後藤茂之厚生労働相は24日の記者会見で、保育士による園児へのわいせつ行為を防ぐため、登録を取り消された保育士について、刑の執行後に最大10年、再登録を禁止する方針を明らかにした。来年の通常国会に児童福祉法改正案の提出を目指すとしている。
児童福祉法では、資格を取得し、都道府県に登録することで保育士として勤務できると定めている。禁錮以上の刑や児童買春・児童ポルノ禁止法など児童福祉に関連する法律で罰金刑が確定すると登録が取り消されるが、現行制度では刑の執行終了から2年経過後に再登録できる。
厚労省は再登録の厳格化に向け、24日の有識者検討会で禁止期間の延長などについて取りまとめの素案を提示。厚労省によると、禁錮刑以上の場合には刑の執行後、10年は再登録できないよう改める。罰金刑の場合の再登録禁止期間は3年とする方針だという。
素案では、わいせつ事案の刑事事件化が見送られた場合への対応として、登録取り消し事由に「児童へのわいせつ行為」も追加した。禁止期間は3年にする見通し。また、再登録を制限するための審査制度などを導入する。
厚労省の調査によると、平成15~令和2年にわいせつ行為で登録の取り消しを受けた保育士は男性61人、女性3人の計64人。子供へのわいせつ行為をめぐっては、学校現場での教員による児童生徒への被害を防止するための新法が5月に成立している。