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情報・システム研究機構シンポジウム2018 [SDGsに向けた新しい取り組み~データサイエンスによる日本からの貢献~、2019年2月8日(金)、東京大学 伊藤謝恩ホール、主催:情報・システム研究機構]

新着情報

2019.01.07
情報・システム研究機構シンポジウム2018 ホームページを開設いたしました
2019.02.08
200名以上の皆さまにご参加いただき、シンポジウムを終了いたしました。

概 要

近年は国内において自然災害が多く、また地球レベルでも異常気象の報告が続いています。そのような環境の中で、一人一人が輝きながら社会を持続的に発展させていくには、英知を集めエビデンスにもとづき意志決定していくことが鍵となります。この難問に、本機構もデータサイエンスの推進をとおして取り組んでいます。本年度の機構シンポジウム「情報とシステム2018」は、こうした取り組みを広く一般の皆さまに共有することを目的として開催いたします。

本シンポジウムでは、データサイエンスの最先端研究に取り組む本機構研究者に加え、本機構との分野融合研究が進む国文学研究資料館のロバート・キャンベル館長にもご講演いただきます。高校生、大学生を始め、産官学関係者ならびに、広く一般の皆さまのご参加をお待ちしております。

プログラム

13:00-19:00 ポスター展示 会場:多目的スペース

15:00-19:00 講演会 会場:伊藤謝恩ホール

司会:柳瀬 博一
(東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授)

第1部 15:00-17:00

15:00-15:10 開会挨拶

藤井 良一
(情報・システム研究機構機構長)

15:10-15:15 来賓挨拶

15:15-16:00 招待講演
”Apples and Oranges” 混ぜたら何ができる?
~異分野融合でさらなる発展を~

顔写真

ロバート・キャンベル
(人間文化研究機構 国文学研究資料館 館長)

16:00-16:30 講演1
世界最北のエンジニアの現場のお話
~極域研究を救うデータサイエンス~

顔写真

照井 健志
(情報・システム研究機構 国立極地研究所 特任研究員)

国立極地研究所では、北極域における研究データの共有と利用を推進するため「北極域データアーカイブシステム(ADS)」を運用しています。極域の研究現場は、気象条件が厳しいだけではなくインフラも限られているため、研究者が観測データを回収するだけでも大掛かりな準備が必要となります。また各研究現場にADSから気象データを届けるのも難しく、データを送受信するだけでも極域特有の技術開発が必要です。このような課題を解決するためにADSでは現場の研究者と協力しながら、新たな研究開発に取り組んでいます。

本講演では、ADSのデータサイエンスがどのように役立てられているのか、ノルウェーの国際観測村、ニーオルスン基地や北極海航海における最新の研究開発を例に紹介します。

16:30-17:00 講演2
日本DNAデータバンク・これまでの30年とこれから
〜国際連携による巨大生命情報基盤へのデータ集約とそれにまつわる諸問題〜

顔写真

中村 保一
(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授)

SDGsの17の国際目標の中でも、貧困や飢餓、保健、水・衛生、エネルギー、海洋資源などの目標の達成には、生命の源である遺伝子の研究も大きく貢献することができます。

富士山のふもと、静岡県三島市にある国立遺伝学研究所・DDBJセンターでは、1987年に最初のデータ公開をして以来、欧米との国際協調体制のもとで日本 DNA データバンク (DNA Data Bank of Japan; DDBJ) 事業による DNA 塩基配列情報のデータベースの構築と公開を30年以上続けています。現在、解析情報を含む古典的な DNA 配列データベースとしては4兆塩基を超え、2008年に立ち上げた新しい次世代型高速シーケンサの配列専用データベースの容量は8千6百兆 (!) 塩基を超えています。蓄積するデータは減ることなく増え続けていきます。

本講演では、私達が提供しているデータやその解析用に導入し提供しているスーパーコンピュータシステムを紹介するとともに、国内外で直面している諸問題についてもお話します。

17:00-17:15 休憩

第2部 17:15-19:00

17:15-17:45 講演3
森林保護は統計数理学の技でもっとスマートに!
~統計数理モデリングによる持続的資源管理の探求~

顔写真

吉本 敦
(情報・システム研究機構 統計数理研究所 教授)

森林の伐採箇所や森林内の野生動物の保護地などを設置することは、「森林のランドスケープ管理」と呼ばれ、景観のみならず、生物多様性の保全や野生動物の生息地の形成に重要な役割を果たしています。

近年特に懸念されているのが、生産効率性を追求した造林や伐採などによる生物多様性への影響や野生動物の消滅です。そうした問題を解決するためには、森林の植生や野生動物の生息状況などの実態を加味しつつ、森林のランドスケープ管理ができるような意思決定のプロセスを科学技術的な方法で支援する必要があります。

今回の講演では、さまざまな現象を数式で表す「統計数理モデリング」という方法を利用して、野生動物の生息地・生息地間をつなげる「移動経路(コリドー)」などを、森林資源の管理と共存させながら効果的かつ効率的に形成させるための研究についてお話しします。

17:45-18:15 講演4
あなたが持つモノはクリーンな世界から来ているのか?
~持続可能なグローバルサプライチェーン構築に向けた情報学の取り組み~

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水野 貴之
(情報・システム研究機構 国立情報学研究所 准教授)

たとえば、一部のスマートフォンは、複数の下請けや商社を通じて、アフリカで採掘された原材料が南アメリカで加工され、それを使った部品で中国で製品として組み立てられ、日本で販売されるという、複雑でグローバルな経路をたどって生産されています。メーカーは、部品がどこから来たのか見当もつかず、環境破壊、児童労働、詐欺が疑われるような企業を通過していないという証明もできません。生産活動を長期的に維持するためには、こうした企業の改善や排除が必要です。

このような社会的な要請に応えるための研究例として、本講演では、ブロックチェーンを使ってダイヤモンドの流通過程を透明化する取り組みについてお話しします。さらに、各メーカーの社会的責任を定量化するため、企業間の取引情報とメディア報道情報を利用してネットワーク分析を行う研究についても紹介します。

18:15-18:45 講演5
史料が語るいにしえの気候
~歴史ビッグデータ:過去の記録の統合解析を目指して~

顔写真

市野 美夏
(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 特任研究員)

古来、日照りや長雨などといった異常天候は、飢饉などにもつながると考えられ、こうした気候変動に人間社会がどう適応してきたかを知ることは、将来の適応策を練る上でも重要な知見となりえます。そこで、日本全国に数多く残っている古い時代の日々の天気の記録を使って当時の気候(古気候)を復元する研究が進められてきました。

一方で、歴史資料を読み解き、利用するためには、多くの困難があります。そこで、「歴史ビッグデータプロジェクト」では、古文書などに記録された天気、災害、季節変化、収穫量や米価などのさまざまな情報を、現代のビッグデータと同じように利用するための技術開発や情報基盤の整備、情報共有のためのコミュニティの構築を進めています。

本講演では、古気候を復元する研究の最新の取り組みを紹介するとともに、始まったばかりの歴史ビッグデータプロジェクトの取り組みにも触れます。

18:45-19:00 閉会挨拶

参加申込方法

応募締切:2019年26日 (水)

参加申込登録はこちらから

お問い合わせ先

情報・システム研究機構本部広報室

TEL:03-6402-6228
E-mail:roissympo@rois.ac.jp

会場アクセス

アクセスマップ

東京大学 伊藤謝恩ホール

東京都文京区本郷7-3-1 東京大学 伊藤国際学術研究センター内

東京大学 伊藤国際学術研究センターへのアクセス

本郷三丁目駅(地下鉄丸の内線) 徒歩8分
本郷三丁目駅(地下鉄大江戸線) 徒歩6分
湯島駅または根津駅(地下鉄千代田線) 徒歩15分
https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/iirc/ja/hall.html

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