2024年12月24日(火) 10:00 ~ 10:14
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣
(大臣から)担い手不足が深刻な船員の確保・育成策のとりまとめについて
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
担い手不足が深刻な船員の確保・育成策のとりまとめについてです。
近年、我が国の社会経済を支える海上輸送の担い手である船員の不足が深刻化しています。
海上での労働という船員特有の職場環境や、海技資格の取得に所要の教育と期間が必要であること等を踏まえると、陸上とは異なる視点での対策を早急に講じていくことが必要です。
国土交通省では、本年4月以降、学識経験者等からなる検討会を立ち上げ、船員を将来にわたって安定的に確保・育成していく方策について、御議論いただいてまいりました。
この度、検討会において、船員の養成ルートの強化、陸上からの転職者を念頭に置いた養成の間口の拡充、我が国の船員養成の中核を担う独立行政法人海技教育機構の基盤の強化等の方向性がとりまとめられました。
今後は、海事関係者や関係省庁とも連携をしながら、方策の具体化に向けた取組を進めてまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。私からは以上です。
(記者)
北陸新幹線の大阪延伸について伺います。
与党は先日、年内のルート選定を見送りまして、2025年度の着工が難しい状況になっていますが、こちらの受け止めをお願いします。
京都府、京都市や大阪など、地元からは環境面ですとか財政面の懸念が示されています。
着工に向けてどのように対応していくかも併せてお願いします。
(大臣)
北陸新幹線(敦賀-新大阪間)については、昨日(23日)、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が開催され、北陸新幹線整備委員会から、同PTに対して、京都市内の駅位置・ルートについて、南北案、桂川案のいずれかとすること、京都府、京都市をはじめとした地元関係者等の懸念や不安を払拭するため最善を尽くすこと、先行的・集中的に行ってきた調査の深度化を図ること、安定的な財源の確保・費用対効果のあり方等について検討を速やかに行うことなどを内容とする中間報告がなされたと承知しています。
国土交通省としては、一日も早い全線開業に向けて、今般の与党における御議論や、沿線自治体等から頂いた御意見・御要望も踏まえながら、沿線自治体の皆さまの御理解を得られるよう、鉄道・運輸機構とともに、丁寧かつ着実に取り組んでいきたいと思います。
(記者)
昨日ですが、ホンダと日産の経営統合の協議の関係で正式に発表がありました。
その前に午前中に、2社あるいは3社のトップが国土交通省を訪れて、報告にも来ていると思いますが、まずその報告の内容がどういったものだったのかという点を伺いたいのと、もう1点、昨日の3社による会見発表を踏まえまして、国土交通省として、大臣としてはこれをどう受け止めていらっしゃるか、お聞かせください。
(大臣)
経営統合に向けた協議入りの発表の受け止めについてですが、昨日(23日)、ホンダと日産自動車が、経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結したものと承知しています。
国土交通大臣として、民間企業の経営判断ですので、これに関してコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、国土交通省としては、引き続き、我が国自動車業界と連携し、自動運転や電気自動車を含め、自動車がより良い未来に貢献できるよう努めていきたいと思っています。
事前にどういう報告を受けたかということですが、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結することについては報告を受けていますが、個々の企業とのやりとりですので、いつどのような形で報告を受けたかということについて申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
(記者)
JR九州高速船の運航不正の件に関して、親会社のJR九州が昨日、再び浸水が起きないように船体を補強するのは困難と判断して、運航再開を断念し、30年以上続けてきた日韓航路事業からの撤退を発表しました。
これまで問題を巡って、国土交通省は2度にわたって行政処分を出すなど監督指導を行われてきました。
今回のJR九州の判断に対する大臣の受け止めと、国土交通省としての今後の対応についてお伺いします。
また今回の日韓航路の事業撤退が観光面に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
御指摘の発表については承知しています。
本件のように本邦と海外を結ぶ定期旅客航路事業は、海上運送法では届出手続きによることになっており、事業を継続・廃止するかどうかについては、事業者の判断によるものであると認識しています。
その上で、本航路については1991年の開設以来、日韓の旅客輸送手段に多様な選択肢を提供するという観点で、一定の役割を果たしてこられたと認識しています。
昨年来、JR九州高速船において船舶の運航の安全に関わる重大な問題が続けて発生したことは誠に遺憾ですが、同社において運航再開に向けて安全確保に努めていると聞いていましたので、本航路の廃止を決定されたことは残念に思っています。
日韓の旅客輸送には他の旅客船や航空便の手段もあり、その全体の規模を踏まえれば、事業廃止により日韓の交流に大きな影響が生じるとは考えていませんが、日韓の交流は大変重要ですので、引き続き、両国間の交流が促進されるよう努めていきたいと考えています。
(記者)
先ほどのホンダ・日産の件ですが、これが仮に統合した場合、日本の自動車メーカーグループというのはトヨタグループと実際ホンダグループの2つに別れるわけですけど、統合の背景にあるのが中国とかテスラとかそういう新興メーカーに、日本の自動車産業もやられているという感じもあると思うのですが、その辺の背景も含めてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)
もちろん御指摘のとおり自動車産業というのは大変大きな変革期にある、特に自動運転ですとか、電気自動車等々、CASEなどと言われていますけれども、そういう時期にきているということは私も認識しています。
先ほど申し上げたとおり、国土交通省としては、しっかり自動車業界と連携し、こうした自動運転等の新しい動きについてはしっかりと対応していきたいと思っていますが、いずれにしても、個別の企業の経営判断については、私からはコメントは差し控えたいと思います。
しかし、我が国の企業がこうした変化に対応していくこと、そして国際競争に勝ち抜いていくことは、非常に大事だと思います。
こうした取組をしっかりとしていただくことを期待しているところです。