ケンタッキーダービーの出禁が、やっと解けたボブ・バファート厩舎の不敗馬バーンズ(牡3、父イントゥミスチーフ)が5月3日(土曜)に行われるG1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)の前売りで実質的な1番人気に躍り出ました。
4日のG2サンヴィセンテS(ダート1400メートル、サンタアニタ)を5馬身半差で圧勝したバーンズは、父が6年連続で米種牡馬の頂点に立つイントゥミスチーフ、祖母の兄弟に輸入種牡馬のマジェスティックウォリアー(NAR年度代表馬ライトウォーリア、東京ダービー優勝のラムジェットなどの父)を持つ良血で、昨年夏の1歳馬セールで320万ドル(約4億9600万円)という高値で、ゼダンレーシングに落札されました。
ダービーの舞台となるチャーチルダウンズ競馬場で迎えた昨年11月のデビュー戦(ダート1100メートル)はM・ガルシア騎手が直線でむちを入れ通しのタフなレースで頭差の辛勝となりましたが、2戦目は2番手から早めに抜け出して楽勝。この世代で傑出した能力をアピールし、19日に締め切られた第3回のダービー前売りでは、この時期としては異例の単勝7倍(1番人気はその他の馬の5倍)のオッズがつけられました。
3冠馬のアメリカンファラオやジャスティファイを筆頭に、これまで6頭ものケンタッキーダービー馬を送るバファート調教師は、禁止薬物使用の疑いで22年から3年間にわたって大舞台に立つことが許されませんでしたが、昨年7月にペナルティー期間が終了。バファート厩舎の番頭的存在で馬名の由来となったジミー・バーンズ調教助手や、騒ぎの発端となったメディーナスピリット(21年のケンタッキーダービーで1位入線後に失格)を所有したゼダンレーシングとともに心機一転の戦いに挑みます。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)