悔しさを原動力に変えてきた。楽天ドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)が25日、新人合同自主トレに参加。

前日には3月18日に甲子園で開幕する第97回センバツ高校野球大会の出場32校が発表された。母校の広陵(広島)は聖地に届かなかったが、自身が高校2年だった19年春に出場し、当時は2回戦で敗退。2試合で1安打に終わったが、明大進学後は東京6大学リーグで歴代7位の118安打を放つヒットメーカーに成長した。1年目のキャンプインに向けて仕上がりは順調。聖地での苦い記憶を、プロで鮮やかに塗り替える。

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宗山が春の聖地の記憶を回顧した。甲子園での失意が、アマチュアNO・1遊撃手へと成り上がった原点でもある。前日24日、今年のセンバツ出場校が発表された。「中継は追っていないですけど、出場校一覧は見ました」。広陵の一員として、2年時の19年大会に出場。「自分も1回だけ1つ上の代でセンバツは出させてもらった。その時は思い出すというか、懐かしいような気持ちにはなる」。6年前を思い返した。

1回戦の八戸学院光星戦(青森)に「5番遊撃」でスタメン出場。甲子園初安打を放ち、チームも2-0で勝利した。しかし、2回戦では楽天ドラフト5位の吉納翼外野手(22=早大)を擁する東邦(愛知)に2-12で大敗。「甲子園全体で何もできなかったというのはあった。その悔しさがそこからにつながったと思うし、いい糧になった」。同大会は7打数1安打、2失策で幕を閉じた。

聖地の苦い記憶を払拭する。「全然、悪い思い出の方が多い。プロの世界で、また甲子園でプレーする機会があったら、もっといい結果に変えられたら」。今季、甲子園でプレーするとしたら日本シリーズ進出時に限られる。これからのプロ生活を通し、いい思い出に塗り替えていく。

キャンプインまで残りわずか。この日は打撃練習や併殺プレーを確認するなど軽快に動いた。1日のオフをはさみ、新人合同自主トレは27日から最終クールに入るが「いい感じに練習メニューもしっかりこなせてますし、体もだんだん仕上がってきてる」と順調だ。

2月1日を心待ちにする。「しっかりグラウンドで練習できるのが待ち遠しい。本当にレベルの高いところでこれから野球をさせてもらうので、いろいろ学べたら」。高校球児のように、はつらつと-。沖縄の青空の下、まもなく宗山が華麗に舞う。【山田愛斗】

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