3,000人以上を指導してきた中学受験のプロだからわかった!
中学受験は、子どもにとって人生の一大イベントであると同時に、親にとっても大きな挑戦です。親がどのように関わるかによって、子どもの経験や成長の仕方が大きく変わることは、多くの方が実感していることでしょう。本書では、中学受験を単なる試験突破の手段として捉えるのではなく、親子で共に成長し、豊かな人生を築くためのプロセスと考える視点を提供します。
中学受験は、子どもにとって人生の一大イベントであると同時に、親にとっても大きな挑戦です。親がどのように関わるかによって、子どもの経験や成長の仕方が大きく変わることは、多くの方が実感していることでしょう。本書では、中学受験を単なる試験突破の手段として捉えるのではなく、親子で共に成長し、豊かな人生を築くためのプロセスと考える視点を提供します。
中学受験には、大きく分けて二つの道があります。ひとつは、親子が互いに支え合いながら成長を実感できるwell-being 中学受験。もうひとつは、プレッシャーや不安に押しつぶされるhell-being 中学受験です。本書では、読者の皆さんが前者を選び取るお手伝いをしたいと考えています。
hell-being 中学受験では、親が不安に駆られ、過剰な期待を子どもに押し付けることで、親子関係がぎくしゃくし、子どもは学ぶ楽しさを見失ってしまうことがあります。過剰なストレスから体調を崩す子どももいれば、自己肯定感を失い、次第に意欲が低下してしまうケースも少なくありません。そして、たとえ目標校に合格したとしても、結果的に子どもの心に深い傷が残る場合もあるのです。
さらに、受験業界そのものが持つ「引力」にも注意が必要です。過剰に競争をあおる広告、過剰な情報提供、そしてSNS上の他者との比較――これらは親の不安をあおり、「これをしなければ成功しない」という思い込みを生み出します。その結果、多くの家庭が知らず知らずのうちに、hell-being 中学受験の道を歩んでしまうことがあります。本書では、この「引力」から自分たちを守るための視点や方法もお伝えします。
一方で、well-being 中学受験を選ぶと、親子が協力しながら目標に向かう過程が大切な思い出となります。子どもは勉強を通じて主体性や達成感を得るだけでなく、親からの適切なサポートによって自信を深めることができます。たとえ結果が思い通りにならなかったとしても、親子で取り組んだプロセスが確かな成長と絆をもたらし、次の挑戦への活力となるのです。
本書は、読者の皆さんがwell-being 中学受験を実現するための具体的な道筋を提示します。
中学受験は、親子にとって単なる試験準備の時間ではありません。このプロセスを通じて、お互いの理解を深め、家族としての絆を強める機会です。忙しい毎日の中で、ふと立ち止まり、子どもや家族と共に歩む道のりを見つめ直すきっかけになればと思います。
本書が、受験を通じて得られるかけがえのない経験をより豊かなものにする一助となれば幸いです。ぜひ、気軽にページをめくりながら、自分たちのペースで読み進めてください。
2025年1月 菊地洋匡
■第1章中学受験の「ウワサ」を斬る!
1-1中学受験は親の頑張り次第で結果が決まる?
1-2中学受験はどれだけ「課金」できるかが勝負?
1-3中学受験の準備は早ければ早いほどいい?
1-4子どもがつまずいたら親が教えたほうがいい?
1-5出題頻度が低い問題は捨てる?
1-6入試に頻出する本はあらかじめ読んでおくべき?
■第2章中学受験を通じて「どうなりたい」ですか?
2-1中学受験を通じて、お子さんにどうなってもらいたいですか?
2-2わが子が中学受験に向いているかわからない
2-3中学受験は親の「向き/不向き」が顕著に出る
2-4父親が中学受験に「非協力的」で困っている……
2-5中学受験の「最悪のシナリオ」は何か?
2-6中学受験がいい? 高校受験がいい?
2-7偏差値を上げるにはどうすればいいの?
2-8中学受験をテーマにした小説を読んだほうがいい?
Column1中学受験体験記①~第三希望校に入る価値はあるか?
■第3章学校選びの視点・方針と時期
3-1附属校とは? 進学校とは?
3-2附属校は進学校よりラクなのか?
3-3共学校と男子校or女子校、どちらがいい?
3-4子どもは自由な学校に通いたがるが本当に大丈夫か?
3-5部活動を選ぶときはなぜ「人数」と「環境」が重要?
3-6「寮生活」という選択肢のメリットは?
3-7「偏差値50」を基準にすることの「落とし穴」
3-8学校選びで偏差値をどう使えばいいのか?
3-9少しでも偏差値が高い中学校がいい?
Column2中学受験体験記②~公立中進学も中学受験撤退も「負け」ではない
■第4章受験を快適に乗り切るための塾との付き合い方
4-1塾がたくさんあってどう選べばいいかわかりません
4-2塾と家庭のスタンスは揃っているか?
4-3集団指導と個別指導はどちらがいい?
4-4入塾のタイミングはいつがベスト?
4-5塾と家庭教師の併用で「船頭多くして船山に登る」とNG
4-6転塾するか、しないか? その目安は?
Column3中学受験体験記③~Mさんのお母さんの場合
■第5章親の正しい接し方、やってはいけない接し方
5-1子どもを褒めるときに「天才」はNG!
5-2どうやって「褒める」? どうやって「叱る」?
5-3結果が悪いときはどんな言葉をかければいい?
5-4「やる気がない我が子」の解像度を上げよう
5-5なぜ「そんなことなら塾をやめなさい!」と言ってしまうのか?
5-6模試の結果で一喜一憂しない
5-7文系の親が国語を、理系の親が算数を教えはじめたら破滅の第一歩
5-8完璧主義であるほど完璧から遠ざかる
5-9読書は音読したほうがいい? その理由は?
5-10子どもの課題に「土足」で踏み入ると親子関係が壊れる
5-11成績が「伸びる子」と「伸びない子」の考え方の違いとは?
5-12今から受験勉強を始める子に「いの一番に」教えたいこと
Column4中学受験体験記③~中学受験「残酷」物語
■第6章無理なく無駄なく進む合格までのスケジュールの立て方
6-1成績優秀な子に育つ1~3年生のうちの地頭作り
6-2中学受験「時期別」の注意点をまとめてみた