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共産党員が異例の集団会見 執行部に除名撤回やハラスメント対策を要求

集団記者会見を行う共産党員ら=11日午後、東京都千代田区(春名中撮影)
集団記者会見を行う共産党員ら=11日午後、東京都千代田区(春名中撮影)

「最高機関」と位置付ける党大会を目前に控えた共産党の現役党員ら7人が11日、東京都内で記者会見を開き、党員除名の撤回やハラスメント対策などを求めた。共産では上意下達を可能にすると批判される民主集中制が重んじられ、党員同士の横の連携も「分派活動」と見なされかねない。一般党員が公の場で執行部に意見具申することは極めて異例だ。

7人は40~70代の男女で、6人が現役党員。党指導部の追及を避ける必要があるとして身元判明につながるような写真撮影などには応じなかった。

ある男性は、著書で党首公選制導入を訴えたジャーナリストの松竹伸幸氏の除名撤回を要求。「死刑宣告に等しい。共産と社会の断絶につながるのではないかと危惧している。少数派への抑圧ではないか。除名はやり過ぎだ」と述べた。

ある女性も松竹氏らへの処分が調査と時間を置かずに決まったと主張し、党大会での再審査を要求した。「むちゃくちゃな除名の仕方は一般党員に恐怖を与える。国民からの信頼も得られない。スターリンと同じではないかといわれてもしようがないような過程はよくない」と語った。

また、「私は機関紙『しんぶん赤旗』も配達しているし、(党に)お金も払っている。誠実に活動してきたのに松竹処分に批判を持ったということだけで『反党分子』呼ばわりされるのは解せない」とも述べた。

別の女性は党内でハラスメントが横行していると訴えた。「被害者を泣き寝入りさせることが常態化している現状に危機感を感じる。ジェンダー平等、ハラスメント根絶を掲げた党に期待している多くの市民への欺瞞であり、裏切りだ。公党として人権意識のアップデートを求める」と要求した。(内藤慎二)

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