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すし初/湯島

1年の締めくくりはやはりすし初。シイタケ嫌い並びにミスターボリュームアップと共に、2020年を総括します。
この日のラインナップはこんな感じ。年の瀬に日本酒をかっ食らいに行こうという意識の高い常連が集った夜であり、グループを超えた会話はありませんがひっそりとした連帯感のある酒宴でした。
当店の大将はシャレのわかる方なので、シイタケ嫌いにシイタケ丸々思いきりでマウンティングをかけてきます。結局この皿を全て引き受けたのはミスターボリュームアップであり、なるほど確かにボリュームアップする理由ここにあり。
続いてハラガワ。カツオのハラスの部分であり脂たっぷり。このツマミめっちゃ美味しくて酒にも合うのに、他のお店で見かけることが無いのは何ででしょう。
根菜特集。レンコンやゴボウは家庭での調理が面倒くさい素材の筆頭格であり、このようにたっぷりと味わえるのは嬉しい。酸味のある醤油味に伊根満開を合わせて鉄板のマリアージュです。
冬季限定の酒ぶり。程よく熱した日本酒にタネをくぐらせ、ほんのりと火を入れていきます。かなりの種類の魚介をタイミングを見計らって用意してくれ、親鳥に餌を与えられるかのようにリラックスできます。キンメダイとブリがたっぷり太っており心に残りました。
あん肝を用いた茶碗蒸し。ぐわー、これは抜群に美味しいですねえ。ネットリというよりはフワフワとした食感のアンキモが驚くほど軽く、また、上品な味わい。ポーションもはんぺんのような気前の良いサイズであり、本日一番のお皿です。
銀ダラ。ちょっとした定食屋でも別格の値付けである魚であり、こうして美味しい部分だけを酒のアテにする豪遊。
メカジキは熟成酒粕漬けで。パワフルな調味に凝縮感のあるフィッシュ。これだけでゴハン1杯は余裕の存在感なのに酒のツマミとして済ましてしまうだなんて、日本は豊かである。
煮付けは丸々と太った1匹を3人でシェアします。ほんのりと温かく、素材の味わいがそのまま伝わってきます。欧米系の魚料理って、ガンガンに濃厚にする傾向にあるので、和食のこういったソフトタッチの煮付けは世界に誇ることのできる味覚でしょう。
にぎりに入ります。特大の海老を一口で頬張り、数十秒かけて咀嚼する。ムシャムシャムシャ。やっぱ食感って大事だよなあ。
キンメダイ。先の酒ぶりでトップクラスの輝きを放っていましたが、再びこうして逢着できるとはハッピーパラダイス。少し炙ってより増した凝縮感。
シャケのにぎりにイクラをトッピングし、親子握りに。見た目の通り直情径行な味わいであり、コッテリと美味しい。
カンパチの炙り。やはり丸々と太った個体でありメタボ体質。やっぱり冬は魚が美味しいなあ。
やはり大御所のマグロでビシっと締めます。仄かな酸味で口腔内が洗われる。
国産のチーズをビビビと炙ってシャリと共に頂きます。クッキングパパ的な企画モノではありますが、ミルクの旨味に磯の風味を湛えた海苔でバリっと整え、誰もが愛すべき味わいでしょう。
〆は牡蠣の軍艦で。最後の最後まで濃密な味わいであり酒を飲ませにかかります。

今夜も良く飲みました。酒を飲むためのツマミで腹の殆どを膨らませるという美徳。旨い魚で腹を満たすほど幸せなことはありません。来年もリピ確定である。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。