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赤字ローカル線「公共交通の役割果たせていない」 JR西日本社長

記者会見するJR西日本の長谷川一明社長=15日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)
記者会見するJR西日本の長谷川一明社長=15日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)

JR西日本の長谷川一明社長は15日の定例会見で、利用者が極めて少ない赤字ローカル線について「公共輸送機関として十分な役割を果たせていない」と述べ、沿線自治体と公共交通のあり方に関する議論を進める考えを改めて示した。ただ、今春に維持が困難な路線の沿線自治体に議論の場を設定するよう要請したが、本格的な協議に至っていないことも明かした。

同社は4月、1キロあたりの1日の平均乗客数(輸送密度)が、新型コロナウイルス感染拡大前の令和元年度に2千人未満だったローカル線の区間別収支を公表。路線維持が困難になっている17路線30区間の全ての沿線自治体に対し、前提条件を置かずに地域公共交通のあり方を議論する場を設けるよう要請している。

会見で長谷川氏は「利用者が今後も少なくなる中で地域公共交通の役割を果たしていることになるのか、ということを問題にしている」と強調。「非効率的な仕組みを続けることが社会経済的に意味があるのかということも含め、(沿線自治体と)相談させてもらいたい」と訴えた。

ただ、どの自治体とも本格的な協議に至っていないとし、「鉄道利用促進の協議会などはあるが、地域公共交通のあり方について真正面からの議論が進捗している線区はない」とした。国の検討会が7月、利用者の少ないローカル線について国主導で地域協議会を設ける提言をまとめたことに関しては、「新しい議論の場のつくり方が示された」と期待をかけた。

一方、長谷川氏は安倍晋三元首相の国葬の案内状が届いたことを明かし、「(個人ではなく)社長として参列させていただく」とした。(井上浩平)

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