Songs Of A Lost World

The Cure

発売日 : 2024/11/01 レーベル: Polydor Records
メインアーティスト : ザ・キュアー
ジャンル：オルタナティヴ＆インディー

提供スペック

24-Bit/96 kHz ステレオ

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ザ・キュアーの新しいアルバムがリリースされるまでに16年がかかった。その間にフロントマンのロバート・スミスは50代、60代を経て、現在65歳を迎え、年齢と共に訪れる心の痛みと向き合っている。そして、「私の疲れ果てた年齢との踊りと諦念が、暗く空虚なステージに向かってゆっくりと進む」というような歌詞を書く境地に彼は辿り着いた。『Songs Of The Lost World』には、そうした壮大で劇的な雰囲気が適しているのだろう。このアルバムは、何度もの録音を廃棄した末にようやく完成したものである。「Alone」という曲では、「家に帰るための壊れた声の嘆き／これは私たちが一人で歌うすべての歌の終わりだ」と歌っている。この曲は豊かで宇宙的なスローテンポのナンバーで、ピンク・フロイドや80年代のニューロマンティックを思わせるような雰囲気が漂う。スミスはこの曲を、死の必然性について書かれたアーネスト・ダウソンの詩「Dregs」と結びつけている。「Warsong」では、ダークなアコーディオンのイントロやアイリッシュ風の弦楽器、悲鳴のように響くギターが、血に宿る毒や痛み、壊れた夢に言及している。だがこれはただのゴシックな詩ではない。スミス自身がそれを生きている。「何か邪悪なものがやってきて、私の兄の命を奪い去ろうとしている」と、亡き兄について歌う「I Can Never Say Goodbye」は、心が締め付けられる一曲だ。だが、ここには意外な要素も存在する。雨の日のピアノはゆったりとしたグルーヴと一体化し、スロージャムのような雰囲気を作り出している。「All I Ever Am」では、80年代のアダルト・コンテンポラリー・ラジオを思わせるようなドラムの響きがあり、懐かしさを感じさせるメロディにスミスが時折現れ、主役というよりは共演者のように歌う。そして、予想以上にスミスのボーカルは控えめで、歌い出すまでに6分以上かかることもある。しかし、バンドの演奏がその分を補っている。「A Fragile Thing」ではジェイソン・クーパーのシンバルがウインドチャイムのように鳴り響き、ゴシック・ジャズのような深い世界が展開される。「Drone:Nodrone 」では、インダストリアル調のギターとサイモン・ギャラップの重くファンキーなベースラインと、鋭いシンセサウンドが交錯する。「And Nothing Is Forever」は、ピアノと弦楽が切なく丸みを帯びたサウンドを作り出し、そこに鋭いギターが突き抜け、スネアが波のように押し寄せる。「最後まで一緒にいてくれると約束してくれ」とスミスが歌うそのメロディは、まさにクラシックなキュアーの一節である。アルバムの最後を飾る「Endsong」は、ムーディな行進曲で、スミスは「どうしてこんなに年を取ってしまったのか」と暗闇で独りつぶやく。ポップミュージックのペースに乗ることを拒むような陰鬱なグルーヴに浸り、ギターがその苦しみを表現する。「すべては消えてしまった」と彼は最後に嘆く。キーボーディストのロジャー・オドネルは、これを「最も激しく、最も悲しく、最もドラマチックで感情的な作品にしたかった」と語っており、その目標は見事に達成されている。© Shelly Ridenour/Qobuz

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Songs Of A Lost World

ザ・キュアー

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Alone