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ザック監督 W杯限りで勇退…不退転の覚悟で“最後の戦い”へ

[ 2014年5月30日 06:16 ]

サポーターの声援に笑顔で手を振りながら出発するザッケローニ監督

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が14年W杯ブラジル大会を最後に勇退することが29日までに分かった。日本協会関係者によると、本大会の成績にかかわらず、契約が満了するW杯後に退任することを決意。日本協会とも既に合意に達しているという。日本を「第2の故郷」と呼ぶイタリア人指揮官は、4年間の集大成として、不退転の覚悟でW杯に臨む。

 W杯直前合宿となる米国へ向け、日本代表は成田空港から旅立った。ザッケローニ監督は搭乗前のセレモニーで日本航空職員から花束を贈られると「ありがとうございます。行ってきます。頑張りましょう」と日本語であいさつ。拍手喝采を浴びると、笑顔で手を振り機上の人となった。

 穏やかな表情の下に確かな決意があった。10年8月に日本代表監督に就任し、本大会での躍進を目指してこの4年間でチームをつくり上げてきた。その集大成の舞台がW杯だ。イタリア人指揮官は本大会での成績にかかわらず、契約の満了する7月のW杯終了をもって日本代表監督から退くことを決断した。

 日本協会の大仁会長は先日、指揮官の去就について「W杯だけではなくこれまでの公式戦の全てを評価する」と話し、成績次第では続投を要請する可能性も示唆。だが、日本協会関係者によれば、ザッケローニ監督と日本協会側は話し合いを持ち、契約を延長しないことで合意に達したという。

 ACミランをリーグ優勝に導いた名将は、初の公式戦となった11年1月のアジア杯を制覇し絶好のスタートを切ると、その後も戦術家としての手腕を発揮。就任の際に協会側から出された(1)W杯予選突破、(2)チームプレーを成熟させることの2つの条件を見事にクリアした。私生活では日本の文化を堪能、今では日本を「第2の故郷」と公言する。協会関係者によると、日本を去る決断は決して簡単ではなかったという。今後については白紙の中、退路を断って、指揮官自身も4年間の集大成と位置付ける大舞台へ臨むことを選んだようだ。

 ザッケローニ監督は日本代表監督の就任会見の席で「私がチームを去るとき、その後の日本サッカー界の財産となるようなものを残したい」と言っていた。関係者によると、日本協会は後任探しに着手。スペインではエスパニョールのアギーレ監督が後任候補とも報じられた一方で、ザッケローニ監督がA代表で行っているトレーニング法を日本代表のアンダーカテゴリーでも導入する方針を確認したという。

 既に日本サッカー界に多くの功績をもたらしたイタリア人指揮官だが、最大のミッションはW杯での躍進。目標は決して口にしないが、大きな野望を胸に“最後の戦い”に挑む。 

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