京都市左京区に本部を置く指定暴力団会津小鉄会が9月30日、トップである会長を交代したことが捜査関係者らへの取材でわかった。同日に「継承盃(けいしょうさかずき)」の式典を行い、8代目会長には、特定抗争指定暴力団山口組直系「淡海(おうみ)一家」(大津市)の高山義友希(よしゆき)(通称・誠賢)総長が就任した。関係者によると、山口組の直系組長が他の組織のトップに転出する例は初めてとみられ、警察当局は情勢を注視している。
式典には、山口組の中核組織「弘道会」の竹内照明会長や指定暴力団稲川会(東京・港区)の内堀和也会長も出席。京都府警を始め、兵庫県警、警視庁などの捜査員ら約30人が情報収集や警戒に当たった。
捜査関係者によると、高山氏とともに淡海一家も山口組の直系組織から外れ、会津小鉄会の傘下となるとみられる。警察当局が確認を進め、正式に認定されれば官報で会津小鉄会の代表者の交代などが公示される。
会津小鉄会は幕末、会津藩に出入りしていた俠客、上坂仙吉が京都で博徒を集めてできたのが由来とされる。平成4年に初めて指定暴力団となり、約1600人の構成員がいたが、現在は約40人(令和5年末)まで減少。一時、山口組と特定抗争指定暴力団神戸山口組との対立抗争を背景に分裂状態となったが、3年ごろに一本化した。