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「反撃能力」の名の下に安保政策を大転換…相手を脅して抑止するのは「幻想」

2022年11月23日 06時00分 有料会員限定記事
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<崩れゆく専守防衛~検証・敵基地攻撃能力①エスカレーション>
 自衛隊と米軍が今月、3万6000人を投入して実施した大規模共同演習「キーン・ソード23」。精密誘導弾などの実弾射撃を行い、長射程化で敵基地攻撃能力への転用を念頭に置く「12式地対艦ミサイル」発射準備の手順も確認した。見据えるのは、台湾侵攻も辞さずに軍拡に突き進む中国だ。
 「日米の戦力を向上させ、よりダイナミックな能力と可能性を追求し続けることが日米同盟に貢献する」。海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)から自衛隊機で1時間半ほど飛行した先の太平洋上を進む海自最大の護衛艦「いずも」の艦内。在日米軍トップのラップ司令官は、自衛隊の山崎幸二統合幕僚長と並んだ記者会見で力説した。
 ラップ氏の言う「ダイナミックな能力と可能性」が指すのは、ステルス戦闘機F35Bが離着陸できるよう事実上の空母化への改修が進むいずもの評価。だが、言外には日本の敵基地攻撃能力保有への期待もにじむ。いずもからF35Bが発進し、長射程ミサイルで敵基地をたたけるようになる近未来図が浮かぶ。
 日本は憲法9条の下、安全保障の基本方針として「専守防衛」を堅持。自衛権の行使を必要最小限度にとどめ、攻撃を退けるのが大原則だ。日米の役割分担で打撃力を米国に委ね、日本は国土防衛に徹する「矛と盾」の関係には、周辺国との緊張を高めない狙いもあった。岸田政権は今、「反撃能力」という名の敵基地攻撃能力に手をかけ、この鉄則を大転換しようとしている。
 大義にするのは、中国や北朝鮮の軍拡、軍事技術の発展による脅威だ。核に加えて迎撃が難しいとされる「極超音速ミサイル」などの開発が進み、日本の抑止力を高めなければ守り切れない、というのが論拠。7月まで防衛省で事務次官を務めた旗振り役の島田和久内閣官房参与は「米国だけでなく、日本からも反撃を受けるとなれば相手側の戦略計算を複雑...

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