大阪府知事・市長のダブル選で、知事選の告示を21日に控え、立候補を表明している吉村洋文・大阪市長(大阪維新の会政調会長)と元同府副知事の小西禎一(ただかず)氏が15日、大阪市内で初めて対面して討論会を行い、主要な争点になる大阪都構想の是非を軸に激論を交わした。
小西氏は、維新を率いる松井一郎知事が1期目の平成24年に副知事に就任し、都構想を担当していた。手続きや議論の経緯にも詳しく、そのうえで大阪市を廃止して特別区に再編する都構想については「終焉させるべきだ」との立場だ。
この日の討論会では前回の住民投票で否決され、住民の意思は示されているとして「次の展開を図るべきだ。市を解体し、権限を府に移すのは地方分権の流れに反する」と批判した。
一方の吉村氏は「府市の二重行政が大阪の成長を阻害してきた。東京一極集中ではなく大阪の本来ある力を発揮するのが都構想だ」と必要性を強調した。
2人のいずれかが知事となり、市長選を反対陣営が制した場合に質問が及ぶと、吉村市長は「知事市長がねじれたら都構想に再挑戦はできないし、あきらめることになる」と明言。小西氏は都構想断念は当然だとした上で「府市が本来あるべき姿に戻って、新しい関係を構築していく」と述べた。
討論会は日本青年会議所近畿地区大阪ブロック協議会が主催。17日夕以降、動画がネット配信される。