できるのではないかと思っております。
それでは、皆様、今のところ重大な懸念は認められないということで御了承いただいたと認識いたしました。どうもありがとうございます。
それでは、いろいろなものが入っているその他の論点ということでございます。その中でも本日は遷延する症状への対応についてということで事務局からの説明がございましたので、まず事務局から、遷延する症状に関連した疑い事例の報告状況について補足がありましたらお願いできればと思います。
○事務局 補足でございます。副反応疑い報告制度におきましては、症状や発症期間は問わず副反応が疑われる事例については広く収集しておりますので、様々な報告が上がってきてまいります。その中で、例えば手足のしびれといったような遷延する症状がワクチン接種後に発現したという事例についても実際に報告されることがございます。一方、この遷延する症状というものにつきましては、現時点において定義があるわけではありませんので、件数の集計などさらなる精査はなかなか難しいと考えております。したがいまして、現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃることを想定しまして、今回1-8の中でお示ししたような対応を取ってはどうかと考えております。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
遷延する症状につきまして、本日、事務局から対応案の説明がございました。もしよろしければこの遷延する症状についてというところでまず議論を始めたいと思いますけれども、何か質問、コメント等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 この記載のところにありますけれども、国会質疑において次のような以下のような指摘があったというところで要約ですが、ここに書いてあることもそういう声を聞くとか、そういう話を耳にすることがあるというような、国会の質疑の中でも実際の症例が確かにあったのかどうか、それは何であったのかどうか、実際はどのくらいなのかという具体的で実際の例を提示した話ではないわけですね。ただ、そういう危機感を持っているという話ですが、それでもそこはしっかりと私たちも受け止めなければいけません。例えば、そういうことがあるとすればどのような方向性をもって正しく接することができるかをしっかり前もって議論する必要はあります。そのようなことの議論の中で考えていけばいいので、拙速に国会質疑の物事に反応をするというのは、私としては正しくないなという気もしております。従来のワクチンでもそのような諸問題もありましたので、私たちにとっては、そういう症例があればどのように医療機関の中でつないでいくのかというところの実臨床の中の考え方をしっかりと打ち出して、丁寧にそれを拾い上げていくというような、従来そしてそれ以上の考え方をしっかりと打ち出していくことが必要なのではないかなと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、どうもありがとうございます。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
事務局に質問なのですけれども、こうした遷延する症状、メッセンジャーRNAワクチンが中心だと思いますが、海外から何か論文的なものが出ている、あるいはこういった面が問題化されているということは今までにあるのでしょうか。もし御存じであれば教えてください。
○森尾座長 重要な質問と思います。お2方から手が挙がりましたが、事務局、お願いします。
○事務局 濱田先生、御質問ありがとうございます。
事務局でもまさにどう検索するか自体が非常に難しいのですけれども、こうした遷延する症状が文献的に何か言われていることがないかということについては検索をしておりますけれども、現時点で把握しております限り、こういった文献は確認できていない状況でございます。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
日本でそういう話が出始めているという理解で、現時点ではよろしいですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
なかなか難しいところなのですけれども、米国の1病院のホームページでございますが、このような症状に関して記載しているものがございました。同病院のホームページでは、本邦と同様のような症状についての声があることは承知しているが、科学的な知見からするとそのような疾患がこのワクチン接種後に起きる可能性は低いのではないのか、というコメントでございました。ですから、海外でそのような声が全くないのかと言われると、海外でもそうした声があることはあるかもしれませんが、学術的な論文等で因果関係がありそうであるとか、何か考察されているといったものは現時点ではない、と承知してございます。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
多屋委員、指名してしまってすみません。いかがでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。
接種後に様々な症状を認める方は、新型コロナワクチン以外のワクチンでもあったことです。その症状をしっかり受け止めて、相談窓口がきちんとあることも御説明して、そして、医療体制が構築されている、厚労省で準備されていると先ほど御紹介いただきましたので、それを広くみんなが知るような方向、方針を考えていただけるといいのかなと思いました。これは関係がないからとか別の形で説明されるよりも、そういう様々な症状を訴える方の相談窓口を整備していただいているのが分かっていただけるようにしていただくのが大事ではないかと思いました。このワクチンに限ったことではどうもないような気がしております。
以上です。
○森尾座長 重要なコメントをありがとうございます。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 こういう症状が出てきた場合に、その方が以前同様の症状があったかないかとか、あるいはどういう形で治療をされたら、治療といいますかケアされたら治ったかとか、かなり個別にきちんとデータなりを集めていくことが必要なのかなと思いました。
もう一つ、仮に論文が日本であるいは海外で出たとしても、その論文自体と言うと失礼な言い方ですけれども、論文がどういう書き方をしているのか、その話として結論というものがきちんとその論文のデータに基づいて導き出されているかどうかを、我々はまた専門家としての立場からきちんと論文自体を評価することも必要なのではないかと考えます。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。本当におっしゃるとおりだと思います。
ほかにいかがでしょうか。
佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
今のお話と少し関係があるのですが、資料1-8の18ページの今後の方針で、相談窓口の充実という点をすごく強調されていたと思います。すごく大事な点だと思いました。本当に最初の窓口なので、皆さんどこに相談するのだろうと今、ちょっとウェブサイトを見てみました。もちろん厚労省にワクチンの発熱相談と副作用相談というのはきちんと分けてありました。しかし、基本的に主体は各自治体に任せているという理解でいいでしょうか。というのは、自治体ごとにかなり書きぶりが違っていて、結構ばらついている感じを受けたのです。一方で、実際のコロナ罹患の相談で保健所などはかなり逼迫しているというお話はメディアなどでも話題になっているくらいですので、その辺の整備というのをどういう方針で進めていかれるのかを少しお伺いしたいなと思いました。
○森尾座長 これも重要な点を御指摘いただいたと思います。
事務局から何かコメント等はございますでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築につきましては、昨年の2月1日に厚生労働省から各都道府県に対して通知を発出しており、これに対応できるように都道府県に相談窓口等の設置をお願いしておりまして、各都道府県全てにこの相談窓口が設置されているのを確認しております。各地域それぞれの実情もあるかと思うのですけれども、一方で、今回問題になっているような遷延する症状に関してしっかり対応できているかどうかという観点もありますので、その辺について改めて御確認いただいて、各地域において必要に応じて体制の見直しをしていただくために、今後通知を速やかに発出することを考えているところでございます。
○佐藤委員 数なのか、専門性なのかというところが結構鍵なのかなと思いました。町ごとにコールセンターをつくっているようなすごく細かいところもあれば、県にしかないところもあります。人口などを反映したことなのかもしれないですけれども、相談内容のカテゴライズみたいなところも含めてやっていただけたらいいのではないかなと思いました。ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
宮川委員、御意見はありますでしょうか。
○宮川委員 先ほど最初に申し上げたのはそういうことで、丁寧にやるということを、国からもそのような発出をもう一回確認のためにしていただくとか、しっかりと地方自治体並びに地域の医療機関等にそのような注意喚起やお願いをぜひしていただければと思います。そのような対応を皆さんで気づいて、そして、先ほど多屋委員がおっしゃったような丁寧な考え方で対応していくことが、全ての方々の思いを拾い上げることができるという安心感がこのワクチンに対しては非常に重要な考え方なのかと思いますので、ぜひ厚労省に考えていただきたいと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございます。
石井委員から手を挙げていただいております。よろしくお願いします。
○石井委員 ありがとうございます。
本件について追加のコメントですが、予防接種を受けた側の視点でもそうですし、患者を受ける医療者としても恐らく情報が集積している場がないように思います。今まではワクチンを接種後のデータ、例えば発熱とかはたくさんデータが集まってきましたけれども、この遷延することに対してのデータについてどういった症状があるのかなどを、患者を受ける側も未知の世界になってしまうと診療が厳しいような気がします。そういった意味でもデータを集める必要性を、今、お話をしながら感じました。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
宮川委員、お願いします。
○宮川委員 この接種の体制が問題だと思います。個別接種と集団接種と大規模接種と、そのような形になりますと情報の収集は非常に難しくなるのではないかなと思います。個別接種であれば当該接種者と、被接種者と一対一の関係で医療機関は取り上げることができますけれども、集団接種、大規模接種であればなかなかそうはいきません。そこで地域のかかりつけの医師、地域にいらっしゃる医療機関の方々がしっかりとその問題を受け止めるということも含めて、いろいろな周知をしていただければありがたいなと思います。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
定義が難しいことと、精査がなかなか難しい状況であると認識をしております。ありがとうございます。
ほかには遷延する症状について何かございませんでしょうか。
伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
視点が違ってしまうかなと思っていたのですが、今、情報の収集ということが出ましたのでお伺いしたかったのですけれども、健康状況調査で追加接種後12か月後までとか、小児ですと6か月後まで調査されるようですので、そういったところでも遷延する症状についても上がってくる可能性があるのかなと思ったのですけれども、小児のほうは6か月までで切られているのは何か理由があるのでしょうか。
○森尾座長 健康コホート調査について、伊藤澄信委員、何かコメントはございますか。そうでなくて、でしょうか。
○伊藤(清)委員 資料1-8の28ページにあるような。
○森尾座長 厚労省のほうでの調査ということですね。
こちら、事務局、いかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 資料1-8の28ページ、29ページは、伊藤先生のところで実施いただいている健康状況調査のことになります。
○伊藤(澄)委員 僕から答えさせていただきます。
6か月にさせていただいた特段の理由はないのですが、小さなお子さんを12か月ちょっと追いかけるのが大変かなと思ったのと、昨今、いろいろ言われている12か月ではなくてもう少し早い段階で3回目接種が行われる可能性がどうも高そうかなと思いましたので、初めから12か月としてまた変更するよりは6か月でと考えておりました。どちらかというと3回目接種の話が出ることを予想した上で6か月とさせていただいております。
せっかくの発言の機会をいただいておりますので追加させていただきますと、2万人の方の例えばコミナティの2回目接種の後のデータに関してフォローしてみますと、30日を超えて頭痛や微熱が残る方もいらっしゃいます。そういう意味で3日、4日で全ての人が全部きれいに治りますかと言われるとそうではない。とりわけ偏頭痛とか、もともと頭痛持ちの方がワクチン接種後、特に発熱などがあった方で自律神経症状が出た後にどうもひどくなったような気がするとおっしゃる方はある一定程度いらっしゃることは把握しておりまして、そういう意味で今回のワクチンで高熱や自律神経症状、頭痛などの症状が出た後に遷延されている気がされるという方がある一定数はいらっしゃる。それは予測の範囲ですが、私の知る限りにおいて、それが原因で社会生活が破綻されるような方の報告は今のところないと思っております。一定程度の方に関しては遷延される症状があることについては認識しております。
そういったことに関して、どの項目について発表させていただいたほうがいいのかが分かっておりませんので、資料としてつくっておりませんが、お問合せをいただいて症状について個別に症例を追いかけてみますと、そのような状況があることについてを御報告させていただきます。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
伊藤清美委員、よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにございますか。
舟越委員、お願いします。続いて、長谷川委員、お願いします。
○舟越委員 舟越です。
今までの委員の先生方と基本的に変わらないのですが、多屋先生がおっしゃっていたことが大事なところで、どうしても市町村、ホームページでの周知の仕方が本当にばらばらですので、少し周知の仕方、ホームページの公表の仕方の部分は見直すタイミングのときに確認を取っていただけたらなと思います。前回のこの会議でも申し上げましたが、12歳から17歳の部分もまだ承認が取られていない中でも先行して予約をしますみたいなことまで書かれていたり、心筋炎のリスクも3回目のところに実際にモデルナ社が高いとか、被接種者、市民が少し誤解するような掲載になっていたりします。情報が正しく伝わらないケースが各自治体のホームページを見ていますとありますので、そこは少し当局としても御確認いただけたらと思います。
もう一つは事務局に確認なのですが、2月1日の「新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築について」の図なのですけれども、専門的な医療機関に紹介とか、受診した際のこの情報は、逆に専門的医療機関から厚労省に上がるという矢印があるわけではないのですが、専門的医療機関で受診された方々の情報はどのような形で厚労省は情報を集約するのでしょうか。そこだけ質問です。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。非常に拾い上げが難しいところだということだと思います。
事務局、お願いいたします。
○事務局 舟越先生、ありがとうございます。
現時点では、この制度の枠組みの中で、専門的な医療機関から直接特別に厚労省に情報を上げてもらうということは想定してございませんけれども、専門的な医療機関において何らかの症状がワクチンの接種によるものと疑われた場合については、今、我々が資料としてまとめております医療機関報告として上がってくることにはなるかと思います。
以上でございます。
○舟越委員 基本的に疑われたものは上がってくるけれども、今回の国会の質疑で出ているような因果関係が否定もできないよく分からないものが現状現場で話題になっているところについては、これ以上は難しいですねと言わざるを得ないのですが、それでよろしいですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 先生御指摘のとおりでございまして、最後の方針の案のところに書いてございますけれども、因果関係があるなしによらず、そのようにお困りの方が円滑に御受診いただけるようにというところを主眼にしている案でございますので、副反応報告制度として何か見ていくというよりも、実態の医療体制を整えていただくところに主眼を置いているものでございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 今、まさしく御説明いただいたところなのですけれども、この訴えを見ていると、体調が悪いことを訴えても分かってもらえないというところが根本にあるということだと思いますので、以前、ほかのワクチンにおいても各都道府県にそういった対応をする窓口があったと思いますけれども、そういう対応に慣れている方、医療機関に誘導するような方法を取るのが、実際に困っていらっしゃる方の問題を解決するという点で、因果関係のありなしを白黒はっきりさせろというところではなくて、そういう対応がいいのかなと思いました。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局からコメントはございますでしょうか。なかなか誘導が難しいところかなと思っておりますけれども。
○長谷川委員 前はパンフレットでどこにかかればいいというのをリストされていると思うのですけれども。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
今回現時点でお示ししているものは、特定の医療機関にお願いするというよりは、各自治体の実情に応じまして、例えばそのような方が地域性の偏りなどもあるかもしれませんので、そのようなお声がある地域の場合には、そのお声に応じて各自治体における最適化を行っていただくものと承知しております。具体的にもう少し何らかの疾患等が明確になっていれば、その疾患に対しての対応をお願いすることもできると思うのですけれども、疾患定義自体も曖昧であることから、そこも含め、地域の実態に応じて、あえて何かを限定することなく、困っている方がいらっしゃったら診ていただける体制を構築してください、というトーンにしているのが今回の方針案でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
長谷川委員もおっしゃったように、ワクチンによってはそういった症状が出やすいというものもあるのかもしれませんけれども、このワクチンの場合に実際にどうかというのは、まだはっきりその点は何とも言えないのかなと思います。どちらかというと私はここのスライドの「これまでの経緯」の中で、大学病院に行って気のせいではないかと結論を出されて帰ってくるというむしろこの診療体制が、申し訳ないですけれども、私も大学病院で働いていましたが、大学病院の非常によろしくないところで、その方の訴えに寄り添った総合的な診療をリマインドしていただくことで十分対応できるのかなとは思っております。実際に厚労省が昨年の2月に指定した新型コロナワクチンの副反応の相談医療機関というのは、恐らくかなり休眠状態になっている可能性もありますので、もう一回そういうところの医療機関の先生方に来られた患者さんに対して寄り添った診療をしていただければ、こうした不安は解消できるのかなと思います。
特に思春期の方でそういった訴えが強いとは私も聞いておりませんので、そういう御心配はあまりないのかなと私自身は思っております。むしろもうちょっと成人期の方のほうが、いろいろと先ほど伊藤委員がおっしゃったように頭痛があったりとか、そういったことで大変な思いをされている方もいらっしゃるのかなと思っております。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
皆様、見ている方向は同じではないかと思っていまして、事務局からも受診希望された方が必要な医療機関を受診できるようにということで、相談窓口や専門医療機関の確認から始めて、そしてまた必要があればいろいろな体制の見直しは検討するようにという方向性でどうかという形かと認識しております。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
遷延する症状以外にも、今回3回目接種後の事例あるいは心筋炎・心膜炎の説明がございました。コロナワクチンに関する安全性に関して、死亡事例や小児接種後の事例、今、御議論いただきました遷延する症状以外に何か御質問、御意見があれば承りたいと思います。もちろん伊藤澄信委員のコホート調査に対する御質問でも結構でございます。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 どこでお話ししようかと思っていましたので、このタイミングで失礼いたします。小児への接種についてです。5歳から11歳の小児への接種は始まっていまして、資料1-8の24ページで、事務局から5歳から11歳の副反応疑い報告頻度は12歳から15歳よりも低かったという海外の情報を御紹介いただいたのですけれども、幼児が含まれていますので、発熱の頻度が高いワクチンであることも考えて、発熱に伴う熱性けいれんのようなものも年齢によっては注意していただく必要があると思いました。
もう一つ、これは私も最近まで知らなかったのですけれども、2月21日付の文部科学省、内閣府、厚生労働省からの事務連絡として、新型コロナワクチンの接種後に例えば発熱、風邪のような症状が見られるなど、副反応であるかにかかわらず校長先生の判断で出席停止にすることができる、いわゆる欠席扱いにならないですよという事務連絡が出ていることを御理解いただいて、体調が悪いのに無理して学校に行かないといけないということがないように情報を広く提供していただけたらいいなと思いました。
以上2点です。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局でコメントはございますでしょうか。体調が不良のときには無理して学校に行かなくていいですよ、欠席扱いになりませんよみたいものがホームページ等で出るなど、いかがでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
御指摘の点につきましては、事務連絡に加えましてQAでも記載してございます。この部会でも委員の先生からお話を御紹介いただきましたので、該当する皆様におかれましても、御了知いただければと考えてございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 今日の内容と少し別かもしれないのですけれども、先ほど小児と森尾先生も言われていましたが、小児というのは恐らく11歳以下の話ですね。それでよろしいのですね。それと別に、先ほど舟越委員からもそれに関する話があったのですけれども、今、12歳から17歳までは追加接種が承認されていない状況です。今の第6波の感染状況をアドバイザリーボードの資料などを見ると、10代以下ですね。もちろん10歳未満も多いのですけれども、10代も結構いらっしゃるようなのですが、この追加接種を進めていく必要があると思います。こちらの部会ではなくて本会のほうになるかと思うのですが、今、動きはどうなっているのでしょうか。12歳から17歳の追加接種です。
○森尾座長 局長、お願いします。
○医薬・生活衛生局長 初めまして、医薬・生活衛生局長でございます。
御指摘の点、昨日アナウンスしたのですが、来週の薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会で御審議いただくこととなっております。審議次第でございますが、それで認められればそのような形で進むと考えてございます。よろしくお願いします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
話が少しそれてしまうのですが、資料1-8の32ページから34ページなのですが、性差と年齢、各層別の部分で、今までも話をしましたが、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの年齢の10歳から14歳のところ、どうしても5歳から11歳が3月からスタートして、12歳から17歳は先ほど局長もお話をされていましたが、3月11日に事務連絡が、各自治体に4月から承認される予定なので準備することという通知が来ておりまして、5歳から11歳が小児用のファイザー社製品の用量が違うものになっているのと、12歳から17歳はもともとのワクチンになると思いますけれども、ここはわざわざワクチンというものの種類が違うところで分ける必要があるかどうかを今後議論といいますか、確認いただきたいなと思っています。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
事務局でもその部分は検討しておりますけれども、コミナティの小児用製剤と通常の製剤は用法用量が異なる部分がありますので、年齢というよりは製剤による分類のほうがいいかなと思っておりました。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
ちなみに御指摘いただきましたこちらの表でございますけれども、現状におきましては2月20日時点の数値ということでございまして、5歳から11歳の小児のワクチン接種についてはこの2月20日時点より後に行われてございます。ですから、この表の数値につきまして、現状でお示ししているのは基本的には12歳以上の情報となっております。なお、一部3回目接種の10歳以上の欄に数値が入ってしまっておりますが、これはVRSにそのように登録されていたそのままをお示ししており、こちらは必ずしも追加接種が行われたわけではないと承知しております。
今後の方針につきましては、分母の数値については、分子と同じように、小児用ワクチンとして何回接種されたのかというところを取得することによって、小児用ワクチンの分母及び小児用ワクチンの分子というところでその頻度について御評価いただけるようにしてまいりたいと準備しているところでございます。
以上でございます。
○舟越委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
そのほか、御質問、御意見はいかがでしょうか。
伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
先ほど交互接種のことで、交互接種の場合にも死亡事例については特に多いということはなかったという御説明があったかと思うのですけれども、アナフィラキシーや心筋炎・心膜炎などのほかの副反応に関してもそういった解析をされていますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 他の症状に関しまして、現時点で数的な評価まで行っているわけではありませんが、症状を見る限り何か特殊なものが出ているわけではないとは考えております。
○伊藤(清)委員 今後そのような統計的な解析もしていただけるのでしょうか。
○事務局 状況によりけりかなと思っておりまして、まだ件数が少ないので、現時点ではリストでお示ししている状況です。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。活発な御議論を頂戴いたしました。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。少し長くなりますが、御一緒ください。
これまで確認されました内容としては、まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますけれども、1、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告について、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、3回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。1点目でございます。
2点目、なお、3回目接種後の安全性については、副反応疑い事例の報告状況やコホート調査の結果を踏まえると、現時点では重大な懸念は認められないが、接種が進んでいる状況を踏まえつつ、引き続き国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられるとまとめさせていただきました。
2番目、死亡事例についてであります。その中の1、次に、死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに48件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,430例については、9件がβ、その他の事例はγと評価されました。また、2月21日から3月4日までにはさらに41件の報告がありました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに15件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された82件については、1件がβ、その他の事例はγとされました。また、2月21日から3月4日までにはさらに17件の報告がありました。
バキスゼブリアについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新規の事例の報告はありませんでした。
死亡事例の報告に関しては、現時点においては3回目接種後の事例、交互接種の事例、ロット別の報告状況も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えるとまとめさせていただきました。
小児接種でございます。コミナティ筋注小児用については、3月11日までに2件の非重篤な副反応疑い事例の報告がありました。
現時点ではワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないが、小児の接種状況も踏まえつつ、引き続き国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられます。
小児接種における副反応疑い報告事例の公表方針につきましては、評価とともに情報を発信していく必要があるという観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに、会議資料として副反応事例を公表していくこととする。
ただし、小児の副反応疑い事例については、事務局においてよく報告状況を注視し、必要時には本合同部会を緊急的に開催するとまとめさせていただきました。
そして、遷延する症状についてでございます。こちらは深く御議論いただきました。まとめさせていただきますと、遷延する症状については、これまでに疑い事例の報告はあるものの、現状においては、これまでにワクチン接種が原因と判断されたものはない。一方、議論いただきましたが、定義が難しいということから、副反応疑い報告の内容について、報告件数などのさらなる精査は難しい状況にあります。
つきましては、ワクチン接種後に現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃる可能性を想定し、症状とワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、受診を希望される方が必要な医療機関を受診できるよう、改めて相談窓口と専門的な医療機関に関する体制等について確認をするとともに、必要に応じて体制の見直し、例えば新規医療機関の追加や個々の医療機関の役割の見直しなどを検討するよう依頼する旨の通知を、都道府県に対して今後速やかに発出することとするということでございます。
このような形でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと認識いたしました。
以上、今回報告のありました具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたらお願いいたします。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性に重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。お認めいただいたとさせていただきます。
そのほか、全体を通じて何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
本日の議事は以上で終了でございます。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
活発な御議論をどうもありがとうございました。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中を御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
また、永井委員より御欠席となる旨の御連絡をいただいております。
また、山縣委員が少々遅れているようです。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、まず事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社、アストラゼネカ株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員、舟越委員、宮川委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-10、参考資料1から15になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 資料等、よろしいでしょうか。
それでは、審議を始めたいと思います。
議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等」について、まずは資料1-1-1から1-7について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-7を用いまして、今回の副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に説明したいと思います。今回の集計対象期間は2月20日までとなっております。
まず、資料1-1-1をご覧ください。
43ページでございます。3回目接種後の副反応疑い事例の状況を御説明いたします。一番上の表の一番下の行をご覧ください。まずコミナティ筋注でございますが、推定接種回数が1296万9602回で、前回の集計対象期間から約1000万回の増加となっております。副反応疑い事例の頻度としましては0.01%であり、初回免疫における0.02%と比べて特段高い値とはなっておりません。一般に接種から副反応疑い事例の報告までにタイムラグがあり、今後値が変化することもあり得ますので、現時点での頻度ということになります。死亡事例につきましては、後ほど御説明したいと思います。
表を右に行っていただきまして、スパイクバックスでございます。推定接種回数が588万7189回で、前回の集計対象期間から約580万回の増加となっております。副反応疑い事例の頻度としましては、表記上0.00となっております。こちらも初回免疫時の0.02%、0.01%と比べまして、現時点において特段高い値とはなっておりません。
その他の副反応疑い事例の報告状況につきましては、3ワクチンとも顕著な報告状況の変化はございませんでしたので、資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
続きまして、死亡事例について御報告いたします。資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに48件、うち3回目接種後の事例は26件あり、令和3年2月17日から令和4年2月20日までに報告された死亡事例につきましては計1,430件、うち3回目接種後の事例が28件となっております。2つ目の○に進みまして、上記に加えまして、2月21日から3月4日までに報告された事例が41件、うち3回目接種後の事例が23件ございました。3回目接種後の各死亡事例の概要につきましては、本資料の3ページ目以降でお示ししておりますが、委員には事前に資料を送付しておりますので、本日の説明では省略いたします。
「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果をまとめております。
2ページ目、中段「(参考2)報告頻度」の部分でございます。先ほど1-1-1の中の説明でも触れましたが、3回目接種が進んでいる状況ですので、死亡事例の報告も増えております。参考2におきまして各接種回における報告頻度をまとめておりますが、現時点におきまして3回目接種の頻度が特段高い状況ではございません。
今回、評価期間におきまして10代の死亡事例の報告がございましたので、御説明いたします。203ページでございます。1469番、13歳女性の事例でございます。症状の概要でございますが、生後3か月に川崎病の罹患、γ-グロブリン療法にて冠動脈病変残すことなく5歳で終診。接種の約5か月前の5月頃より、動悸、気分不良、食欲不振にて体重減少があったことが報告されております。1回目接種翌日に発熱がありまして、倦怠感あり。翌日まで倦怠感あり。10月29日から適応障害の暫定診断にて精査中だったと報告されております。少し飛びまして、接種の約2か月後、12月27日に苦しそうな発作出現。その後、意識消失。救急要請にて搬送されたと報告されております。報告医療機関からは、動悸発作等の症状はワクチン接種前より出現していたことから、ワクチンと死亡との因果関係の可能性については低いと判断しているが、増悪因子となった可能性は否定できないと報告されております。死因につきましては不明、報告医からは、血液検査などの結果から、心筋炎や狭心症の可能性はないと判断、血栓も認められていないと報告されております。
続きまして、スパイクバックスの死亡事例でございます。資料1-3-2でございます。
1ページ目「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに15件、うち3回目接種が15件ありまして、令和3年5月22日から令和4年2月20日までに報告された事例は計82件、うち3回目接種の事例が16件となっております。なお、上記に加えまして、2月21日から3月4日までに報告された事例が17件、うち3回目接種後の事例が16件あったという状況でございます。
「2.専門家の評価」の項に専門家の評価結果をお示ししております。
2ページ目の中段「(参考2)報告頻度」の部分でございます。スパイクバックスにつきましても3回目接種が進んでおりますので、死亡事例の報告数も増えております。参考2におきまして各接種回における報告頻度をまとめております。スパイクバックスの3回目接種における100万回当たりの死亡事例の報告頻度は2.7件となっております。スパイクバックス3回目接種後の死亡事例の頻度が比較的高く見えておりますが、主には初回免疫時と3回目接種における被接種者の高齢者の比率の差だと考えられます。具体的にはスパイクバックスの3回目接種における高齢者の比率が約80%、1~2回目接種の高齢者の比率が約6%で、初回免疫時は基本的に非高齢者に接種されていた状況でございました。実際に各接種回における高齢者の死亡報告頻度も確認しておりますが、3回目接種の頻度は初回免疫時よりも低いという状況でございました。
次に、個別事例について御説明いたします。今回交互接種後の死亡事例として報告された事例が7件ございまして、交互接種であることが報告された事例につきましては、3ページ目以降の症例一覧におきまして「基礎疾患等」の項にその旨記載しております。各事例の概要につきましては委員に事前に資料を送付しておりますので、この場での説明は省略いたしますが、いずれも1~2回目がコミナティ、3回目がスパイクバックスの事例でございました。また、1例基礎疾患のある50代の事例がございましたが、それ以外はいずれも高齢者の事例でございました。
最後に、ロットの関連になります。3006279というロットがございますが、こちらにつきまして、同じ地域から5件の死亡事例の報告がございました。いずれも入浴時の高齢者の事例でございました。
1件目、15ページ、No.72、77歳女性の事例でございます。基礎疾患等としまして、子宮がんなどが報告されております。接種の2日後の朝、自宅浴室の浴室内で死亡しているのが発見されたとして報告されておりました。死因は溺死として報告されております。
次の事例がNo.79でございます。73歳女性の事例でして、慢性腎不全で透析治療を受けている方で、接種翌日の夜入浴したところ、心肺停止状態となったということ、解剖の結果、致死性不整脈であることが考えられると報告されております。
次が、その下のNo.80、81歳女性の事例でございます。入浴中に心肺停止状態で発見されたことや、解剖の結果、致死性不整脈であることが考えられると報告されております。
次の事例がNo.90、69歳女性の事例でございます。接種の2日後の朝、浴室内で水没しているところを発見されたことや、解剖の結果、溺水が考えられること、また、表の右の部分の他要因の可能性としまして、浴室暖房等を備えないタイル貼りの浴室であり、ヒートショックを起こすリスクがある環境であったことが報告されております。なお、この事例と次の事例は専門家評価期間後に報告があった事例でございますが、状況を踏まえまして、今回専門家評価を実施しております。
最後の事例がNo.96でございます。81歳女性の事例でございます。自宅浴槽内で死亡しているところを発見されたことや、解剖が行われまして、死因は急性心機能不全と判断されたということが報告されております。
次に、当該ロットについての補足でございます。当該ロットにつきましては、今回の集計期間までに14都道府県に供給されておりましたが、死亡事例の報告はこの1都道府県からの報告のみでございました。また、報告書は同一地域からのものではありましたが、接種施設自体は全て別でございましたので、接種医療機関に問題があるというわけではないように思われます。また、品質の可能性につきましては、製造販売業者にも確認しておりますが、苦情の情報あるいは製造時のデータから、現時点におきまして当該ロットにおいて品質について特段の懸念はないと回答されております。
最後に、参考としまして資料1-1-1に戻っていただきまして、46ページでございます。スパイクバックスのロット別の報告件数をまとめております。少し中段の部分でございますが、3006279ロットの報告状況もまとめております。表を右に行っていただきますと、供給の開始日、供給数量、報告数、うち重篤なもの、死亡報告数などとまとめておりますが、同じ頃に出荷されたロットと比べまして、こちらのロットで特段副反応疑い事例の報告頻度が高いということはございませんでした。また、7件、副反応疑い事例の報告がございますが、死亡事例を除きました4件はいずれも重くないという症状として他都道府県から報告されておりました。また、死亡事例の報告があった都道府県からは、死亡事例以外に軽微なものも含めて報告はないという状況でございました。なお、この資料では死亡事例数3となっておりますが、先ほどの資料1-3-2とは集計期間が異なっておりますので、その差でございます。
また、接種回数別の頻度の説明の中でも触れましたが、スパイクバックスの3回目接種は主に高齢者に使用されておりますので、このロットを問わず3回目接種で使われるロットにつきましては、初回免疫時に使われたロットと比べまして、死亡事例の報告頻度が高くなる状況も想定されます。
スパイクバックスの死亡事例の説明は以上となります。
続いてはバキスゼブリアになりますが、新規の死亡事例の報告はございませんでしたので、説明は省略したいと思います。
続いて、アナフィラキシーの疑い事例になりますが、コミナティとバキスゼブリアにつきましては大きな動向の変化はございませんでしたので、資料の説明は省略いたします。
1-4-2をご覧ください。スパイクバックスのアナフィラキシー疑い事例でございます。今回、3回目接種後のアナフィラキシー疑い事例の報告がございましたので、御説明いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、3回目接種後の副反応疑い事例におきまして、アナフィラキシー疑いとして報告された事例が4件ございました。なお、※を付与しておりますが、ここでの増加数は症例の重複などによって取下げが生じた場合はマイナスとして処理しておりますので、3回目接種としては4件報告がありましたが、1~2回目で取り下げられた事例がございましたので、トータルとしては1件の増加となっているという趣旨でございます。
また、3回目接種後の事例の専門家評価の結果につきましては、次のページの「3回目接種」という部分でお示ししておりますが、いずれもブライトン分類4として評価されております。
次に、TTS疑い事例でございますが、いずれのワクチンにつきましても大きな動向の変化はございませんでしたので、資料の説明は省略いたします。
なお、バキスゼブリアにつきまして、新規事例の報告はございませんでした。
続いて、心筋炎・心膜炎の報告状況でございますが、コミナティに関しましては大きな動向の変化はございませんでしたので、説明は省略いたします。
また、バキスゼブリアについては疑い事例の報告は現時点ではございませんので、こちらも省略いたします。
資料1-6-2をご覧ください。スパイクバックスの心筋炎疑い事例の報告状況についてでございます。前回の合同部会以降におきまして、スパイクバックス3回目接種後の心膜炎疑い事例が1件、医療機関から報告されたということを御報告しておりました。今回、その事例も含めましてブライトン分類評価を実施しておりますので、御説明いたします。
「1.報告状況」でございます。前回の集計対象期間以降、製造販売業者から心筋炎疑いとして報告された事例が8件増加し、うち3回目接種後の事例の増加は1件、心膜炎疑い事例として報告された事例が2件、3回目事例としましては2件ございまして、2月20日までに報告された心筋炎疑い事例が計31件、うち3回目接種の事例が1件、心膜炎疑い事例は計4件、3回目接種後の事例は2件となっております。
3回目接種後の評価結果につきましては、3ページをご覧ください。「3回目接種」のところでございます。心筋炎疑い事例につきましては、ブライトン4とされております。
心膜炎疑い事例につきましては、次のページの4でございます。「3回目接種」の項をご覧ください。1件がブライトン2で、1件がブライトン4とされております。前回医療機関から報告があった事例がブライトン分類2のほうでございます。
最後に、資料1-7でございます。冒頭で御報告しましたが、今回の集計対象期間は2月20日までであり、小児接種が開始される前の期間でございました。一方、小児接種における副反応疑い事例につきましては速やかな評価が必要となりますので、速報としまして3月11日、すなわち先週の金曜日までに報告があったコミナティ小児用の副反応疑い事例を一覧にしてお示ししております。
報告事例としましては、表でお示ししましたとおり、2件の軽微な症状の報告がございました。「転帰内容」の列の部分でございますが、いずれの事例も回復経過が確認されております。また、初回の事例でしたので、迅速性を重視しまして、医療機関報告を対象に専門家評価を付与しておりますが、次回以降は原則どおり情報量に優れます製造販売業者からの報告で専門家評価を実施予定でございます。
また、現時点におきまして2件しか副反応疑い事例の報告はなく、また、接種数も多いわけではありませんでしたので、正確な頻度の算出は難しい部分もございますが、11日時点の接種数が約3万5000回でしたので、報告頻度としては0.006%となりまして、おおむね0.01%強であるコミナティ、スパイクバックスの医療機関からの報告頻度と比べまして、現時点において頻度が高いということはございませんでした。
コミナティ小児用につきましては、次回の合同部会から集計対象期間に入る予定ですので、次回以降は資料1-1などできちんと集計した上でお示ししたいと思います。
最後でございます。資料の説明は省略いたしますが、参考資料15としまして、前回もお示ししましたが、安全対策調査会の親会議である安全対策部会におきまして、患者さんからの副作用報告もまとめた上で定期的に報告しております。3月11日の安全対策部会にて直近の内容を報告しておりますので、本日の合同部会におきましても参考資料として配付させていただいております。
資料の説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
続いて、資料1-8について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-8をご覧ください。
2ページ目ですけれども、資料構成につきましてはおおむね前回と同じ構成になっておりまして、副反応疑い報告全体の概要、死亡として報告された事例、心筋炎または心膜炎と報告された事例についてお示しした上で、その他、論点のまとめスライド、参考資料となってございます。
4ページ目をご覧ください。副反応疑い報告の概要ということで、資料1-1-1、資料1-2-1をまとめたものでございます。詳細の説明は割愛いたしますけれども、現在進んでおります3回目接種につきましては、医療機関報告、製造販売業者報告ともに1~2回目接種と比較して特段頻度は増えていないことが見てとれるかと存じます。
続きまして、6ページ目でございます。こちらは新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要をお示ししております。ファイザー社ワクチンにおきましては1,430件であり、うち3回目接種後の事例は28件でございました。武田/モデルナ社ワクチンにおいては82件であり、うち3回目接種後の事例は16件でございました。
3回目接種後の死亡事例の死因別集計表につきましては、資料1-3-1及び資料1-3-2の別紙2にも記載されておりますけれども、現時点では特定の疾患の集積が確認できないと承知しており、よろしければそちらも御参照いただけますと幸いでございます。
続きまして、8ページ目をご覧ください。新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめております。青囲み2行目、3行目の括弧内容をご覧いただきますと、ファイザー社ワクチンにおきましては製造販売業者から3回目接種後として10件の報告があり、ブライトン分類1から3に該当するものは0件。中段、オレンジ囲み2行目、3行目の括弧内におきましては、モデルナ社ワクチンの3回目接種後として疑い報告が1件ございましたけれども、ブライトン分類1から3には当てはまらないとされてございます。
9ページ目、10ページ目でございますけれども、上段2行におきまして日本における今回審議会時点の2月20日時点までの全年齢男女合算の報告頻度を1~2回目接種及び3回目接種に分けてお示ししてございます。それぞれの被接種者の属性が異なりますので、単純な比較はできませんけれども、3回目接種後の心筋炎につきましては、2回目接種後と比較すると少ないとする海外報告もございまして、そちらにつきましては後ほど御紹介してまいりたいと考えてございます。
また、12ページ目から14ページ目をご覧ください。こちらにおきましては、心筋炎・心膜炎に係る海外情報を更新したものでございますけれども、こちらは主として初回シリーズに関するものでございまして、大きな変化もございませんので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、16ページ目をご覧ください。こちらは3回目接種に係る米国CDCからの情報でございます。上段は前回の審議会でも御紹介いたしましたが、米国CDCで公表されておりますMMWR、2月11日付のアーリーリリースとして公開された内容でございまして、18歳以上の3回目接種後の情報を記載しております。こちらのレポートの要点といたしましては、2行目、同種のmRNAワクチンの追加接種をした場合、1週間以内の局所反応及び全身反応は2回よりも頻度が低かったとまとめられております。また、追加の情報といたしまして、初回シリーズに受けたワクチンと関係なく、追加接種としてモデルナを接種した者に全身反応が多かったということと、追加接種後の心筋炎については、18歳から24歳の男性ではモデルナ接種後の報告が100万回当たり8.7件と多い傾向にあったが、100万回当たり56.3件の2回目接種後よりも報告頻度が低かったという情報がございました。
また、下段には3月4日に公表されましたMMWRからの情報で、12歳から17歳の3回目接種後の情報がまとめられております。18歳以上の違いといたしましては、3行目から4行目のv-safeからの報告のまとめとして、全身反応については2回目と追加接種でほぼ同等であり、一方、接種部位の反応については2回目接種後よりも多かったとされております。また、VAERSに報告された心筋炎の分析結果については、下から3行目、ファイザー社ワクチン追加接種後の12歳から17歳の男性においては、CDCの心筋炎クライテリアを満たしたものは100万回接種当たり11.4件と、2回目接種の12歳から15歳の70.7件あるいは105.9件と比較して低かったとされております。
この追加接種に係る心筋炎の傾向につきましては、次の17ページ目の英国からの情報でも同様でございまして、下から3行目、その報告頻度は1回目、2回目よりも低く、臨床的にも深刻な兆候はない等と報告されております。
続きまして、18ページ目をご覧ください。こちらは「遷延する症状を訴えられる方に対応する診療体制の構築について」というスライドでございます。こちらの経緯でございますけれども、昨年、令和3年2月1日付で都道府県に対して通知を発出しておりまして、新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状に対応できるよう、相談窓口の設置と医療体制の確保について依頼しているところでございます。現在は全ての都道府県におきまして、副反応が疑われる症状がある場合には接種を受けた方が相談できる窓口が整備され、また、専門的な医療機関を円滑に受診できる体制が確保されています。
一方で、ワクチン接種後に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃることについては、今般、国会質疑において以下のような御指摘がございました。関連部分を抜粋して要約してございます。「接種後、何か月にもわたり、様々な症状に悩まされている方の声を聞く。例えば、頭痛や吐き気が続いて通勤や通学ができない方、全身のしびれや発熱が続き日常生活に支障をきたしている方、記憶に障害が生じて学校の成績が急激に下がった方などの話を耳にすることがある」。あるいは次のような御指摘もございました。「患者さんが窓口をたらい回しにされて、不安なまま過ごしているという話を聞く。市町村に相談するとかかりつけ医に相談しろと言われ、クリニックでは分からずに、かかりつけ医から紹介されて大学病院に行く。大学病院ではあらゆる検査を受けるが、異常が見つからない。気のせいではないかとの結論を出されて帰ってくる。症例数がどのくらいあるかは分からないが、こういうことで悩んでいる方が多いことは確かである」、こうした御発言がございました。
新型コロナワクチンに係る副反応疑い報告においては、これまでに遷延する症状について報告を受けた事例はあるものの、現状におきましては、これまでワクチン接種が原因と判断されたものはございません。
こうした状況を踏まえまして、今後の方向性の案として以下のようなものをお示しさせていただきます。ワクチン接種後に、現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃる可能性を想定し、症状とワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、受診を希望される方が必要な医療機関を受診できるよう、改めて相談窓口と専門的な医療機関に関する体制等について確認するとともに、必要に応じてその体制の見直し、具体的には例えば新規の医療機関の追加あるいは個々の医療機関の役割の見直し等を検討するよう依頼する旨の通知を、都道府県に対し、今後速やかに発出する。こうした方針を考えてございます。もしこの方針等につきまして御意見があるようでしたら、御意見を頂戴できますと幸いでございます。
続きまして、20ページ目から22ページ目はまとめのスライドでございます。前回同様、死亡例について、心筋炎について、3回目接種についての状況をまとめました上で、それぞれ現在の報告状況についてはワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないか、御意見を頂戴できればと考えてございます。
以下は参考資料でございますけれども、幾つか抜粋して御紹介してまいりたいと思います。
24ページ目、25ページ目には、それぞれ米国、英国の小児の接種に関連した情報を載せてございます。特に要点といたしましては、24ページ目の米国の情報のうち、2段落目と3段落目をご覧ください。2段目におきましては、v-safeの情報といたしまして、5歳から15歳の副反応は一般に軽度から中程度で、1回目よりも2回目接種後に多く報告された、5歳から11歳の副反応報告頻度は12歳から15歳よりも低かったとされております。また、VAERSに基づく5歳から11歳における心筋炎については、他の年齢層と同様、男児に多く、ほとんどが2回目接種後であったとされており、その頻度につきましては、5歳から11歳の男児における心筋炎の報告頻度、100万回当たり1回目が0件、2回目接種後が4.3件とされており、12歳から15歳の男性が1回目が4.8、2回目が45.7、16歳から17歳については1回目が6.1、2回目が70.2と比較すると、低かったとされております。
この発生状況が極めて低い状況を受けてと思われますが、最下段のところにつきまして、2月22日時点でCDCの見解といたしましては、当該年齢層において、mRNAワクチン接種後の心筋炎または心膜炎のリスクがあるかどうかは現時点で不明であり、引き続きモニタリングを実施していくとされております。
この小児に係る見解につきましては、英国でも同様の趣旨のものがMHRAより公表されておりまして、次のページ、18歳未満というくくりではございますけれども、現時点において当該年齢での特有の安全性の懸念はなく、心筋炎・心膜炎疑いの報告率の増加もないとされてございます。
続きまして、26ページ目から30ページ目でございますけれども、こちらは健康状況調査について概要のスライドを載せてございます。伊藤先生にお願いしております健康状況調査につきましては、27ページ目に記載がありますM/M-P及びM/M-Mに関しまして3月3日事務連絡を発出し、また、28ページ目、29ページ目に記載があります5歳から11歳の健康調査につきましても3月8日事務連絡を発出しまして、調査が開始されております。また、いわゆるオンラインでの調査につきましても3月10日に通知を発出し、3回目についても対象となっております。
なお、今回お示ししております資料1-10につきましては初回シリーズのものとなっておりまして、こちらについては後ほど簡潔に御紹介申し上げます。
資料1-8についての事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
続きまして、資料1-9について、伊藤澄信委員から御説明をよろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
資料1-9の説明をさせていただきます。
ファイザー社のコミナティ筋注を初回接種されました医療従事者を対象として、昨年12月からコミナティの筋注、交互接種であるスパイクバックス筋注を3回目として接種された方の抗体価を指標とした有効性と、チェックボックスによる特定有害事象を中心とした日誌の有害事象の情報です。実施施設は、コミナティ筋注の初回接種、3回目の追加接種をNHOが7病院でJCHOが4病院で実施しておりまして、対象者は2,931人です。スパイクバックスの筋注はNHOの7病院、JCHOの7病院で実施中で、対象者は890人のデータです。
2ページの概要に記載しておりますが、3回目追加接種については1回目、2回目の調査時と違って心筋炎が問題になりましたので、胸痛については特別に調査をしています。ファイザー社のコミナティ筋注から3月初めぐらいまでで3か月になりまして、3か月後の抗スパイクタンパク質抗体価のデータが集まってきておりますが、もう少し収集してから御説明したいと思っておりますので、本日の資料は1か月後までのデータです。データのリバイスが前回と違っている部分を中心に説明させていただきます。
5ページです。コミナティ筋注の追加接種後の抗スパイクタンパク質抗体の結果です。基本的に前回と変わりませんが、スパイクバックス筋注と合わせて、追加接種前の抗S抗体が両方合わせまして合計が969人、約1,000人になりました。その結果、前回までは性別で接種前の抗体価に違いがないと説明させていただきましたが、年齢、性別及び2~3回目の接種間隔を独立変数として調整すると、女性が微妙ではあるのですが、少し高い結果が出てきています。そのため、男女別の表を前回と違って追加しています。その他については前回の説明と同様ですが、追加接種前は年齢が高いほうが少し低くなっておりますが、接種1か月後は年齢階級別では差がないという状況になっています。
このスライドの表示形式では最下段のグラフは年齢階層別と性別で示しています。コミナティ筋注とスパイクバックス筋注も同じ形式にしていますが、後でお示しする、コミナティ筋注、スパイクバックス筋注の比較したものは両者の比較にしていますので、少し図が違っておりますので、御留意いただければと思います。
6ページから12ページの説明については省略をさせていただきます。
13ページは8日目以降の日誌です。先ほど申し上げましたけれども、胸痛発現時の詳細報告を日誌に特別の欄を設けて3回目追加接種時は書いていただいています。今回のスライドには入れておりませんけれども、コミナティ筋注の接種後の調査期間は0日から28日だったのですが、その間に2,630人中21人の方が胸痛を発現していらっしゃっています。そのうち2人は医師が因果関係が否定できない心筋炎の疑いがあるということでしたので、14ページにあるようにPMDAに報告していただいております。全体の頻度はコミナティの場合は胸痛の頻度は0.79%でした。
15ページのAEの表は、Day8、接種後1週間までの数なので、胸痛については調査期間が違いますので、そこに書いてある胸痛の頻度と違うというのは御留意いただければと思いますが、胸痛を特別に意識して記載していただくと従来よりも少し頻度が高くなりそうです。そのため、調査期間も違いますし同一の表の中に書き込むのはなかなか難しいと思っていますので、今後は胸痛だけ別の欄を設けて記載をさせていただこうかと思っています。
16ページは、薬剤の使用量や病休の頻度などを示しています。
17ページからはスパイクバックスの資料です。
18ページ、抗体価の推移ですが、今回は抗N抗体が陰性の方482例とコミナティ筋注とほぼ同じような数になっているので、比較しやすい状況になっているかと思います。接種前抗体価は性別では女性が高いというのはコミナティ筋注と同じですし、年齢が高くなると抗体価が低くなる傾向も全く同じです。スパイクバックス筋注の接種前の値が高いのは、後で説明いたしますけれども、若い、年齢が低いためであることはもう分かっております。ですから、数値の違いはそこにあると御理解いただければと思います。
発熱などの頻度分布は前回提示させていただいているもののリバイスですので、説明は省略させていただきますが、胸痛の頻度は808人中14人で1.73%になっております。コミナティ筋注に比べて少し高めに出ておりました。1例は担当医によって「胸膜から心膜刺激による胸痛も否定できない」とされておりますが、心筋炎としてのPMDAの報告はされておりません。これは担当医の判断ということだと認識しています。
27ページのDay8までの表に、この数字は先ほど御説明させていただいたとおり反映しておりません。表の中に入れてしまうとちょっと違うので、次回以降は別の欄で表現をさせていただこうと思っておりますが、特別に胸痛といった詳細な情報を求めると、リポーティングバイアスが発生するのだろうなと思っています。
スパイクバックスの病休の割合は8.97%でしたから、コミナティ筋注とほぼ同じという状況でした。
29ページは、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注を比較できるようにしています。接種前の値の違いは右真ん中あたりぐらいのところに平均年齢を示しておりますが、スパイクバックス筋注群の年齢が若いということです。平均で2歳も違うとこんなに違うのだなというのが分かります。左端のエラーバーは、コミナティ筋注とスパイクバックス筋注の比較表ですが、明らかにスパイクバックス筋注のほうが抗体価が高いということが分かります。下の欄のグラフはコミナティ筋注とスパイクバックス筋注を並べて年齢階層別に95%信頼区間のエラーバーにしておりますが、おおむねスパイクバックス筋注群が高いということが分かります。年齢と性別及び2~3回目の接種間隔で調整をいたしましても、平均抗体価倍率は有意にスパイクバックス筋注が高いということです。
30ページから33ページはグラフの基の数字で、34ページにまとめを書いておりますが、今回、接種前の抗体価を測定させていただいた989人のうち抗N抗体、ヌクレオカプシドタンパク質抗体が陽性だった方は全部で20名いらっしゃいました。割合は2.0%でした。このうちCOVID-19に感染されたことがあると報告していただいた方は7人で約0.7%でしたので、抗N抗体のカットオフ1.0というのを信頼いたしますと、感染を自覚されている方の2倍程度は不顕性感染をされている医療従事者がいるのかもしれないと思われる数字が出ております。抗N抗体が陽性の方は抗S抗体の接種前の値が高かったので、ヘテロの状況になるので、今回の解析からは外しておりますのを御了解いただければと思います。
また、抗N抗体が陽性の方については別個にまとめた形での解析をしてみないといけないと思っておりますが、現在のところ高いことは分かっておりますが、抗N抗体の値のばらつきが大き過ぎて平均の形にしにくいと思っています。
以前、最高体温と抗体価について相関がはっきりしないと説明させていただいておりましたけれども、数が増えましたので、1か月後の抗体価を従属変数として有意な独立変数を探してみました。年齢は有意な変数になりませんでしたが、性別と最高体温、発赤、リンパ節腫脹が有意な変数で、それらの変数の総合で決定係数と呼ばれますRの二乗が0.168と、相関係数では0.41と、弱い相関になっています。接種前の抗体価が1か月後の抗体価を一番引っ張っておりまして、それを入れますと相関係数0.632の相関になりますが、それで決定係数としては0.4になります。接種前の抗体価の影響が大きいことは分かっております。接種前の抗体価を入れて計算すると、先ほどスライドのほうで出しております抗体価倍率に相当するような形になるのだろうと思っています。
ブレークスルー感染については、抗N抗体も毎回測定しておりますので、3か月後の抗体価の結果を御報告する際に整理してみたいと思います。先ほど厚生労働省から御案内がありましたが、モデルナ/モデルナ、M/Mを打った方についての交差、モデルナとファイザーのものの追加接種についてのデータを収集中でありますのと、小児についても既に始まっておりまして、何人かのデータが上がってはきておりますが、今は報告ができるような状況になっておりませんので、数がまとまりましたら報告させていただきますが、モデルナを打たれた方の追加接種前は、少し接種間隔が短いせいもあるのですが、コミナティ初回シリーズの方が300とか400前後だったのに比べると、もう1桁高い形で接種前の抗体価が出ておりますが、具体的な数値の報告は差し控えさせていただきたいと思います。
報告は以上でございます。
○森尾座長 伊藤先生、詳細な御報告をありがとうございます。また後ほど質問等があると思います。
続きまして、資料1-10について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-10をご覧ください。
先ほど資料1-8でも触れましたが、今回お示ししている対象者といたしましては、初回シリーズについての調査に御協力いただいた方となっております。対象期間は2月27日時点のものでございまして、対象者数につきましては8ページ目をご覧ください。接種当日にエントリーのありました3,848人のうち、有効回答数3,288人が対象となっております。
また、10ページ目にありますとおり、ワクチンの種別については前回も御紹介申し上げましたが、3,288回答のうち2,946回答と、約9割がファイザーとなっております。
また、資料全体の説明は割愛させていただきますけれども、資料末尾にございます78ページ目以降にございますが、接種後に医療機関を受診した場合の状況等について質問した結果もお示ししてございますが、こちらの状況も含めまして、その報告状況につきましては、事務局の把握しておる範囲におきましては前回と比較して特段の変化はない状況と承知してございます。
ごく簡単ではございますけれども、資料1-10につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
ただいま、これまでの副反応疑い事例やコホート調査などについて御報告をいただきました。また、今回5歳から11歳の接種についての副反応について、あるいは遷延する症状についても言及いただいた状況でございます。
この場の議論におきましては、効率的に、またしっかりと議論を進めていくために、死亡事例や発生動向などに変化があった副反応疑い事例に焦点を絞って議論していくという形にしております。
このような観点から、本日の新型コロナワクチンの安全性評価については、順番を決めて議論させていただきたいと思います。1番目に死亡事例について、2番目に小児接種について、3、そのほかの論点についてという順で議論を進めていきたいと考えております。まずは死亡事例について、次いで小児接種事例について御意見、御質問をいただき、それ以外の点についての御意見は、最後の3のそのほかの論点でまとめてお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思います。先ほど事務局から死亡事例について、因果関係評価の結果や報告頻度の説明をいただきました。また、今回の集計期間における個別事例として、10代の死亡事例を報告していただきました。また、交互接種における死亡事例の提示もございました。また、スパイクバックスの特定のロットにおける入浴時の死亡事例という報告もいただいた状況でございます。
議論に先立ちまして、事務局で交互接種の死亡事例や入浴時の死亡事例について、補足事項があれば報告をお願いいたしたいと思いますが、まず交互接種における死亡事例の報告頻度についてお願いできますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
交互接種における死亡事例の報告状況につきましては、資料1-2-2-4に記載がありますように、3回目接種において死亡として報告された事例のうち、交互接種をしていることが明らかとなったものとして、P/P-Mの5例の御報告がありました。この5例につきましては、デジタル庁より提供を受けたVRSに登録されたデータのうち、P/P-Mの接種回数を参照し、その5例の頻度を推定いたしますと、おおむね100万回接種当たり1程度でございます。P/P-Pも含め3回目接種としてPが接種されたものについては100万回当たり2.2件、3回目接種としてモデルナが接種されたものについては2.7件となっておりますことから、現時点で把握できております交互接種における死亡事例の報告頻度は、特段多い状況ではないと考えてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
続きまして、入浴時の死亡事例の発生頻度について、事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
入浴時の死亡事例につきましては、以前からワクチン接種後に報告された事例の多寡を検討するに当たって、非ワクチン接種群のデータとして引用しておりましたワクチン接種開始前の人口動態統計のデータに加え、今回過去の厚生労働科学研究班、入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究班のデータ等を参考に概算いたしましたところ、3回目接種後の事例も含め、浴室内で死亡したとして報告された事例は、非ワクチン接種群と比較して多くないと考えております。ただし、こちらに関しましては統計学的な専門的見地等に基づく評価や分析も必要となってくると承知してございますので、もし可能でございましたら、委員提出資料として御教示賜れますと幸いと考えてございます。
以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
大分数多くの情報を頂戴いたしましたが、議論に移らせていただきたいと思います。まず、死亡事例についてということでございますが、その論点は資料1-8をお開けいただけますでしょうか。20ページにおいて事務局から挙げられてございます。そちらを皆様に見ていただきまして、死亡事例についてどう考えるかでございます。御意見、御質問、コメント等を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
事務局から交互接種において特段死亡事例の報告頻度が増えているということではないという点、そして、補足でありました入浴時の死亡事例、今回同一のロット、同一の地域からの報告があったというところを挙げていただいたところでございますが、これに関すること、あるいはそれ以外のことでも結構でございます。何かお気づきのことがありましたらどうぞ御質問、コメントをお願いいたします。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 委員からの専門資料というお話がありましたが、私に振られるのかと思っておりますが、入浴時の死亡に関しては本当に重要なポイントだと思います。人口動態統計の中でどこまで把握できるのかが課題と思います。ただ、研究班も以前に立ち上がったと聞いておりますので、そういった資料の活用もできると思います。あと、ちょうどこの冬の時期にはどうしてもヒートショックで浴室での死亡は多くなり、しかも、その浴室での死亡も浴槽での溺水とそのほかによる死亡もあるでしょうから、そういったものを含めて既存データの中で分析していく必要があると思っております。
以上です。
○森尾座長 御専門的な立場からもコメントを頂戴いたしました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
先ほど同一ロットである一定の自治体で死亡例が多いということを報告されたと思うのですけれども、そのロットが問題ということはないようだということですね。そういう報告をされていたのですけれども、結局仮説になってしまうのですが、もともとあまり大きな問題ではないとお考えなのか。特にある一定の自治体でというところが少し引っかかるのですけれども、その辺を事務局でどうお考えかをお願いいたします。
○森尾座長 ロットのことにつきましては、事務局からコメントを頂戴いたしました。そのほかについていかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
幾つか切り口があったと思いまして、まずこのロットはどうかという観点でございまして、これは先ほど御説明させていただきましたけれども、副反応疑い報告の状況あるいはその品質の面から問題はないかなと考えておりました。地域のお話に関しましては、なかなか報告の熱心さの部分もございまして、例えば副反応疑い事例という制度そのものが広く事例を集めるという性質ですので、疑いがあるかもしれないと思いましたら同じ地域の中から丁寧に報告されてくるということはあるかなと思いました。もう一つは入浴が影響している可能性もありましたので、そういった可能性もないかなという観点で本日議論させていただきまして、先ほど事務局からデータをお示ししましたが、そういう観点から見ても問題ないかなと考えております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
地域によって丁寧に報告しているところもあると。そのようにお考えなわけですね。それであればそれで了解いたしましたが、よろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
地域差はあると思っておりまして、例えば別のロットの事例になりますけれども、今回の資料の中にもあったのですが、あるロットの副反応疑い報告数がすごく多いというのがありましたので精査したことがあるのですけれども、半分以上の報告が2医療機関から上がってくることもありまして、内容を察しますと、3回目接種の自医療機関の副反応疑い事例を非重篤な事例も含めて幅広く送ってきているということがありました。ですから、重篤な件数自体はそれほど多くなかったのですけれども、そのように熱心さによってはロットごとの偏りが出るというのは見ていく必要があるかなと思っております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
基本的には全国的に幅広く情報を集めて、これにつきましては入浴時の死亡ということでまたさらに解析をしていただきつつ、コメントを頂戴する機会があるかなと思っております。
ほかにいかがでしょうか。20ページ目に書いてあるまとめのところを読み上げることはいたしませんが、よろしいですか。
ありがとうございます。
次の論点に入る前に、今の議論と関連することでございますけれども、情報発信の内容について確認をさせていただけたらと思います。厚生労働省のホームページにおきましては、新型コロナワクチン接種後の入浴について、何か情報発信をされておりますでしょうか。事務局からコメントをいただけたらと思います。
○事務局 事務局でございます。
現在、新型コロナワクチン接種後の入浴につきましては、厚生労働省のウェブサイトのQAにおきまして「ワクチンを接種した日は、お風呂に入れますか」という問いに対しまして、要約といたしましては「ワクチンを接種した日にお風呂に入っても構いません」、詳細なAといたしまして「ワクチンを接種した日に入浴することに特別な問題はないと考えられます。注射した部位を強くこすらないようにしましょう」等と記載している状況でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
今、いろいろと御議論いただいたところでありますけれども、現時点においてはワクチン接種後の浴室での死亡が明らかに多いということはないと理解をしております。一方で、今、QAの記載を読み上げていただきましたけれども、非常に短い内容である、非常にシンプルな内容と承りましたので、一般論として「ワクチン接種後に、体調が悪い場合については、無理をせず、様子を見るようにしてください」などと少し加える形で対応されたらどうかと思いますが、事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。御指摘を踏まえまして検討させていただきたいと思います。
○森尾座長 皆様、こんな形でよろしいですか。季節のこととかいろいろなファクターがあるとは承っておりますけれども、事実は事実として上がってきていることでございます。
伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
臨床の現場でも12月、1月、2月ぐらいは入浴に際して高齢の方の事故は大変多いと認識をしておりまして、今回出ているデータもその時期に出てきていますので、ワクチン接種に伴うものなのか、季節性のものなのかは難しいと思いますが、ただ、実際に自分でもワクチン接種後の翌日は大変体調が悪くて入浴を断念したという個人的な経験もありますが、御自分の体調を見て十分に判断していただきたいというメッセージは伝えたほうがいいと個人的にも思います。
以上です。
○森尾座長 伊藤先生、ありがとうございます。
あくまで一般論としてこういう追記をさせていただいてということで、浴室のところでもそういう言い回しということでございます。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、伊藤澄信委員がおっしゃったとおりで、12月から1月、2月というのは夏場と比べて浴室内等含めまして7倍から10倍近くその頻度というものに違いがあるわけです。ですから、そういう一文、何か喚起するような易しい言葉があればよりいいのではないかなと思います。心筋炎・心膜炎のときの過激な運動ということを以前にも石井委員がおっしゃったようなところもありますので、そのような記載があればより皆さんが慎重に対応できるのではないかと考えます。それから、そのような季節的な変動をこれからも注視していくということがあればよろしいのではないかと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございます。
皆様、よろしいでしょうか。
舟越委員、どうぞお願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
コメントまでですが、今回の入浴関係のことを一般論として記載を検討される場合は、ほかのワクチンなどとの整合性も少し考えていかれるのでしょうか。
○森尾座長 これも宿題でしょうか。高齢者に打つ場合とか、いろいろなケースがあると思います。
事務局、お願いします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
今回、あくまでまだ事務局のまとめたものでございますけれども、現時点においてワクチン接種後に非ワクチン接種群と比較して死亡の報告頻度が増えているわけではないという、その1点が分かった状況でございますので、まずは森尾先生から御指摘のような形で、一般論としてワクチン接種後に体調が悪かった場合については慎重に御検討くださいといった御趣旨を入れるのが案になるのかと考えてございます。そういう観点で見ますと、ほかのワクチンにおいても、そのワクチンにおいて体調が悪かった場合には一般論として入浴をお控えいただくというのは、一般的に言えることなのかなと思います。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございました。
○森尾座長 御指摘ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。それでは、事務局のほうで御検討をお願いできればと思います。
続いて、小児接種について議論を行いたいと思います。今回、集計対象期間は小児接種が開始される前でございましたけれども、事務局には速報として3月11日までの小児接種における副反応疑い事例の報告状況をまとめていただきました。論点としては、1点目が小児接種における副反応疑い事例の公表方針ということを少しお諮りしたいと思っております。2点目が小児に対する接種の安全性についてでございます。
まず1つ目についてお諮りしたいと思いますが、今後の小児接種における副反応疑い事例の公表方針について議論を行わせていただきたいと思います。副反応疑い事例の公表方針につきましては、これまでも本合同部会で議論をしており、評価とともに情報発信をしていく必要があるという観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していくという方針で対応してまいりました。次回の合同部会以降、小児接種の副反応疑い事例についても正式に会議資料として事務局から御報告いただくことになりますけれども、公表方針については他の疑い事例と同様、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに会議資料として副反応事例を公表していくという方針でよろしいかどうか、こちらにつきまして御意見をいただけたらと思います。いかがでしょうか。
特段の御意見はないですか。もちろん何か緊急に審議しなければいけない事項が出ましたら、緊急開催として対応させていただくことは前提条件と認識をしております。よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、首肯していただいたと承りました。ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、小児接種の副反応疑い事例につきまして、今回決定した方針に沿った公表をお願いいたします。
また、今、少しコメントさせていただきましたけれども、事務局においては小児接種を含め、引き続き副反応疑い事例の報告状況をよく注視していただきまして、必要時には本合同部会を緊急的に開催して、適切な検討が行えるよう対応をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
続きまして、小児接種の安全性について議論を行わせていただけたらと思います。今回報告のあった例は2事例でございますけれども、現時点におきましては、小児接種について接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるかどうか。限られた情報でございますけれども、御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいですかね。今は2事例ということで、なかなかコメントもしづらいと思いますが、次の部会ではある程度のまとまった情報が出て提供できるのではないかと思っております。
それでは、皆様、今のところ重大な懸念は認められないということで御了承いただいたと認識いたしました。どうもありがとうございます。
それでは、いろいろなものが入っているその他の論点ということでございます。その中でも本日は遷延する症状への対応についてということで事務局からの説明がございましたので、まず事務局から、遷延する症状に関連した疑い事例の報告状況について補足がありましたらお願いできればと思います。
○事務局 補足でございます。副反応疑い報告制度におきましては、症状や発症期間は問わず副反応が疑われる事例については広く収集しておりますので、様々な報告が上がってきてまいります。その中で、例えば手足のしびれといったような遷延する症状がワクチン接種後に発現したという事例についても実際に報告されることがございます。一方、この遷延する症状というものにつきましては、現時点において定義があるわけではありませんので、件数の集計などさらなる精査はなかなか難しいと考えております。したがいまして、現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃることを想定しまして、今回1-8の中でお示ししたような対応を取ってはどうかと考えております。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
遷延する症状につきまして、本日、事務局から対応案の説明がございました。もしよろしければこの遷延する症状についてというところでまず議論を始めたいと思いますけれども、何か質問、コメント等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 この記載のところにありますけれども、国会質疑において次のような以下のような指摘があったというところで要約ですが、ここに書いてあることもそういう声を聞くとか、そういう話を耳にすることがあるというような、国会の質疑の中でも実際の症例が確かにあったのかどうか、それは何であったのかどうか、実際はどのくらいなのかという具体的で実際の例を提示した話ではないわけですね。ただ、そういう危機感を持っているという話ですが、それでもそこはしっかりと私たちも受け止めなければいけません。例えば、そういうことがあるとすればどのような方向性をもって正しく接することができるかをしっかり前もって議論する必要はあります。そのようなことの議論の中で考えていけばいいので、拙速に国会質疑の物事に反応をするというのは、私としては正しくないなという気もしております。従来のワクチンでもそのような諸問題もありましたので、私たちにとっては、そういう症例があればどのように医療機関の中でつないでいくのかというところの実臨床の中の考え方をしっかりと打ち出して、丁寧にそれを拾い上げていくというような、従来そしてそれ以上の考え方をしっかりと打ち出していくことが必要なのではないかなと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、どうもありがとうございます。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
事務局に質問なのですけれども、こうした遷延する症状、メッセンジャーRNAワクチンが中心だと思いますが、海外から何か論文的なものが出ている、あるいはこういった面が問題化されているということは今までにあるのでしょうか。もし御存じであれば教えてください。
○森尾座長 重要な質問と思います。お2方から手が挙がりましたが、事務局、お願いします。
○事務局 濱田先生、御質問ありがとうございます。
事務局でもまさにどう検索するか自体が非常に難しいのですけれども、こうした遷延する症状が文献的に何か言われていることがないかということについては検索をしておりますけれども、現時点で把握しております限り、こういった文献は確認できていない状況でございます。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
日本でそういう話が出始めているという理解で、現時点ではよろしいですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
なかなか難しいところなのですけれども、米国の1病院のホームページでございますが、このような症状に関して記載しているものがございました。同病院のホームページでは、本邦と同様のような症状についての声があることは承知しているが、科学的な知見からするとそのような疾患がこのワクチン接種後に起きる可能性は低いのではないのか、というコメントでございました。ですから、海外でそのような声が全くないのかと言われると、海外でもそうした声があることはあるかもしれませんが、学術的な論文等で因果関係がありそうであるとか、何か考察されているといったものは現時点ではない、と承知してございます。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
多屋委員、指名してしまってすみません。いかがでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。
接種後に様々な症状を認める方は、新型コロナワクチン以外のワクチンでもあったことです。その症状をしっかり受け止めて、相談窓口がきちんとあることも御説明して、そして、医療体制が構築されている、厚労省で準備されていると先ほど御紹介いただきましたので、それを広くみんなが知るような方向、方針を考えていただけるといいのかなと思いました。これは関係がないからとか別の形で説明されるよりも、そういう様々な症状を訴える方の相談窓口を整備していただいているのが分かっていただけるようにしていただくのが大事ではないかと思いました。このワクチンに限ったことではどうもないような気がしております。
以上です。
○森尾座長 重要なコメントをありがとうございます。
倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 こういう症状が出てきた場合に、その方が以前同様の症状があったかないかとか、あるいはどういう形で治療をされたら、治療といいますかケアされたら治ったかとか、かなり個別にきちんとデータなりを集めていくことが必要なのかなと思いました。
もう一つ、仮に論文が日本であるいは海外で出たとしても、その論文自体と言うと失礼な言い方ですけれども、論文がどういう書き方をしているのか、その話として結論というものがきちんとその論文のデータに基づいて導き出されているかどうかを、我々はまた専門家としての立場からきちんと論文自体を評価することも必要なのではないかと考えます。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。本当におっしゃるとおりだと思います。
ほかにいかがでしょうか。
佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
今のお話と少し関係があるのですが、資料1-8の18ページの今後の方針で、相談窓口の充実という点をすごく強調されていたと思います。すごく大事な点だと思いました。本当に最初の窓口なので、皆さんどこに相談するのだろうと今、ちょっとウェブサイトを見てみました。もちろん厚労省にワクチンの発熱相談と副作用相談というのはきちんと分けてありました。しかし、基本的に主体は各自治体に任せているという理解でいいでしょうか。というのは、自治体ごとにかなり書きぶりが違っていて、結構ばらついている感じを受けたのです。一方で、実際のコロナ罹患の相談で保健所などはかなり逼迫しているというお話はメディアなどでも話題になっているくらいですので、その辺の整備というのをどういう方針で進めていかれるのかを少しお伺いしたいなと思いました。
○森尾座長 これも重要な点を御指摘いただいたと思います。
事務局から何かコメント等はございますでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築につきましては、昨年の2月1日に厚生労働省から各都道府県に対して通知を発出しており、これに対応できるように都道府県に相談窓口等の設置をお願いしておりまして、各都道府県全てにこの相談窓口が設置されているのを確認しております。各地域それぞれの実情もあるかと思うのですけれども、一方で、今回問題になっているような遷延する症状に関してしっかり対応できているかどうかという観点もありますので、その辺について改めて御確認いただいて、各地域において必要に応じて体制の見直しをしていただくために、今後通知を速やかに発出することを考えているところでございます。
○佐藤委員 数なのか、専門性なのかというところが結構鍵なのかなと思いました。町ごとにコールセンターをつくっているようなすごく細かいところもあれば、県にしかないところもあります。人口などを反映したことなのかもしれないですけれども、相談内容のカテゴライズみたいなところも含めてやっていただけたらいいのではないかなと思いました。ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
宮川委員、御意見はありますでしょうか。
○宮川委員 先ほど最初に申し上げたのはそういうことで、丁寧にやるということを、国からもそのような発出をもう一回確認のためにしていただくとか、しっかりと地方自治体並びに地域の医療機関等にそのような注意喚起やお願いをぜひしていただければと思います。そのような対応を皆さんで気づいて、そして、先ほど多屋委員がおっしゃったような丁寧な考え方で対応していくことが、全ての方々の思いを拾い上げることができるという安心感がこのワクチンに対しては非常に重要な考え方なのかと思いますので、ぜひ厚労省に考えていただきたいと思います。
以上です。
○森尾座長 宮川委員、ありがとうございます。
石井委員から手を挙げていただいております。よろしくお願いします。
○石井委員 ありがとうございます。
本件について追加のコメントですが、予防接種を受けた側の視点でもそうですし、患者を受ける医療者としても恐らく情報が集積している場がないように思います。今まではワクチンを接種後のデータ、例えば発熱とかはたくさんデータが集まってきましたけれども、この遷延することに対してのデータについてどういった症状があるのかなどを、患者を受ける側も未知の世界になってしまうと診療が厳しいような気がします。そういった意味でもデータを集める必要性を、今、お話をしながら感じました。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
宮川委員、お願いします。
○宮川委員 この接種の体制が問題だと思います。個別接種と集団接種と大規模接種と、そのような形になりますと情報の収集は非常に難しくなるのではないかなと思います。個別接種であれば当該接種者と、被接種者と一対一の関係で医療機関は取り上げることができますけれども、集団接種、大規模接種であればなかなかそうはいきません。そこで地域のかかりつけの医師、地域にいらっしゃる医療機関の方々がしっかりとその問題を受け止めるということも含めて、いろいろな周知をしていただければありがたいなと思います。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
定義が難しいことと、精査がなかなか難しい状況であると認識をしております。ありがとうございます。
ほかには遷延する症状について何かございませんでしょうか。
伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
視点が違ってしまうかなと思っていたのですが、今、情報の収集ということが出ましたのでお伺いしたかったのですけれども、健康状況調査で追加接種後12か月後までとか、小児ですと6か月後まで調査されるようですので、そういったところでも遷延する症状についても上がってくる可能性があるのかなと思ったのですけれども、小児のほうは6か月までで切られているのは何か理由があるのでしょうか。
○森尾座長 健康コホート調査について、伊藤澄信委員、何かコメントはございますか。そうでなくて、でしょうか。
○伊藤(清)委員 資料1-8の28ページにあるような。
○森尾座長 厚労省のほうでの調査ということですね。
こちら、事務局、いかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局 資料1-8の28ページ、29ページは、伊藤先生のところで実施いただいている健康状況調査のことになります。
○伊藤(澄)委員 僕から答えさせていただきます。
6か月にさせていただいた特段の理由はないのですが、小さなお子さんを12か月ちょっと追いかけるのが大変かなと思ったのと、昨今、いろいろ言われている12か月ではなくてもう少し早い段階で3回目接種が行われる可能性がどうも高そうかなと思いましたので、初めから12か月としてまた変更するよりは6か月でと考えておりました。どちらかというと3回目接種の話が出ることを予想した上で6か月とさせていただいております。
せっかくの発言の機会をいただいておりますので追加させていただきますと、2万人の方の例えばコミナティの2回目接種の後のデータに関してフォローしてみますと、30日を超えて頭痛や微熱が残る方もいらっしゃいます。そういう意味で3日、4日で全ての人が全部きれいに治りますかと言われるとそうではない。とりわけ偏頭痛とか、もともと頭痛持ちの方がワクチン接種後、特に発熱などがあった方で自律神経症状が出た後にどうもひどくなったような気がするとおっしゃる方はある一定程度いらっしゃることは把握しておりまして、そういう意味で今回のワクチンで高熱や自律神経症状、頭痛などの症状が出た後に遷延されている気がされるという方がある一定数はいらっしゃる。それは予測の範囲ですが、私の知る限りにおいて、それが原因で社会生活が破綻されるような方の報告は今のところないと思っております。一定程度の方に関しては遷延される症状があることについては認識しております。
そういったことに関して、どの項目について発表させていただいたほうがいいのかが分かっておりませんので、資料としてつくっておりませんが、お問合せをいただいて症状について個別に症例を追いかけてみますと、そのような状況があることについてを御報告させていただきます。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
伊藤清美委員、よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにございますか。
舟越委員、お願いします。続いて、長谷川委員、お願いします。
○舟越委員 舟越です。
今までの委員の先生方と基本的に変わらないのですが、多屋先生がおっしゃっていたことが大事なところで、どうしても市町村、ホームページでの周知の仕方が本当にばらばらですので、少し周知の仕方、ホームページの公表の仕方の部分は見直すタイミングのときに確認を取っていただけたらなと思います。前回のこの会議でも申し上げましたが、12歳から17歳の部分もまだ承認が取られていない中でも先行して予約をしますみたいなことまで書かれていたり、心筋炎のリスクも3回目のところに実際にモデルナ社が高いとか、被接種者、市民が少し誤解するような掲載になっていたりします。情報が正しく伝わらないケースが各自治体のホームページを見ていますとありますので、そこは少し当局としても御確認いただけたらと思います。
もう一つは事務局に確認なのですが、2月1日の「新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応を疑う症状に対する診療体制の構築について」の図なのですけれども、専門的な医療機関に紹介とか、受診した際のこの情報は、逆に専門的医療機関から厚労省に上がるという矢印があるわけではないのですが、専門的医療機関で受診された方々の情報はどのような形で厚労省は情報を集約するのでしょうか。そこだけ質問です。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。非常に拾い上げが難しいところだということだと思います。
事務局、お願いいたします。
○事務局 舟越先生、ありがとうございます。
現時点では、この制度の枠組みの中で、専門的な医療機関から直接特別に厚労省に情報を上げてもらうということは想定してございませんけれども、専門的な医療機関において何らかの症状がワクチンの接種によるものと疑われた場合については、今、我々が資料としてまとめております医療機関報告として上がってくることにはなるかと思います。
以上でございます。
○舟越委員 基本的に疑われたものは上がってくるけれども、今回の国会の質疑で出ているような因果関係が否定もできないよく分からないものが現状現場で話題になっているところについては、これ以上は難しいですねと言わざるを得ないのですが、それでよろしいですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 先生御指摘のとおりでございまして、最後の方針の案のところに書いてございますけれども、因果関係があるなしによらず、そのようにお困りの方が円滑に御受診いただけるようにというところを主眼にしている案でございますので、副反応報告制度として何か見ていくというよりも、実態の医療体制を整えていただくところに主眼を置いているものでございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 今、まさしく御説明いただいたところなのですけれども、この訴えを見ていると、体調が悪いことを訴えても分かってもらえないというところが根本にあるということだと思いますので、以前、ほかのワクチンにおいても各都道府県にそういった対応をする窓口があったと思いますけれども、そういう対応に慣れている方、医療機関に誘導するような方法を取るのが、実際に困っていらっしゃる方の問題を解決するという点で、因果関係のありなしを白黒はっきりさせろというところではなくて、そういう対応がいいのかなと思いました。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局からコメントはございますでしょうか。なかなか誘導が難しいところかなと思っておりますけれども。
○長谷川委員 前はパンフレットでどこにかかればいいというのをリストされていると思うのですけれども。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
今回現時点でお示ししているものは、特定の医療機関にお願いするというよりは、各自治体の実情に応じまして、例えばそのような方が地域性の偏りなどもあるかもしれませんので、そのようなお声がある地域の場合には、そのお声に応じて各自治体における最適化を行っていただくものと承知しております。具体的にもう少し何らかの疾患等が明確になっていれば、その疾患に対しての対応をお願いすることもできると思うのですけれども、疾患定義自体も曖昧であることから、そこも含め、地域の実態に応じて、あえて何かを限定することなく、困っている方がいらっしゃったら診ていただける体制を構築してください、というトーンにしているのが今回の方針案でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
長谷川委員もおっしゃったように、ワクチンによってはそういった症状が出やすいというものもあるのかもしれませんけれども、このワクチンの場合に実際にどうかというのは、まだはっきりその点は何とも言えないのかなと思います。どちらかというと私はここのスライドの「これまでの経緯」の中で、大学病院に行って気のせいではないかと結論を出されて帰ってくるというむしろこの診療体制が、申し訳ないですけれども、私も大学病院で働いていましたが、大学病院の非常によろしくないところで、その方の訴えに寄り添った総合的な診療をリマインドしていただくことで十分対応できるのかなとは思っております。実際に厚労省が昨年の2月に指定した新型コロナワクチンの副反応の相談医療機関というのは、恐らくかなり休眠状態になっている可能性もありますので、もう一回そういうところの医療機関の先生方に来られた患者さんに対して寄り添った診療をしていただければ、こうした不安は解消できるのかなと思います。
特に思春期の方でそういった訴えが強いとは私も聞いておりませんので、そういう御心配はあまりないのかなと私自身は思っております。むしろもうちょっと成人期の方のほうが、いろいろと先ほど伊藤委員がおっしゃったように頭痛があったりとか、そういったことで大変な思いをされている方もいらっしゃるのかなと思っております。
以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
皆様、見ている方向は同じではないかと思っていまして、事務局からも受診希望された方が必要な医療機関を受診できるようにということで、相談窓口や専門医療機関の確認から始めて、そしてまた必要があればいろいろな体制の見直しは検討するようにという方向性でどうかという形かと認識しております。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
遷延する症状以外にも、今回3回目接種後の事例あるいは心筋炎・心膜炎の説明がございました。コロナワクチンに関する安全性に関して、死亡事例や小児接種後の事例、今、御議論いただきました遷延する症状以外に何か御質問、御意見があれば承りたいと思います。もちろん伊藤澄信委員のコホート調査に対する御質問でも結構でございます。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 どこでお話ししようかと思っていましたので、このタイミングで失礼いたします。小児への接種についてです。5歳から11歳の小児への接種は始まっていまして、資料1-8の24ページで、事務局から5歳から11歳の副反応疑い報告頻度は12歳から15歳よりも低かったという海外の情報を御紹介いただいたのですけれども、幼児が含まれていますので、発熱の頻度が高いワクチンであることも考えて、発熱に伴う熱性けいれんのようなものも年齢によっては注意していただく必要があると思いました。
もう一つ、これは私も最近まで知らなかったのですけれども、2月21日付の文部科学省、内閣府、厚生労働省からの事務連絡として、新型コロナワクチンの接種後に例えば発熱、風邪のような症状が見られるなど、副反応であるかにかかわらず校長先生の判断で出席停止にすることができる、いわゆる欠席扱いにならないですよという事務連絡が出ていることを御理解いただいて、体調が悪いのに無理して学校に行かないといけないということがないように情報を広く提供していただけたらいいなと思いました。
以上2点です。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局でコメントはございますでしょうか。体調が不良のときには無理して学校に行かなくていいですよ、欠席扱いになりませんよみたいものがホームページ等で出るなど、いかがでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
御指摘の点につきましては、事務連絡に加えましてQAでも記載してございます。この部会でも委員の先生からお話を御紹介いただきましたので、該当する皆様におかれましても、御了知いただければと考えてございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 今日の内容と少し別かもしれないのですけれども、先ほど小児と森尾先生も言われていましたが、小児というのは恐らく11歳以下の話ですね。それでよろしいのですね。それと別に、先ほど舟越委員からもそれに関する話があったのですけれども、今、12歳から17歳までは追加接種が承認されていない状況です。今の第6波の感染状況をアドバイザリーボードの資料などを見ると、10代以下ですね。もちろん10歳未満も多いのですけれども、10代も結構いらっしゃるようなのですが、この追加接種を進めていく必要があると思います。こちらの部会ではなくて本会のほうになるかと思うのですが、今、動きはどうなっているのでしょうか。12歳から17歳の追加接種です。
○森尾座長 局長、お願いします。
○医薬・生活衛生局長 初めまして、医薬・生活衛生局長でございます。
御指摘の点、昨日アナウンスしたのですが、来週の薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会で御審議いただくこととなっております。審議次第でございますが、それで認められればそのような形で進むと考えてございます。よろしくお願いします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
話が少しそれてしまうのですが、資料1-8の32ページから34ページなのですが、性差と年齢、各層別の部分で、今までも話をしましたが、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの年齢の10歳から14歳のところ、どうしても5歳から11歳が3月からスタートして、12歳から17歳は先ほど局長もお話をされていましたが、3月11日に事務連絡が、各自治体に4月から承認される予定なので準備することという通知が来ておりまして、5歳から11歳が小児用のファイザー社製品の用量が違うものになっているのと、12歳から17歳はもともとのワクチンになると思いますけれども、ここはわざわざワクチンというものの種類が違うところで分ける必要があるかどうかを今後議論といいますか、確認いただきたいなと思っています。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
事務局でもその部分は検討しておりますけれども、コミナティの小児用製剤と通常の製剤は用法用量が異なる部分がありますので、年齢というよりは製剤による分類のほうがいいかなと思っておりました。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
ちなみに御指摘いただきましたこちらの表でございますけれども、現状におきましては2月20日時点の数値ということでございまして、5歳から11歳の小児のワクチン接種についてはこの2月20日時点より後に行われてございます。ですから、この表の数値につきまして、現状でお示ししているのは基本的には12歳以上の情報となっております。なお、一部3回目接種の10歳以上の欄に数値が入ってしまっておりますが、これはVRSにそのように登録されていたそのままをお示ししており、こちらは必ずしも追加接種が行われたわけではないと承知しております。
今後の方針につきましては、分母の数値については、分子と同じように、小児用ワクチンとして何回接種されたのかというところを取得することによって、小児用ワクチンの分母及び小児用ワクチンの分子というところでその頻度について御評価いただけるようにしてまいりたいと準備しているところでございます。
以上でございます。
○舟越委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
そのほか、御質問、御意見はいかがでしょうか。
伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
先ほど交互接種のことで、交互接種の場合にも死亡事例については特に多いということはなかったという御説明があったかと思うのですけれども、アナフィラキシーや心筋炎・心膜炎などのほかの副反応に関してもそういった解析をされていますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 他の症状に関しまして、現時点で数的な評価まで行っているわけではありませんが、症状を見る限り何か特殊なものが出ているわけではないとは考えております。
○伊藤(清)委員 今後そのような統計的な解析もしていただけるのでしょうか。
○事務局 状況によりけりかなと思っておりまして、まだ件数が少ないので、現時点ではリストでお示ししている状況です。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。活発な御議論を頂戴いたしました。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。少し長くなりますが、御一緒ください。
これまで確認されました内容としては、まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますけれども、1、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告について、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、3回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。1点目でございます。
2点目、なお、3回目接種後の安全性については、副反応疑い事例の報告状況やコホート調査の結果を踏まえると、現時点では重大な懸念は認められないが、接種が進んでいる状況を踏まえつつ、引き続き国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられるとまとめさせていただきました。
2番目、死亡事例についてであります。その中の1、次に、死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに48件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,430例については、9件がβ、その他の事例はγと評価されました。また、2月21日から3月4日までにはさらに41件の報告がありました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに15件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された82件については、1件がβ、その他の事例はγとされました。また、2月21日から3月4日までにはさらに17件の報告がありました。
バキスゼブリアについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新規の事例の報告はありませんでした。
死亡事例の報告に関しては、現時点においては3回目接種後の事例、交互接種の事例、ロット別の報告状況も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えるとまとめさせていただきました。
小児接種でございます。コミナティ筋注小児用については、3月11日までに2件の非重篤な副反応疑い事例の報告がありました。
現時点ではワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないが、小児の接種状況も踏まえつつ、引き続き国内外の報告状況を注視していく必要があると考えられます。
小児接種における副反応疑い報告事例の公表方針につきましては、評価とともに情報を発信していく必要があるという観点から、個別事例の発生時の公表は行わず、まずは本合同部会において評価を行い、その評価結果とともに、会議資料として副反応事例を公表していくこととする。
ただし、小児の副反応疑い事例については、事務局においてよく報告状況を注視し、必要時には本合同部会を緊急的に開催するとまとめさせていただきました。
そして、遷延する症状についてでございます。こちらは深く御議論いただきました。まとめさせていただきますと、遷延する症状については、これまでに疑い事例の報告はあるものの、現状においては、これまでにワクチン接種が原因と判断されたものはない。一方、議論いただきましたが、定義が難しいということから、副反応疑い報告の内容について、報告件数などのさらなる精査は難しい状況にあります。
つきましては、ワクチン接種後に現に遷延する症状を訴えられる方がいらっしゃる可能性を想定し、症状とワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、受診を希望される方が必要な医療機関を受診できるよう、改めて相談窓口と専門的な医療機関に関する体制等について確認をするとともに、必要に応じて体制の見直し、例えば新規医療機関の追加や個々の医療機関の役割の見直しなどを検討するよう依頼する旨の通知を、都道府県に対して今後速やかに発出することとするということでございます。
このような形でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと認識いたしました。
以上、今回報告のありました具体的な事例を踏まえ、3種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたらお願いいたします。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性に重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。お認めいただいたとさせていただきます。
そのほか、全体を通じて何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
本日の議事は以上で終了でございます。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
活発な御議論をどうもありがとうございました。